複数のエフェクティビティ情報のパブリッシング
部品または製品は、適用されているエフェクティビティに基づいて製造されます。適用されているエフェクティビティを下流の統合基幹業務 (ERP) システムにパブリッシングすることが重要です。
エフェクティビティは、部品、拡張データ、および部門データオブジェクトに適用されます。エフェクティビティは、日付、ロット、またはシリアル番号で指定できます。詳細については、エフェクティビティについてを参照してください。
適用されているエフェクティビティ情報は、ERP コネクタを使用して、Windchill Enterprise Systems Integration (ESI) レスポンスで、配布ターゲットにパブリッシングできます。Windchill ESI レスポンスでパブリッシングするエフェクティビティ情報に必要なコンフィギュレーションは、デフォルトで用意されています。
BOM とともに原材料リンクオブジェクトのエフェクティビティをパブリッシングできます。
1. 変更通知によって製造履歴オブジェクトからエフェクティビティをパブリッシングするには、次の手順に従います。
a. esi.properties.xconf ファイルで、次のプロパティのデフォルト値を true に設定します。
<Property default="false" name="com.ptc.windchill.esi.publishEffectivityInformationFromManufacturingHistory"/>
b. 次のコマンドを実行します。
xconfmanager -pf
c. プロパティを適用すると、esi.properties ファイルに com.ptc.windchill.esi.publishEffectivityInformationFromManufacturingHistory が表示されます。
2. BOM トランスフォーマで部品を開き、 > 「材料を挿入」操作を使用して原材料部品を追加します。詳細な手順については、原材料部品または半完成部品と部品の関連付けを参照してください。
3. 変更通知 ECN_001 を作成して BOM 構造に関連付け、エフェクティビティを追加します。
4. > 「配布ターゲットを更新」の順にクリックします。「配布ターゲットを更新」ページが開きます。このページで、パブリッシング先となるターゲットをサーチし、そのチェックボックスをオンにします。
5. 「OK」をクリックします。
6. 上流ビューまたは下流ビューでルート部品を選択し、 > 「配布ターゲットに送信」の順にクリックします。「配布ターゲットに送信」ページが開きます。
7. 「次へ」をクリックします。「含まれるオブジェクト」セクションに、パブリッシング対象として選択されたターゲットのリストが表示されます。
8. 「送信」をクリックします。パブリッシングが開始されたことを示すメッセージが表示されます。
9. 変更通知を解決します。
次の応答が生成されます。
エフェクティビティ
<Effectivity>
<ObjectID>OR:wt.effectivity.WTDatedEffectivity:198919:222562873-1634234454365-525180031-1-0-0-127@vagrant.ptcnet.ptc.com</ObjectID>
<Class>com.ptc.windchill.esi.Part</Class>
<StartEffectivity>2021-10-27 00:00:00</StartEffectivity>
<EndEffectivity>2021-10-31 00:00:00</EndEffectivity>
<EffectivityCxtPartNumber/>
<EffectivityType>Date Effectivity</EffectivityType>
<EffectivityQualifier>Exact</EffectivityQualifier>
<PartMaster>0000000064</PartMaster>
<TargetID>FILE_0001</TargetID>
</Effectivity>
別個のグループに含まれるエレメントとしてのエフェクティビティのパブリッシング
Windchill ESI では、ERP コネクタを使用して、オブジェクトに関連付けられている複数のエフェクティビティ情報を配布ターゲットにパブリッシングできます。デフォルトでは、以下のオブジェクトに関連付けられているエフェクティビティは、ESI 応答で別個のグループとしてパブリッシングされます。
部品
材料セット
連産品
BOM Header (BOM ヘッダ)
BOM コンポーネント
エンタープライズデータ
プラントデータ
部門データ
製造バージョン
ESI 応答では、エフェクティビティは「追加済み」グループ、「変更なし」グループ、または「削除済み」グループでパブリッシングされます。拡張データと部門データに適用されているエフェクティビティは、それぞれのグループの外部にパブリッシングされます。これは、拡張データおよび部門データの属性が部品の属性と組み合わされていても、部品のエフェクティビティ情報とは組み合わされません。
ESI 応答の部品エレメントとエフェクティビティエレメントのサンプルを参照してください。部品の AssociatedEffectivityID 属性はエフェクティビティの ObjectID 属性と一致していることに注意してください。
<AddedBOMs NAME="AddedBOMs" TYPE="Unknown" STATUS="0">
<BOMHeader>
<ObjectID>OR:wt.part.WTPart:234172:885848332-1727961145874-1013430185-147-200-228-10@vagrant.ptcnet.ptc.com</ObjectID>
<Class>com.ptc.windchill.esi.BOMHeader</Class>
<LastChangedBy>wcadmin</LastChangedBy>
<Number>SXKMB00224</Number>
<Version>A</Version>
<Iteration>2</Iteration>
<EnterpriseVersion/>
<PreviousVersion/>
<Usage/>
<Alternate/>
<IsCADPhantom>false</IsCADPhantom>
<IsCollapsible>false</IsCollapsible>
<AssociatedEffectivityID>OR:wt.part.ProductSerialNumberEffectivity:234224:885848332-1727961145874-1013430185-147-200-228-10@vagrant.ptcnet.ptc.com</AssociatedEffectivityID>
<EffectivityCxtPartNumber>SXKMB00164</EffectivityCxtPartNumber>
<PreviousChangeNumber/>
<Type>Part</Type>
<TargetPlant/>
<Quantity/>
<Unit/>
<AssociatedMadeFromObjectID/>
<IsAllocatedAsResource>false</IsAllocatedAsResource>
<TargetID>FILE_DT_01</TargetID>
</BOMHeader>
</AddedBOMs>
...
<AddedEffectivities NAME="AddedEffectivities" TYPE="Unknown" STATUS="0">
<Effectivity>
<ObjectID>OR:wt.part.ProductSerialNumberEffectivity:234224:885848332-1727961145874-1013430185-147-200-228-10@vagrant.ptcnet.ptc.com</ObjectID>
<Class>com.ptc.windchill.esi.Part</Class>
<StartEffectivity>32</StartEffectivity>
<EndEffectivity>98</EndEffectivity>
<EffectivityCxtPartNumber>SXKMB00164</EffectivityCxtPartNumber>
<EffectivityType>End Item Serial Number Effectivity</EffectivityType>
<EffectivityQualifier>Exact</EffectivityQualifier>
<PartMaster>SXKMB00224</PartMaster>
<TargetID>FILE_DT_01</TargetID>
</Effectivity>
</AddedEffectivities>
デフォルトでは、エフェクティビティは別のグループのエレメントとしてパブリッシングされます。デフォルトの動作を変更するには、以下のいずれかのプロパティを設定します。
エフェクティビティを関連オブジェクトと同じグループ内でパブリッシングするには、xconfmanager を使用して次のプロパティを true に設定します。
xconfmanager -s com.ptc.windchill.esi.renderEffectivityElementInPartElement=true -t codebase/com/ptc/windchill/esi/esi.properties -p
エフェクティビティをオブジェクトエレメント内の属性としてパブリッシングするには、xconfmanager を使用して次のプロパティを true に設定します。
xconfmanager -s com.ptc.windchill.esi.renderEffectivityWithPartAttributes=true -t codebase/com/ptc/windchill/esi/esi.properties -p
エフェクティビティのコンテキストに基づく BOM の差分のみのパブリッシング
エフェクティビティのコンテキストに基づいて BOM をパブリッシングするには、プリファレンス「エフェクティビティのコンテキストに基づいて BOM の差異の計算を有効にする」「はい」に設定します。このプリファレンスは、「ユーティリティ」 > 「ESI」 > 「設定」 > 「BOM」の順に移動することで、サイトレベルまたは組織レベルとして設定できます。このプリファレンスが「はい」に設定されている場合、パブリッシング対象の BOM は、同じ配布ターゲットの同じエフェクティビティのコンテキストでパブリッシングされた以前のバージョンと比較されます。「いいえ」 (デフォルト値) に設定されている場合、パブリッシング対象の BOM は、エフェクティビティのコンテキストを考慮することなく最後にパブリッシングされた BOM と比較されます。
ECN セントリックモードのパブリッシングでは、「エフェクティビティのコンテキストを含める」プリファレンスと「エフェクティビティコンテキストを検証」プリファレンスを適宜設定して、エフェクティビティのコンテキストに基づいて BOM をパブリッシングする必要があります。
「エフェクティビティのコンテキストに基づいて BOM の差異の計算を有効にする」プリファレンスを「はい」に設定して BOM をパブリッシングする以下のシナリオについて考えます。
シナリオ
BOM 構造
ESI 応答
メモ
1
次のエフェクティビティを使用して部品構造を作成およびパブリッシングします。
ParentPart_1 (A.1)
ChildPart_1
ChildPart_2
ParentPart_1 にエフェクティビティを適用します
コンテキスト: Cntxt_1 (部品番号 - 0000000001)
シリアル番号: 1-100
追加済み部品:
ParentPart_1
ChildPart_1
ChildPart_2
追加済みエフェクティビティ:
最終品目シリアル番号エフェクティビティ 1-100
EffectivityCxtPartNumber: 0000000001 (Cntxt_1)
追加済み BOM ヘッダー:
ParentPart_1
追加済み BOM コンポーネント:
ChildPart_1
ChildPart_2
このシナリオでは、すべての部品、BOM ヘッダー、およびコンポーネントが作成されます。
エフェクティビティは追加済みです。
2
ParentPart_1 を改訂して ChildPart_3 を追加し、エフェクティビティのコンテキストが異なる次の構造をパブリッシングします。
ParentPart_1 (B.1)
ChildPart_1
ChildPart_2
ChildPart_3
ParentPart_1 にエフェクティビティを適用します
コンテキスト: Cntxt_2 (部品番号 0000000002)
シリアル番号: 1001-1100
追加済み部品:
ChildPart_3
変更済み部品:
ParentPart_1
変更なし部品:
ChildPart_1
ChildPart_2
追加済みエフェクティビティ:
最終品目シリアル番号エフェクティビティ: 1001-1100
EffectivityCxtPartNumber: 0000000002
追加済み BOM ヘッダー:
ParentPart_1
追加済み BOM コンポーネント:
ChildPart_1
ChildPart_2
ChildPart_3
部品は、実行された操作に従って追加済み、変更済み、または変更なしです。
エフェクティビティは追加済みとしてパブリッシングされます。
ParentPart_1 (B.1) と ParentPart_1 (A.1) のエフェクティビティのコンテキストが異なるため、BOM ヘッダーと BOM コンポーネントは追加済みです。
3
ParentPart_1 を改訂します。ChildPart_1 と ChildPart_2 の数量を更新します。シナリオ 1 と同じエフェクティビティのコンテキストを使用して次の構造をパブリッシングします。
ParentPart_1 (C.1)
ChildPart_1 (数量が更新されている)
ChildPart_2 (数量が更新されている)
ChildPart_3
ParentPart_1 にエフェクティビティを適用します
コンテキスト: Cntxt_1 (部品番号 0000000001)
シリアル番号: 101-200
変更済み部品:
ParentPart_1
変更なし部品:
ChildPart_1
ChildPart_2
ChildPart_3
削除済みエフェクティビティ:
最終品目シリアル番号エフェクティビティ: 1-100
EffectivityCxtPartNumber: 0000000001
追加済みエフェクティビティ:
最終品目シリアル番号エフェクティビティ: 101-200
EffectivityCxtPartNumber: 0000000001
変更済み BOM ヘッダー:
ParentPart_1
追加済み BOM コンポーネント:
ChildPart_3
変更済み BOM コンポーネント:
ChildPart_1
ChildPart_2
部品は、実行された操作に従って追加済み、変更済み、または変更なしです。
以前のエフェクティビティは削除済みで、新しいエフェクティビティが追加済みとしてパブリッシングされます。
部品 ParentPart_1、ChildPart_1、および ChildPart_2 の BOM ヘッダーと BOM コンポーネントは、以前にパブリッシングされているので、これらは変更済みとしてパブリッシングされます (シナリオ 1 を参照)。
ChildPart_3 の BOM コンポーネントは、この部品がバージョン A.1 の BOM になかったため、追加済みとしてパブリッシングされます
* 
エフェクティビティに基づく材料セットオブジェクトと連産品オブジェクトのパブリッシングは、プリファレンス「エフェクティビティのコンテキストに基づいて BOM の差異の計算を有効にする」「はい」に設定されている場合にサポートされます。
エフェクティビティのコンテキストの部品が直接の親ではなく、プリファレンス「エフェクティビティのコンテキストに基づいて BOM の差異の計算を有効にする」「はい」に設定されている場合、ESI 応答が生成されます。ただし、Oracle Applications でパブリッシングするときに、ミドルウェアによってエラーメッセージが表示されます。
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