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数値のサーチ範囲
実数実数 (単位付き) の値を含む基準サーチを実行する場合、Windchill は一定の範囲内でサーチ結果を返すことができます。
たとえば、次のような部品を作成したとします。
部品
重量
Bearing-987
8.0377
Bearing-x55
8.0383
Bearing-n7v2
8.0388
重量に基づいて部品のアドバンスサーチを実行します。基準値として 8.038 を指定します。
Windchill によって丸めの範囲がサーチに適用されます。この結果、このサーチでは 8.0375 から 8.0385 の範囲の重量が返されます。
部品
重量
返されるか?
Bearing-987
8.0377
はい
Bearing-x55
8.0383
はい
Bearing-n7v2
8.0388
いいえ
丸めの範囲の基本規則では、丸めた場合にサーチで入力した値と等しくなる数値が範囲に含まれます。上の例では 8.0388 は 8.039 に丸められるので、サーチ結果からは除外されます。
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表示単位がベース単位とは異なる単位に設定されている場合 (たとえば、長さをインチで表示しているが Windchill では長さがセンチメートルで保存される場合)、ベース単位を使用して範囲が適用されます。これは表示される結果に影響することがあります。詳細については、サーチ範囲とベース単位の変換を参照してください。
丸め
もう 1 つの例として、特定の属性値を持つオブジェクトのサーチを実行します。このサーチを実行する際、属性値のサーチ基準として「1.74」と入力します。
オブジェクトの属性値
結果に含まれるか?
説明
1.7408
はい
1.740 は 1.74 に丸められます。
1.73611
はい
1.736 は 1.74 に丸められます。
1.7308
いいえ
1.730 は 1.73 に丸められます。
1.74611
いいえ
1.746 は 1.75 に丸められます。
1.73
いいえ
サーチ結果に含まれる数値は、最初のサーチの値に丸めることができる範囲内になければなりません。これによって、最小有効桁 (サーチの値の最後の数字) から約 0.5 だけ上下に範囲が広がります。
たとえば、「1.74」と入力した場合、丸めたときに 1.74 となる値、つまり 1.735 から 1.745 の範囲にあるすべての値が結果に含まれます。
「1.740」と入力した場合、丸めたときに 1.740 となる値、つまり 1.7395 から 1.7405 の範囲にあるすべての値が結果に含まれます。
同じサーチで 1.73 と 1.74 が返されるようにするには、サーチ基準として「1.7」と入力する必要があります。このサーチでは、丸めたときに 1.7 となる値、つまり 1.65 から 1.75 の範囲にあるすべての値が結果に含まれます。
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この丸めの範囲は、サーチの入力の最小有効桁の次の桁にのみ適用されます。したがって、1.4 でサーチした場合、値が 1.3489 であるオブジェクトは最終的には 1.4 に丸められますが返されません。
サーチの入力が 1.4 の場合、Windchill では E-2 まで評価されます。この場合、1.3489 は 1.34 として扱われ、1.3 に丸められます (これは一致ではありません)。これに対し、1.35 でサーチした場合、1.3489 は E-3 (1.348) から丸められて 1.35 になり、一致になります。
丸めの範囲はこのように適用されるので、サーチ用語で多くの桁数を使用することなく非常に精密な数値をサーチできます。たとえば、1.28378 は以下のように丸められます。
1.2838
1.284
1.28
1.3
このため、属性値が 1.28378 であるオブジェクトをサーチするには、上記の数値のいずれかを入力します。
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サーチ用語が整数である場合は例外です。整数でサーチする場合、非常に限られた範囲が適用されます。この範囲では 5E-14 が加算および減算されます。
たとえば、16 でサーチした場合、15.99999999999995 から 16.00000000000005 の範囲の結果が返されます。
5 からの丸め
Windchill による数値範囲の計算方法の鍵となるのが、数字 5 の処理方法です。一般的な慣例では、数字は 5 から切り上げられます。このため、たとえば 85 は 90 に丸められ、11.5 は 12 に丸められます。
ただし、Windchill で 5 から丸めるときに適用される規則としては、最小有効桁の数字が 5 である場合、直前の桁の数字に基づいて、切り上げまたは切り捨てられます。
直前の桁の数字が偶数の場合、切り捨てられます。
4.125 は 4.12 に丸められます
4.145 は 4.14 に丸められます
4.165 は 4.16 に丸められます
直前の桁の数字が奇数の場合、切り上げられます。
4.115 は 4.12 に丸められます
4.135 は 4.14 に丸められます
4.155 は 4.16 に丸められます
この結果、5 から丸めた場合、必ず偶数に丸められます。
除外されるか含まれるか
次のような規則があります。
数値がサーチ結果に含まれるようにするには、この数値は、丸めたときにサーチの入力値と等しくなる範囲に含まれていなければなりません。
5 から丸める場合、直前の桁の数字が偶数のときには数値は切り捨てられます。
返される値の範囲は、サーチの最小有効桁の数字が偶数か奇数かによって異なります。範囲は「含む」または「除外」のいずれかです。
「含む」範囲が適用されている場合、その範囲には上下の境界の数値が含まれます。最小有効桁の数字が偶数の場合、その範囲は「含む」になります。
たとえば、サーチの入力が 3.4 の場合、丸めたときに 3.4 となる値、つまり 3.35 以上かつ 3.45 以下の範囲にあるすべての数値が含まれます。
「除外」範囲が適用されている場合、その範囲から上下の境界の数値は除外されます。最小有効桁の数字が奇数の場合、その範囲は「除外」になります。
たとえば、サーチの入力が 3.3 の場合、丸めたときに 3.3 となる値、つまり 3.25 より大きくかつ 3.35 未満の範囲にあるすべての数値が含まれます。
このため、返される値の範囲は、サーチ入力の最小有効桁の数字が偶数のときの方が若干広くなります。
基準演算子
数値のアドバンスサーチを実行する場合、いくつかの異なる演算子を使用できます。「より大きい」演算子と「より小さい」演算子を使用した場合にも範囲が適用されます。
初期範囲が「含む」か「除外」かによって結果が影響を受けます。
サーチ条件
結果の範囲
0.48
入力値が偶数で終っているので、これは「含む」範囲です。
0.475 以上
0.485 以下
0.48
0.475 より小さい。
0.48
0.485 以下。
0.48
0.485 より大きい。
0.48
0.475 以上。
サーチ条件
結果の範囲
2.863
入力値が奇数で終っているので、これは「除外」範囲です。
2.8625 より大きい
2.8635 より小さい
2.863
2.8625 以下。
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「含む」範囲で開始する場合とは異なり、「より小さい」と「より大きい」のサーチには境界の上限と下限が含まれます。
Windchill で " 2.863" をサーチしたときに 2.8625 は返されないことがこの理由です。
したがって、"より小さい" サーチで 2.8625 が返されなければなりません。
2.863
2.8635 より小さい。
2.863
2.8635 以上。
2.863
2.8625 より大きい。