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データの管理
Windchill のインストールでは、サイトコンテキストで使用可能な一連のビジネスオブジェクトタイプが設定され、組織コンテキストおよびアプリケーションコンテキストに継承できます。オブジェクトタイプを使用すれば、属性セットとユーザーインタフェース機能をオブジェクトタイプごとに指定して、オブジェクトを分類できます。たとえば、ドキュメントとして分類されたオブジェクト (wt.doc.WTDocument タイプを使用) と、部品として分類されたオブジェクト (wt.part.WTPart を使用) とでは、ユーザーインタフェースで使用できる属性と操作が異なります。
よく使用されるビジネスオブジェクトタイプを、以下の表に示します。
表示名
オブジェクトタイプ
説明
ドキュメント
wt.doc.WTDocument
テキストファイルや Microsoft Word 文書などの一般的なドキュメント
分析作業
wt.change2.WTAnalysis Activity
ユーザーに分析タスクを割り当てる変更データ
変更タスク
wt.change2.WTChange Activity2
ユーザーに製品開発作業を割り当てる変更データ
変更調査
wt.change2.WTChange Investigation
製品問題の原因に関する情報を収集する変更データ
問題レポート
wt.change2.WTChangeIssue
潜在的な製品問題をレポートする変更データ
変更通知
wt.change2.WTChange Order2
製品変更の実装に必要なすべてのタスクを収集する変更データ
変更解決案
wt.change2.WTChange Proposal
製品問題のソリューションを提案する変更データ
変更リクエスト
wt.change2.WTChange Request2
決定に必要なすべての変更影響データを収集する変更データ
EPM ドキュメント
wt.epm.EPMDocument
このタイプは、以下のビジネスオブジェクトのサブタイプの親タイプです。
CAD ドキュメント (タイプ:<プレフィックス>.DefaultEPMDocument)
ダイナミックドキュメント (タイプ: <プレフィックス>.DynamicDocument)
バースト設定ファイル (タイプ:<プレフィックス>.BurstConfiguration)
診断ドキュメント (タイプ:<プレフィックス>.DiagnosticDocument)
注記 (タイプ: <プレフィックス>.Note)
現象セット
部品
wt.part.WTPart
製品構造のアセンブリのコンポーネントを表すデータベースオブジェクト
プロモーションリクエスト
wt.maturity.PromotionNotice
1 つまたは複数のオブジェクトの状態を、レビュープロセスを選択して新しいライフサイクル状態に変更するリクエスト
部品インスタンス
wt.part.WTProductInstance2
特定のコンフィギュレーションに従って構築された製品のシリアライズされたコピー
一時許可
wt.change2.WTVariance
設計どおりのコンフィギュレーションから、特定の数の単位や特定の時間からの逸脱の許可。一時許可は、偏差と免除で構成されます。偏差とは、部品を組み立てる前に設計どおりの構成から計画的に逸脱することを指します。免除とは、構成に従わないことを書面で承諾することを指します。
バリエーション仕様
com.ptc.wpcfg.doc.Variant Spec
バリエーションの作成の準備として、特定のコンフィギュレーション可能部品の構造に対して指定するオプションの集合。つまり、バリエーション仕様では、コンフィギュレーション可能部品の構造から作成されるバリエーションの特性を定義します。
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すべての Windchill ソリューションがすべてのビジネスオブジェクトタイプを使用することはなく、ユーザープリファレンス、ライフサイクル、およびワークフローの更新などの管理プロセスを管理するために、多くの追加オブジェクトタイプが Windchill ソリューションで使用されます。特定のオブジェクトタイプの使用に関する詳細は、この一連のトピックで説明されています。
データタイプ
Windchill ソリューションに保存されるすべてのデータは、特定のタイプのオブジェクトとして保存されます。タイプは、オブジェクトが作成またはインポートされたときに指定されます。データのタイプを指定することで、Windchill ソリューション内でのデータ処理のパターンを設定します。たとえば、部品データの番号の設定を自動にするか手動にするかを決定したり、部品データにアクセスできるユーザーを決定できます。オブジェクトの初期化規則を設定することにより、データのタイプごとに決定できます。これらの一連の規則は、使用されるコンテキストテンプレートによって、各コンテキストの作成時に設定されます。追加のオブジェクト初期化規則は、「オブジェクト初期化規則管理」ユーティリティを使用して設定できます。このユーティリティには、規則を保存するコンテキストの 「ユーティリティ」ページからアクセスします。
サブタイプ
デフォルトで提供されているオブジェクトタイプに加えて、オブジェクトタイプはサブタイプを持つことができます。Windchill ソリューションはインストールの一部として、いくつかのドキュメントサブタイプを提供しています。さらに、Windchill PDMLinkWindchill Arbortext Content Manager は、Windchill との Windchill Arbortext Editor 接続を通してドキュメントコンテンツを作成するときに作成される、ダイナミックドキュメントおよびバースト設定ファイルのためのサブタイプを提供します。
サイトにタイプを追加する場合、「タイプおよび属性の管理」ユーティリティを使用して、サイトまたは組織コンテキスト内から特定のサブタイプを作成できます。
ビジュアリゼーションデータ
Windchill Visualization Services (WVS) は、Windchill に PTC のデータビジュアリゼーションツールである Creo View を統合したものです。このツールを使用すると、CAD ドキュメントおよび部品を表示、アノテーション付け、分析、測定、および動画化できます。また、Creo View では、ドキュメントのコンテンツについても、表示、マークアップ、および印刷できます。Creo View で表示またはアノテーションが付けられたすべての情報は、Windchill データベースに保存されます。
Creo View は、3D、図面、イメージ、およびドキュメントのウォーターマークをサポートします。ウォーターマークは、Creo View のウォーターマークエディタを使用して作成および編集された INI ファイルで定義されます。ウォーターマークを管理する管理者は、ウォーターマークのディレクトリから Windchill サーバーに手動で INI ファイルを移動します。
また、Windchill Visualization Services を使用して、WindchillWindchill Arbortext Publishing Engine を統合し、ダイナミックドキュメントから製品表現を作成することもできます。サポートされているフォーマットは、PDF と HTML です。これは WVS パブリッシャを通して行われます。
ビジュアリゼーションデータの管理方法の詳細については、Visualization とサムネイルの概要を参照してください。
CAD データ
CAD アプリケーションで作成され、ワークグループマネージャまたは Creo Elements/Pro 5.0 を使用して Windchill に保存されるデータファイルは、CAD ドキュメントとして Windchill で管理されます。
CAD ドキュメントは、wt.epm.EPMDocument のモデル化されたオブジェクトタイプのサブタイプと関連付けられており、部品、アセンブリ、図面、レイアウト、および製造ファイルなどの、タイプの異なる多くの CAD ファイルの管理のために使用できます。さらに、CAD ドキュメントはセカンダリコンテンツを持つことができます。セカンダリコンテンツは通常、追加補足情報や、STEP、IGES、JPEG などの派生ファイルのために使用されます。
<プレフィックス>.DefaultEPMDocument として定義されている CAD ドキュメントのサブタイプはインストールプロセス時に設定されます。ここで、<プレフィックス> は、インストール時に組織プロパティの一部として指定されるインターネットドメインを逆順に表記して生成されます。たとえば、指定されたインターネットドメインが acme.com の場合、ソフトタイプ名で作成される <プレフィックス> は com.acme です。
管理者は、CAD ドキュメントテンプレートを作成および更新できます。これらのテンプレートは、CAD ドキュメントの作成に使用できます。
ダイナミックドキュメントデータ
WindchillWindchill Arbortext Editor によって作成されたデータファイルをサポートします。これらのファイルはそのエディタの Windchill 接続を使用して Windchill に保存され、Windchill の中でダイナミックドキュメントとして管理されます。それらのデータファイルは、WVS パブリッシャが Windchill Arbortext オーサリングアプリケーション用に設定されていれば、そのパブリッシャを使用してパブリッシュできます。
Windchill Arbortext EditorWindchill Arbortext Publishing Engine は、Windchill のオプション製品で、PTC から購入できます。
ダイナミックドキュメントは、<プレフィックス>.DynamicDocument サブタイプまたは <プレフィックス>.DynamicDocument のサブタイプと関連付けられています。ここで、<プレフィックス> は、インストール中に組織プロパティの一部として指定されるインターネットドメインを逆順に表記して生成されます。たとえば、指定されたインターネットドメインが acme.com の場合、ダイナミックドキュメントのサブタイプの名前は、com.acme.DynamicDocument となります。
追加サブタイプは、ダイナミックドキュメントのタイプを分類するのに役立ちます。また多くの場合、Windchill Arbortext Editor に接続される複雑なコンテンツオーサリングシステムを展開するときに必要となります。
ダイナミックドキュメントとともに使用するための製品およびライブラリのコンテキストの作成方法に関する一般的なガイドラインについては、ダイナミックドキュメントの製品またはライブラリの設定を参照してください。
ダイナミックドキュメントをパブリッシュするための WVS パブリッシャの設定方法については、パブリッシング規則についてを参照してください。
ドキュメントデータ
Windchill データベースに保存されている一般的なドキュメント (Microsoft Word ファイルやテキストファイルなど) は、wt.doc.WTDocument オブジェクトタイプを持っているか、あるいはおそらく wt.doc.WTDocument のサブタイプと関連付けられていますサブタイプの使用はドキュメントのタイプを分類するのに役立ちます。
管理者は、ドキュメントテンプレートを作成および更新できます。これらのテンプレートは、ドキュメントの作成に使用できます。
管理者は、ドキュメントに関連したプリファレンス設定 (ファイル名の一意性やテンプレートファイル名の長さなど) を変更することもできます。これらの設定は「プリファレンス管理」ユーティリティの「ドキュメント」カテゴリの下にあります。
部品データ
Windchill データベースに保存されている部品には wt.part.WTPart オブジェクトタイプがあります。
Windchill で作成された部品は、ビューに関連付けることができます。ビューは、部品の使用目的を識別します。Windchill システムには、デフォルトで 2 つのビュー (設計と製造) があります。ユーザーが部品を作成する前に、「ビュー管理」ユーティリティを使用して、これらのビューの名前を変更したり、サイトに適したほかのビューを追加したりすることができます。
詳細については、ビューとビュー関連を参照してください。
監査
監査ユーティリティは、監査とトレーサビリティの目的でユーザーおよびシステムイベントを記録しレポートするために設計されています。