エンタープライズバージョン
各下流部品は上流部品の仕様に基づいて製造されます。個々の部品の「エンタープライズバージョン」属性には、リンクされている最新の上流部品のバージョンが表示されます。
産業界で製造されるすべての部品では何らかの設計が設計参照として使用されます。設計参照はエンタープライズバージョンにすぎません。設計エンジニアが設計を更新することがあります。そのような場合、最新の変更内容で部品を製造するには、エンタープライズバージョンを更新する必要があります。
主なポイント
「エンタープライズバージョン」属性の値はリンクとして表示されます。リンクをクリックすると、部品の情報ページが開きます。
部品の情報ページで「エンタープライズバージョン」属性値を表示することもできます。
下流ビューの部品マスターが上流ビューの部品マスターと異なる場合があります。この場合、下流の「エンタープライズバージョン」属性の値は下流の部品マスターと同じです。詳細については、「ユースケース 1 - 同じ部品マスター」を参照してください。
一部のシナリオでは、下流の対応部品マスターが上流の部品マスターと異なります。たとえば、BOM 変換操作を使用して部品マスターが下流に作成されている場合です。このようなシナリオでは、新しい部品マスターなので、その部品マスターには新しい設計が関連付けられます。このため、「エンタープライズバージョン」属性値は上流対応ではありません。「エンタープライズバージョン」属性値は下流の部品と同じです。詳細については、「ユースケース 2 - 異なる部品マスター」および「ユースケース 3 - 異なる部品マスター (複数ビュー階層のシナリオ)」を参照してください。
ユースケース
部品マスターを変更すると「エンタープライズバージョン」が変更されます。次のユースケースでは、BOM トランスフォーマでの「エンタープライズバージョン」属性の働きについて理解できます。
ユースケース 1 - 同じ部品マスター 
上流ビューに存在する Engine, A.1 (Design) と下流ビューに存在する Engine, A.1 (Manufacturing) は対応部品です。
このシナリオでは、下流ビューの「エンタープライズバージョン」属性の値は A.1 (Design) です。これは、Engine, A.1 (Manufacturing) は上流ビューに存在する部品 Engine, A.1 (Design) の新規ブランチであるためです。このシナリオでは、部品マスターは変更されていません。
上流ビューに存在する Engine, A.1 (Design) に作業版数を適用して Engine, A.2 (Design) にします。Engine, A.2 (Design) の類似ステータスアイコンとして期限切れアイコン Engine, A.1 (Manufacturing) が表示されます。
このシナリオでは、下流ビューの「エンタープライズバージョン」属性の値は A.1 (Design) のままとなります。これは、上流ビューで部品に作業版数が適用されても、下流ビュー内の部品にリンクされた作業版数は引き続き A.1 (Design) であるためです。つまり、古いバージョンの設計を参照しています。
Engine, A.1 (Manufacturing) に対して「現在の上流対応オブジェクトに更新」操作を開始します。期限切れアイコンが に変わります。部品の作業版数が Engine, A.2. (Manufacturing) に変わります。
このシナリオでは、下流の「エンタープライズバージョン」属性の値は A.2 (Design) です。リンクされた作業版数が A.2 (Design) に更新されたことがその理由です。最新バージョンの設計を参照するようになりました。
ユースケース 2 - 異なる部品マスター 
上流ビューに次の部品が存在するとします。
上流ビューの部品 0028, Engine, A.1 (Design) に対して「新規下流部品」操作を開始します。更新された構造は以下のように表示されます。
このシナリオでは、下流ビューの「エンタープライズバージョン」属性の値は A.1 (Manufacturing) です。その理由は部品マスターが 0029, A.1 (Manufacturing) に変更されるからです。部品マスターが変更されるたびに、「エンタープライズバージョン」属性の値は部品マスターの値と同じになります。
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「エンタープライズバージョン」属性の値はリンクとして表示されます。このリンクをクリックすると、0029, A.1 (Manufacturing) の部品情報ページが表示されます。
ビジネスユースケース
エンジンを製造するとします。エンジンの BOM に 28 個のボルトを消費または使用する必要があると記載されています。これらのボルトのエントリは ERP システムに記載されています。完璧なエンジンを製造するには、BOM と ERP システムに記載されているボルトの数が同じである必要があります。また、部品マスターの変更についてもシステムによって認識される必要があります。ここで「エンタープライズバージョン」属性が大いに役立ちます。
ユースケース 3 - 異なる部品マスター (複数ビュー階層のシナリオ) 
次のイメージについて考えてみます。
コンテキストが Design から Manufacturing に、Manufacturing から Plant1 に、Plant1 から SubPlant に変更されています。
「エンタープライズバージョン」属性値は部品マスターと同じです。部品マスターが変更されると、「エンタープライズバージョン」属性値も変更されます。
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