パッケージ操作に関する最良事例
オブジェクトをパッケージに収集する際の最良事例
外部コラボレーションで使用されるWindchillパッケージでは、オブジェクト同士の関連に基づいてパッケージコンテンツが収集されます。これらのパッケージの作成では、最初に初期選択オブジェクトを 1 つ以上選択します。続いて、パッケージにコレクション規則を適用し、関連するオブジェクトを収集してパッケージコンテンツにまとめます。
• 初期選択オブジェクトテーブルにあるオブジェクトをすべて含めるのではなく、コレクターを使ってオブジェクトを収集します。
• 同じ初期選択オブジェクトの複数のバージョンがコレクションに使用されている場合は、複数の管理コレクションを使用して、そのオブジェクトの各バージョンにコレクションオプションを設定します。
• 依存オブジェクトをすべて収集するようにコレクション規則を設定し、必要なオブジェクトが確実にパッケージに含まれるようにします。
• 複雑な収集シナリオでは、管理コレクションを初期選択オブジェクトとして使用します。初期選択オブジェクトごとに異なるコレクション規則の適用が必要な場合や、コレクション規則により同じオブジェクトの複数のバージョンがパッケージに収集される場合があります。各管理コレクションには、独自のコレクション規則を設定できます。
大規模なパッケージ操作に関する最良事例
Windchillパッケージにサイズの制限はありません。ただし、パッケージコンテンツ内のオブジェクトが増え、その数が 2,000 を超えるようなパッケージを操作する場合は、いくつかの推奨事項があります。
• パッケージに収集されるオブジェクトが 60,000 を超える場合、システム管理者は
com.ptc.core.collectionsrv.engine.limitDependencyTracingプロパティを適切な値に設定します。詳細については、
ワークスペースページの機能を参照してください。
• 多数のオブジェクトを含むパッケージを操作するサイトでは、パッケージや管理コレクションのコンテンツを表示する際に、ツリーではなくリストを使用します。ツリービューでは、パッケージに含まれる管理コレクションを簡単に参照できますが、大量のオブジェクトのサポートは簡単ではありません。リストを使用することで、パッケージや管理コレクションのメンバーを素早く確認できます。リストビューから別のウィンドウを使用して、ネストされた管理コレクションのコンテンツを表示できます。パッケージと管理コレクションをリストとして表示できるようにするには、ShowPackageContentsTableAsTreeプロパティを true に設定します。デフォルトでは、パッケージの「コンテンツ」テーブルには、メンバーがツリービューで表示されます。
• 多数のオブジェクトを含むパッケージのレプリケーションに対して、サイト管理者はエクスポートパフォーマンスを向上させるために次のようなプロパティを設定できます。
◦ wt.ixb.export.maxThreads: エクスポートに使用されるスレッドの最大数を設定します。オブジェクトの数が少なくなれば、それに応じてスレッドの数も減少します。推奨されるスレッドの数は 2 です。
◦ wt.ixb.export.objPerThreadGuidance: 各スレッドに含まれるオブジェクトの数を設定します。
パッケージのオブジェクトをフィルタ処理する際の最良事例
フィルタを適用するときは、収集したデータを考慮します。ソースシステム上の情報を正確に表示するために必要なオブジェクトを、フィルタで除外しないように注意してください。特に、構造、ベースライン、および変更管理オブジェクトでは注意してください。特殊な CAD ドキュメントの関係にも注意してください。たとえば、ターゲットシステムで目的のコンテキストを提供するために、ファミリーテーブルの複数のメンバーが必要となる場合があります。
パッケージ Zip ファイルに含めるファイルをフィルタ処理する際の最良事例
Windchillパッケージでは、いくつかのオプションを使用して、Zip ファイルに含めるファイルをフィルタ処理できます。最も一般的なフィルタでは、ファイル拡張子が使用されます。また、サイトコンフィギュレーションでファイルをフィルタすることもできます。
「エクスポートのみ」フォーマットの送信を提供する場合は、パッケージ内のファイルで必要となる関連ファイルが、同様にパッケージに含まれていることが重要です。たとえば、CAD ドキュメントで必要となるファイルが含まれていない場合、パッケージの受信者は CAD ドキュメントを適切なオーサリングアプリケーションにロードできません。
PTC Windchill フォーマットで送信する場合は、インポートされたオブジェクトに関するシステムの完全性にも注意が必要です。多くの場合は、システムの完全性 (すべての添付資料を送信していない、など) に注意する必要はありません。一般的に、Windchillの完全性は添付資料が存在するかどうかに影響されません。一部のケースでは、コンテンツファイルの除去に関してシステムの完全性に注意する必要があります。たとえば、CAD ファイルや製品表現は、関連するコンテンツがなければ存在できません。PTC Windchill フォーマットの送信に含まれる特定のオブジェクトのコンテンツを除外するときに、すべてのコンテンツファイルを除外する場合は、通常、オブジェクト自体を除外してください。
パッケージ送信作成の最良事例
送信は、Windchillパッケージに関するプロセスで必要不可欠です。送信には受信者と送信媒体の 2 つの属性があり、これらは作成される Zip ファイルに大きく影響します。受信者は、Zip を作成するときに提供されるセキュリティオプションに直接関係します。送信媒体は、媒体のサイズ制限に基づいて、作成する Zip ファイルの数を決定します。
• 受信者の
Windchill権限を送信に適用する場合は、ユーザー名を手動で入力せずに、「参加者を検索」アイコン
を使用して参加者を選択します。ただし、パッケージに含まれるすべてのオブジェクトを表示する適切な権限が、ユーザーに付与されているかどうかを考慮してください。適切な権限が付与されていない場合、送信にセキュリティ権限を適用するのは適切でない可能性があります。セキュリティ権限を適用しない場合、本来アクセスが許可されていないオブジェクトへのアクセス権限が、ユーザーに付与される可能性があります。
• サイトでセキュリティラベルが有効で、Windchill参加者以外の受信者に送信する場合は、受信者への配信に適したセキュリティラベルを送信に適用します。パッケージに含まれているオブジェクトに、Zip ファイルの作成者によって指定されたセキュリティラベルがない場合、これらは Zip ファイルから除外されます。
• Zip ファイルの配信に使用する予定の送信媒体を選択します。 > プリファレンスを使用して、目的の送信メカニズムに適した Zip ファイルのサイズを設定します。
| 選択した送信媒体に「送信媒体ファイルサイズ」プリファレンスが存在しない場合は、 > プリファレンスが使用されます。 |
パッケージのロックの最良事例
同じパッケージから複数の送信物を作成する場合は、パッケージをロックする前に、パッケージコンテンツがどの送信物に対しても適切であることを確認します。最初の送信物を送信した後は、新しい作業版数またはリビジョンを作成しなければパッケージをロック解除できません。
パッケージファイル同期の最良事例
Creo Parametric、NX、SOLIDWORKS、CATIA V5、またはAutodesk Inventor 以外のオーサリングアプリケーションを使用する場合は、CAD ファイルの同期を無効にするか、パッケージを使用してこれらのファイルを配信しないようにします。 > プリファレンスを「いいえ」に設定すると、使用されたオーサリングアプリケーションに関係なく、すべての CAD ドキュメントオブジェクトが同期されずにパッケージ送信に含まれます。
インポート可能な ZIP ファイルの作成に関する最良事例
PTC Windchill フォーマットの ZIP ファイルを作成する機能には、追加の注意事項があります (これらは、エクスポート専用フォーマットには適用されません)。
• Zip ファイル作成時に
Windchillインポート可能フォーマットオプションを選択すると、パッケージ送信の Zip ファイルには、サポートされているオブジェクトだけが含まれます。指定された
Windchillリリースレベルへのインポートがサポートされていないオブジェクトは最終 Zip ファイルには含まれません。各
Windchillリリースでサポートされているオブジェクトタイプのリストは、
Windchill のインポート可能パッケージでサポートされるオブジェクトを参照してください。
• ターゲットシステムの Windchillのバージョンで、Windchill インポート可能パッケージの受信がサポートされていることを確認します。
• パッケージ情報を適切に送信するには、受信者と連携して、2 つのWindchillシステムで情報を交換できるようにします。次のトピックについて注意が必要です。
◦ オプションの製品: Windchill製品 (Windchill Supplier Management など) と関連付けられたオブジェクトがパッケージに含まれている場合、受信者のシステムにも同じ製品がインストールされている必要があります。
◦ タイプと属性の定義: 送信者のシステムで作成されたサブタイプや属性がパッケージに含まれている場合、パッケージ Zip ファイルをインポートするには、受信者のシステムにも同じサブタイプと属性が含まれている必要があります。
◦ 定義のマッピング: ほとんどのオブジェクトにはソースシステムの情報が含まれています。これらをマッピングして、ソースシステムとターゲットシステムの間で値を変換できます。これらのマッピングを使用することで、業務上の意味を変化させることなく、情報を簡単に変換できます。
◦ バージョンスキーム: パッケージに含まれているオブジェクトに、送信側のシステムで作成されたバージョンスキームが使用されている場合は、受信者のシステムにも同じバージョンスキームが含まれている必要があります。
カスタマイズされたシステムでパッケージ Zip ファイルを作成する際の最良事例
Windchillパッケージは、Windchill の標準的なインポートおよびエクスポート機能を使用します。モデル化されたカスタマイズが行われていて、その影響を受けるオブジェクトがパッケージに含まれている場合は、カスタマイズでもインポートとエクスポートのカスタマイズを考慮する必要があります。使用する PTC Windchill フォーマットの ZIP ファイルに、これらのオブジェクトが含まれている場合は、受信者のシステムでもこのカスタマイズがサポートされる必要があります。
詳細については、
パッケージのカスタマイズを参照してください。
インポート可能パッケージの完全送信および差分送信を使用する際の最良事例
完全送信にはパッケージ内のすべてのオブジェクトが含まれます (セキュリティの理由により除外されたオブジェクトを除きます)。差分送信の場合は、完全送信と違いがあります。差分送信には、選択されたベース送信以降にパッケージに追加されたオブジェクト、または変更されたオブジェクトだけが含まれます。また、差分送信では、選択されたベース送信以降に削除または除去されたオブジェクトに関する情報も提供されます。差分送信が別の Windchillシステムにインポートされ、これに削除されたオブジェクトに関する情報が含まれていた場合は、ターゲットシステムで削除操作がリクエストされます。
ターゲットシステムでオブジェクトを削除できるかどうかは、ターゲットシステムの設定により制限される場合があります。たとえば、製品構造がベース送信でエクスポートされた後、構造で使用されている部品の 1 つが構造から除去され、その後に削除されたとします。以降のパッケージの完全送信には構造の最新バージョンが含まれますが、ターゲットシステムには削除された部品が残ったままになります。ただし、同じベース送信から作成した差分送信には、ソースシステムで部品が削除されたことを示す情報と、インポートプロセス中にターゲットシステムで部品を削除するリクエストが含まれます。
外部のコラボレーションでは完全送信が一般的です。ソースシステムで削除されたオブジェクトを、ターゲットシステムでも除去することは重要ではありません。レプリケーションパッケージを使用する社内のコラボレーションシナリオでは、ターゲットシステムとソースシステムの間で同期を維持すること (オブジェクトの削除など) がより重要となります。差分送信では、ベース送信以降にソースで削除されたオブジェクトが、ターゲット上でも削除されます。パッケージの以降のバージョンで完全送信物を送信する場合は、完全送信の後に、前回の差分送信またはベース送信に基づく差分送信物をただちに送信して、オブジェクトの削除に関する情報もターゲットシステムに伝えるようにします。
たとえば、レプリケーションパッケージ A.1 が、社内の別のWindchillシステムに送信されている場合を考えます。また、複数の差分送信が作成され、それぞれベース送信として指定された前回の差分送信に対して送信されています (差分 A.2 は A.1 をベースとし、差分 A.3 は A.2 をベースとします。同様に、差分 A.7 まで作成されています)。完全送信 (たとえば B.1) が必要な場合は、完全送信を行った後に、前回の差分送信をベース送信に指定した差分送信を行います (A.7 をベースとして B.2 を作成します)。このパターンにより、レプリケーションパッケージ A.7 と B.1 の間で削除されたオブジェクトの情報が、ターゲットシステムに伝達されます。