インデックシングとは、Windchill オブジェクトから属性値のテキスト文字列を抽出し、検索用に最適化されたインデックスコレクションを構築するサーチエンジンにその文字列を送信するプロセスです。この処理により、内部オブジェクトモデルを理解していない場合でも、ユーザーは Windchill データベースに保存されたデータを効率よく検索できます。

インデックシング規則は、ドメイン、オブジェクトタイプ、およびライフサイクル状態を、キーワードサーチの実行時に使用される一連のコレクションにマッピングします。インデックシング規則によって、特定のタイプのオブジェクトが特定のライフサイクル状態になるときに、そのオブジェクトがインデックス付けされるコレクションを指定します。オブジェクトは、指定した状態からインデックシング規則が定義されていない別の状態になったときに、インデックスから削除されます。

1 つの規則では、1 つの状態と 1 つのオブジェクトタイプのみが指定されます。ただし、各規則では複数のコレクションが識別されます。

オブジェクトタイプは、同じ属性と機能を持つオブジェクトのカテゴリを指します。たとえば、オブジェクトタイプの 1 つとして Document がありますが、ユーザーが作成したいくつかのドメインにこのタイプの複数のインスタンスが存在する可能性があります。Windchill のドメインは階層構造になっているので、ドメインに定義されているインデックシング規則は子ドメインに継承されます。たとえば、「Design」ドメイン内のすべての状態のオブジェクトタイプ Document に対して定義されているインデックシング規則は、そのドメイン内または子ドメイン内のオブジェクトタイプ Document のインスタンスに適用されます。Windchill タイプも階層構造になっているので、オブジェクトは祖先タイプに定義された規則を継承します。したがって、指定された 1 つのオブジェクトに複数の規則を適用できます。たとえば、AnnotationSet タイプに適用する規則は StructuredAnnotationSet タイプにも適用されます。さらに、StructuredAnnotationSet に固有の通知規則が存在することもあります。

ポリシー管理ユーティリティでインデックシング規則を作成するには、規則の前項目と後項目を指定する必要があります。

規則の前項目は、以下の 3 つの部分で構成されます。

たとえば、オブジェクト状態が「リリース」になったときに、一般文書オブジェクトを Released コレクションに入れることを指定する規則を定義できます。

ドメインのインデックシング規則をまとめて、ドメインのインデックシングポリシーが形成されます。

規則の後項目は、1 つまたは複数のコレクションのリストです。

コレクションは、検索可能な関連オブジェクトのグループを表します。コレクションには、サーチ用に最適化されたインデックスおよび実際のオブジェクト場所への参照が含まれています。インデックシング可能なすべてのオブジェクトには、インデックス先となるコレクションのリストが付随しています。最初のリストは、オブジェクトの作成時に割り当てられます。オブジェクトを削除した場合は、インデックシングされているすべてのコレクションからオブジェクトを削除する必要があります。

作成から削除までの間、オブジェクトのライフサイクルの状態や所属するドメインによって、オブジェクトがインデックシングされているコレクションを変更できます。インデックシング規則の作成時には、オブジェクトが指定のライフサイクル状態になったときにオブジェクトを追加 (または除去) するコレクションを指定して、ドメインのインデックシングポリシーをカスタマイズします。このポリシーからインデックシングリストが生成され、オブジェクトタイプに関連付けられます。パフォーマンスを向上させるため、インデックシングリストは作成後にキャッシュされます。

Windchill コレクションは、wt.properties ファイルで定義されます。各コレクションには、コレクションを定義するプロパティがあります。詳細については、Windchill Installation and Configuration Guide を参照してください。