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高度な Windchill 設定
このセクションでは、バックグラウンドメソッドサーバー、HTTP トンネリングのための RMI、複数のメソッドサーバーでのロードバランス、LDAP フェイルオーバーについて説明します。
複数のメソッドサーバーのロードバランス
単一のホスト上で複数のメソッドサーバーを起動し、複数のオペレーティングシステムプロセス間で負荷を分散して均衡を図ることができます。ネイティブスレッドをサポートしていないマルチプロセッサシステムを使用している場合は、このようにすると効果的です。
メソッドサーバーが複数ある環境のデフォルトの設定では、最初の各クライアント接続に関してのみ単純なラウンドロビン方式の均衡化が図られます。ロードバランスでは、均衡の概念を 1 歩進めて、実際のメソッド呼び出しを行って均衡を保ちます。この方式では、サーバーの負荷が過剰になると、メソッドサーバーが個々にメソッド呼び出しを行って、クライアントリクエストを別のサーバーにシームレスに切り替えます。
以下のセクションでは、複数のメソッドサーバーを設定し、ロードバランスに関するプロパティを指定する方法について説明します。
複数のメソッドサーバーの Windchill プロパティの設定
Windchill 内でロードバランス機能を使用する場合、コード変更は必要ありません。wt.properties ファイル内の各プロパティを使用して、ロードバランスの動作を制御します。
複数のメソッドサーバーを Windchill 用に設定するには、サーバーマネージャが複数のメソッドサーバーを起動し、サーバーのアクティビティを監視する必要があります。複数の Windchill メソッドサーバーを設定するには、wt.properties のプロパティ
wt.manager.monitor.start.MethodServer=x
を使用します。
ここで x は、設定するメソッドサーバーの数です。
この数には、バックグラウンドメソッドサーバーとして使用されるメソッドサーバーは含まれません。
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高可用性を備えたキュー処理はデフォルトで有効化されているため、すべてのメソッドサーバーがキュー処理を実行できます。キューを実行する特定のバックグラウンドメソッドサーバーを選択して設定できます。バックグラウンドキューを実行するようにバックグラウンドメソッドサーバーを設定する方法の詳細については、バックグラウンドメソッドサーバーの設定のセクション「バックグラウンドキュー用のメソッドサーバーの設定」を参照してください。
RMI ベースのクライアントからのロードバランスリクエストのしきい値検出の設定
RMI ベースのクライアント (アプレットや別の Java RMI ベースのクライアントなど) からメソッドサーバーに対してリクエストが行われた場合、以下のしきい値を超えていないかどうかが現在のサーバーによってチェックされます。
しきい値
説明
wt.method.loadbalance.RMISockets
ServerLoadException を発生させずにサーバーをアクティブに保つことができる RMI ソケットの数を定義します。デフォルトは 0 です。
wt.method.loadbalance.activeContext
ServerLoadException を発生させずにサーバー内で現在アクティブにできるコンテキストの最大数を定義します。デフォルトは wt.pom.maxDbConnections です。
しきい値を超えている場合、サーバーは次のサーバーへの参照を持つ wt.method.ServerLoadExceptions を使用して例外を生成します。RMI クライアントはこの例外を受け取ると、参照先のサーバーにそのリクエストをリダイレクトします。
以下のプロパティは、1 つのメソッドコールをリダイレクト可能な最大回数を指定します。
wt.method.loadbalance.maxRedirects
デフォルトの設定は 1 です。この値を 0 に設定すると、しきい値以下のサーバーが識別されるまでメソッドコールがリダイレクトされます。
しきい値がゼロに設定されている場合、または wt.properties ファイル内で定義されていない場合、しきい値は無視されます。