このセクションでは、単純な環境、中規模の環境、および複雑な環境における物理ネットワークとコンピューティング要件について、ハイレベルの例として Windchill ESI 展開シナリオをいくつか紹介します。

コストを最小限に抑えるために 1 台の物理サーバーにすべての EAI コンポーネントを展開する小規模の組織の場合の例として、単純な Windchill ESI 展開を以下の図に示します。

このサンプルシナリオでは、Windchill PDMLink 製品デザイナーは製造ユーザーと同じ場所にいます。Windchill ESI-EAI ソフトウェアコンポーネントは、1 台の物理サーバー上で統合されます。必要に応じて、Windchill サーバーと TIBCO サーバーを 1 台の物理サーバー上で組み合わせることもできます。パフォーマンスを最大にするためにこのシナリオが示す最良事例は次のとおりです。

このシナリオでは、Windchill PDMLink および Windchill ESI ユーザーと管理者は、バックエンドシステムに直接アクセスする共通の LAN 上で作業します。Windchill ESI および Windchill ESI システムの外部ユーザーは、セキュリティ保護された非武装地帯 (DMZ) の Web サーバー経由でエンタープライズにアクセスします。

スケーラビリティ要件があり、コスト、パフォーマンス、信頼性などの要素のバランスをとる必要がある中規模企業の場合の例として使用できるシナリオを以下の図に示します。

この図は、サイトが 2 カ所のシナリオを示しています。複雑な実運用システムが企業本社 (サイト A) にあり、製品デザイナーと製造ユーザーもサイト A にいます。もう一方のサイト (サイト B) は、ワイドエリアネットワーク (WAN) リンクによって本社と分離され、WAN とファイアウォールを介して Rendezvous メッセージを転送するために Rendezvous Routing Daemons (RVRD) を使用する必要があります。システムの各ターゲットには、同じ LAN 上でを公開するために、専用の TIBCO アダプタがあります。

WAN とファイアウォールの通過、複数の製造サイト、膨大なデータ量、高可用性やセキュリティのニーズなどの複雑で固有のビジネス要件を持つ、地理的に分散した大規模企業の場合の例として使用できる Windchill ESI 展開を以下の図に示します。

この図は、複数のサイトが存在するシナリオを示しています。サイト A は企業本社で、製品設計および製造施設があります。サイト B、C、および D は、企業内部 (プライベート WAN リンクで分離) または企業外部 (インターネットを介して分離されたサードパーティや委託製造メーカーなど) の、リモート製造サイトを表します。サイト A では、複数の物理サーバーのクラスタリングと冗長性を活用することで、フェイルオーバーおよびフェイルバック機能による高可用性が促進されます。Windchill と Oracle 間の製品データの同時パブリッシング操作のパフォーマンスを向上させるために、TIBCO BusinessWorks プロセスエンジンがプライマリサーバーとフェイルオーバーサーバーの両方で展開されます。セキュリティの理由から、エンドユーザーはバックエンドシステムとは別の LAN を使用し、インターネットを介した通信はセキュリティ保護されたルーティングデーモン (RVSRD) によって仲介されます。