オーナー関連部品を含む CAD ドキュメントの製品表現
このトピックでは、オーナー関連部品がある/ない CAD ドキュメントへの製品表現の関連付けについて説明します。
関連付けによる WVS 製品表現の機能方法について
部品とのオーナー関連付けが存在しない場合、製品表現は常に EPM ドキュメントに格納されます。EPM ドキュメントに部品とのオーナー関連付けが存在する場合、製品表現は部品に格納されます。
この状況により、特定のシナリオにおいて予期しない (ただし正常な) 動作が発生する場合があります。たとえば、EPM ドキュメントがあり、それをパブリッシングして製品表現を作成すると、EPM ドキュメントの「製品表現/アノテーション」タブにその製品表現が表示されます。ただし、次にその EPM ドキュメントと部品との関連付けを手動で作成すると、チェックインプロセスによって構築が実行され、そのプロセスの間、製品表現は EPM ドキュメント上で非表示になり、新しく関連付けられた部品では読み取り専用参照用に使用可能になります (図面上の製品表現が、部品に関連付けられた部品から表示可能であるのと同じです)。この製品表現は部品上に存在するわけではなく、まだ EPM ドキュメント上に存在しているので、部品上に表示される製品表現は "読み取り専用" モードになります。これは正常な動作ですが、製品表現が EPM ドキュメント上から消えてしまったように見えるため混乱を招く可能性があります。
チェックイン時に構築を実行しなかった場合にも、同じような状況が発生します。通常、EPM ドキュメントにチェックイン (さらに、関連付けられている部品を作成するように指定) すると、構築が実行され、2 つのオブジェクト間のオーナー関連付けが作成されます。この場合、部品についてはオーナー関連付けがまだ作成されていません。EPM ドキュメントにチェックインするとき構築を実行しない場合、パブリッシングジョブは実行されますが、部品は EPM 構築履歴リンク以外の方法で関連付けられ、製品表現が EPM ドキュメント上で有効になります。手動で構築操作が実行されると、関連付けは、EPM ドキュメントと部品間の関連付けを手動で作成した場合とまったく同じように機能します。EPM ドキュメント上の製品表現は非表示になります。
オーナー関連部品を持つ CAD ドキュメントの製品表現
オーナー関連付け部品に独自に作業版数が適用されると、新しい製品表現が CAD ドキュメントに関連付けられます。部品への構築されたオーナー関連付けがある CAD ドキュメントの場合、新しい製品表現は CAD ドキュメントではなく部品に直接関連付けられます。
CAD ドキュメントがパブリッシングされた後で CAD ドキュメントと部品の間にオーナー関連付けが作成された場合の動作は次のとおりです。
1. CAD ドキュメントの詳細ページから移動した場合、製品表現は製品表現リストに表示されなくなります。新しい製品表現を作成するには、CAD ドキュメントをパブリッシング用に再びサブミットする必要があります。作成する製品表現は部品上に存在することになります。
2. 部品の詳細ページでは、製品表現は読み取り専用の製品表現として表示されます。関連付けられている CAD ドキュメントをパブリッシング用に再びサブミットした場合、新しい製品表現は部品に関連付けられているため、CAD ドキュメントと部品の両方の製品表現リストに新しい製品表現が表示されます。
チェックイン後に構築 - 前述の動作は、「チェックイン後に構築」プリファレンスを「なし」に設定した場合と、CAD ドキュメントが関連部品とともにチェックインされ、パブリッシング用にサブミットされた場合に行われます。CAD ドキュメントと部品の間にはオーナー関連付けがあるように見えますが、"関連部品の構築" 操作を実行することでオーナー関連付けが作成されるまで関連付けは存在しません。「チェックイン後に構築」プリファレンスを設定するには、「ユーティリティ」 > 「プリファレンス管理」 > 「操作」 > 「チェックイン操作」に移動します。
CAD ドキュメントから部品へのオーナーリンクの動作
デフォルトでは、CAD ドキュメントをパブリッシングしたとき、新たにパブリッシングされる製品表現は、CAD ドキュメントの最新の作業版数 (CAD ドキュメントが作成した作業版数) によって参照されている部品の最初の作業版数を使用して作成されます。これに該当するのは、wvs.property.xconf のプロパティ publish.representable.owner.usefirstiterationtrue (デフォルト) に設定されている場合です。
CAD ドキュメントを表示したときに表示されるのは、この製品表現です。
操作
結果
部品に対して、CAD ドキュメントとは別に作業版数を適用
部品の製品表現は「製品表現」ページに表示されません。
CAD ドキュメントを表示
最初の作業版数に関連付けられている製品表現が表示されます (上の図の A.1)。
CAD ドキュメントをパブリッシング用にサブミット
新たに作成される製品表現は、最初の作業版数に配置されます (A.1)。
CAD ドキュメントの現在の作業版数によって参照されている部品の最新の作業版数を使用して CAD ドキュメントをパブリッシングするには、publish.representable.owner.usefirstiteration プロパティを false に設定します。
操作
結果
最初の作業版数を表示 (A1)
A.1 に関連付けられている製品表現が表示されます。
CAD ドキュメントを表示
最新の作業版数に関連付けられている製品表現が表示されます (上の図の A.2)。
CAD ドキュメントをパブリッシング用にサブミット
新たに作成される製品表現は、最新の作業版数に配置されます (A.2)。
複数のオーナーの関連付け
複数の部品との複数のオーナー関連付けがある CAD ドキュメントがパブリッシング用にサブミットされた場合、新しい製品表現は、プライマリオーナー関連部品に関連付けられます。プライマリオーナーとは、CAD ドキュメントに関連付けられた最初の部品です。この場合のその他すべての関連部品を非プライマリオーナー関連部品と呼びます。プライマリオーナー関連部品の最初の作業版数を使用して、製品表現が取得されます。非プライマリオーナー関連付けは無視されます。
これに該当するのは、wvs.property.xconf のプロパティ publish.representable.owner.usefirstiterationtrue (デフォルト) に設定されている場合です。
プライマリオーナー関連部品の最新の作業版数を使用して製品表現を取得するには、wvs.property.xconf のプロパティ publish.representable.owner.usefirstiterationfalse に設定します。
このメカニズムは、ダイナミック構造の処理にも使用されます。トラバーサルメカニズムを通じて、製品表現を持たない部品が返される場合、CAD ドキュメントには表示データがありません。同様に、この部品の製品表現をパブリッシングすると、CAD ドキュメントの表示データも作成されます。
製品表現を説明部品にコピー
製品表現を非プライマリオーナー関連部品にコピーするには、「製品表現を説明部品にコピー」機能を使用します。1 つの CAD ドキュメントに関連付けられた複数の部品があるとします。たとえば、1 人のオーナーと複数の追加イメージの関連付けです。「説明部品にコピー」機能を使用して、CAD ドキュメント用にパブリッシングされた製品表現を、その他のオーナーではない部品にコピーして、ビジュアリゼーションで製品表現を使用可能にできます。通常は、これらの部品が部品構造に含まれている場合です。
「製品表現を説明部品にコピー」プリファレンスセットは、「プリファレンス管理」「Visualization」セクションにあります。
このセクションで使用可能なプリファレンスは、次のとおりです。
「コピーする製品表現を選択」- 製品表現の作成時に、デフォルトの製品表現からコピーするのか、任意の製品表現からコピーするのかを選択できます。
「有効」(「はい/いいえ」) - 製品表現の作成時に、製品表現の説明部品へのコピーを有効/無効にします。
「マークアップを含める」(「はい/いいえ」) - 製品表現を説明部品にコピーするときにマークアップを含めるかどうかを指定できるようにします。
「最新作業版数」(「はい/いいえ」) - パブリッシングされる製品表現対象が最新作業版数である場合のみ、製品表現を説明部品にコピーできるようにします。
「ナビゲーション」- コピー操作のために説明部品を検索するときにナビゲートする関連付けタイプを指定します。
「オーナー関連要」(「はい/いいえ」) - 製品表現を説明部品にコピーするために部品へのオーナー関連付けが必要かどうかを指定できるようにします。
これらのプリファレンスの詳細については、各プリファレンスの「プリファレンスを設定」ウィンドウを参照してください。
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「製品表現を説明部品にコピー」プリファレンスはサイトコンテキストおよび組織コンテキストで使用できます。製品コンテキストでは使用できません。
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