エンタープライズ管理 > Windchill のエクスポートとインポート > Windchill のエクスポートとインポートについて > インポートとエクスポートについて
  
インポートとエクスポートについて
 
エクスポートについて
Windchill のエクスポート機能では、ローカルのデータベースにある上位レベルのオブジェクトに含まれるすべてのデータが、ローカルファイルシステムの JAR ファイルに格納されます。オプションとして、ある日時の範囲内に作成または修正されたオブジェクトだけを処理対象とすることもできます。その後、インポート機能を使用して JAR ファイルからデータを抽出し、ローカルデータベースの指定した場所に配置します。エクスポート (格納) してからインポート (抽出) したデータは、変更管理に必要な情報を持っていません。
エクスポート時には、以下のようにさまざまなオブジェクトのデータを JAR ファイルに圧縮できます。
キャビネットおよびフォルダのコンテンツ - キャビネットおよびフォルダにある、Windchill のエクスポート機能によってサポートされているオブジェクトのコンテンツは圧縮されます。フォルダとキャビネットはサポートされていませんが、サポートされている各オブジェクトについては、それを保持していたキャビネットとフォルダに関するデータが JAR ファイルに含まれます。
製品構造 (アクティブなコンフィギュレーション仕様に基づいて構築) - 部品は、製品構造全体のシードオブジェクトとして機能します。製品構造は、依存する子部品および関連するドキュメントを含み、アクティブなコンフィギュレーション仕様に基づいて構築されます。
以下はシードオブジェクトとして機能します。
WTPart のサブクラス
シリアル番号付きの部品
サブタイプ WTPart のインスタンス
最終オブジェクト (WTProduct とも呼ばれます)
CAD ドキュメント構造 (最新のコンフィギュレーション仕様に基づいて構築) - CAD ドキュメントは、最新のコンフィギュレーション仕様に基づいて生成された CAD 構造全体のシードオブジェクトとして機能します。部品および、部品と CAD ドキュメント間のリンクはエクスポートされません。
CAD ドキュメント付きの製品構造 (アクティブなコンフィギュレーション仕様に基づいて構築) - このオプションは、製品構造オプションと CAD ドキュメント構造オプションを組み合わせたものです。部品の製品構造と CAD ドキュメントの CAD 構造との間の構築規則に従い、この 2 つの構造をエクスポートします。部品、製品構造、CAD ドキュメント、CAD 構造、およびコンテンツファイルがエクスポートされます。
ドキュメント - ドキュメントの通常のインスタンスまたはサブタイプのインスタンスがエクスポートされます。
エクスポートできるすべてのオブジェクトタイプは「エクスポート」ウィンドウで表示できます。エクスポートデータには、別のオブジェクトによって参照されているドキュメントが含まれます。最終変更の日時によってオブジェクトをフィルタし、JAR ファイルに含めるオブジェクトを制御できます。
JAR ファイルには任意の名前をつけることができます。別のファイル拡張子を指定しないかぎり、ファイルの拡張子は jar になります。JAR ファイルは、ZIP ファイルを開いて展開できるソフトウェアであれば、どのソフトウェアでも開くことができます。
インポートについて
Windchill のインポート機能では、エクスポート処理で作成された圧縮ファイルを展開して、ローカルデータベースにオブジェクトを配置できます。インポートしたオブジェクトは、ほかのファイルと同様に修正できます。
デフォルト設定を使用している場合、インポートしても、ローカルデータベースの同じネームスペースにすでに存在し、インポートするオブジェクトと同じ状態を持つオブジェクトが上書きされることはありません。部品、ドキュメント、CAD ドキュメントなど、ほとんどのビジネスオブジェクトでは、インポート時に以下の識別子に基づいてオブジェクトの一意性が判断されます。
オブジェクトの Unique Federated Identifier (UFID)。これはローカル ID、ドメイン、サイトから構成されます。UFID は、オブジェクトがデータベースに格納されるとき、そのオブジェクトに割り当てられます。オブジェクトの改訂、バージョン、作業版数を変更すると、UFID が変化しますが、オブジェクトのライフサイクル状態を変更しても、UFID は変化しません。
オブジェクトのビジネス ID は、以下の属性の値から作成されます。
WTPart の場合、番号、バージョン、作業版数、ビュー
WTDocument の場合、番号、バージョン、作業版数
CADDocument の場合、CAD 名、番号、バージョン、作業版数
再利用可能属性またはサブタイプ定義オブジェクトの場合、名前、パス
オブジェクトのビジネス ID の作成方法の詳細については、オブジェクトの番号付けとバージョン指定を参照してください。
* 
オブジェクトタイプごとに異なる一意識別子を指定できます。
インポートするオブジェクトが、既存のデータベースオブジェクトとして UFID を持ちながらビジネス ID が異なる場合、インポートは失敗します。このような場合にインポートが失敗しないようにするには、「インポート」ウィンドウで「オーバーライド可能なコンフリクトを解決」チェックボックスを選択するか、ポリシーまたは規則ファイルを使用して、インポートするオブジェクトの UFID またはビジネス ID の値を変更します。
別の属性値でコンフリクトがある場合は、その属性および選択したインポートオプションによってシステムの処理が異なることがあります。コンフリクトのオーバーライドの詳細については、インポートおよびエクスポートポリシー、マッピング規則、およびコンフリクトメッセージを参照してください。
プロセス
エクスポート処理とインポート処理は、JAR ファイルへのインタフェース上で属性データを変換またはブロックするマッピング規則ファイルを参照できます。さらに、インポート処理では、インポートしたオブジェクトが置かれるコンテキストを制御するコンテキストマッピングファイルを参照できます。
データベース内のオブジェクトを作成または修正する方法は、ポリシーファイルの使用、または、インポートまたはエクスポート中にユーザーインタフェースで選択した使用可能な操作によって制御されます。これらのインポートポリシーファイルまたは操作は、いずれかのマッピング規則ファイルが適用された後に適用されます。
プレビュー機能により、指定のファイルからのインポートを実行した場合の予想される結果が表示されます。この機能では、インポートされるファイル、発生する可能性のあるコンフリクト、およびインポート処理が完了するか失敗するかが示されます。ただし、インポート操作を実行した結果の完全な詳細を示すものではありません。
「詳細なログ」チェックボックスがオフの場合は、エクスポートされるオブジェクトの数、および処理される XML ファイルの数がログに表示されます。「詳細なログ」チェックボックスがオンの場合は、インポートするファイル、インポート中に発生する可能性のあるコンフリクト、インポート処理が完了するか失敗するかもログに表示されます。これは簡単なチェックであるため、プレビューで問題がなくても実際のインポート処理が失敗する可能性はあります。
マッピング規則およびポリシーの詳細については、インポートおよびエクスポートポリシー、マッピング規則、およびコンフリクトメッセージを参照してください。
Windchill のエクスポート機能およびインポート機能では、複数のリリースにまたがる JAR ファイルのエクスポートとインポートをサポートしていません。つまり、以前のバージョンの Windchill でエクスポートを実行して作成された JAR ファイルは、特定のプロパティが有効になっていないかぎり、新しいバージョンの Windchill にインポートできません。クロスリリースインポートが必要な場合は、このプロパティを有効にできます。
* 
このプロパティは必要な場合にだけ有効にしてください。インポートが正常に行われた後に発生するデータの不一致、または整合性の問題は、サポートされません。
クロスリリースインポートを有効にするには、wt.properties ファイルで以下のプロパティを指定して、メソッドサーバーを再起動します。
wt.ixb.import.allowCrossReleaseImport=true
別の方法として、このプロパティを動的に再読み込みすることもできます。以下の形式を使用してマッピング規則ファイルでこのプロパティを指定します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8">
<userSettings>
<properties>
wt.ixb.import.allowCrossReleaseImport=true
</properties>
</userSettings>
コンフリクト、ポリシー、マッピング規則の詳細については、インポートおよびエクスポートポリシー、マッピング規則、およびコンフリクトメッセージを参照してください。
* 
キャッシュサイズが十分でない場合、大規模データセットのインポートまたはエクスポートに失敗することがあります。その場合は、wt.properties ファイルの wt.ixb.cacheSize プロパティを使用してキャッシュサイズを増やし、メソッドサーバーを再起動します。たとえば、wt.ixb.cacheSize を 4000 から 6000 の範囲の値に設定できます。