例: ビジネス管理変更のエクスポートとインポート
この例では、企業は次のシステムからなる複雑な Windchill 環境を使用しています。
ソフトウェアコンフィギュレーション管理 (SCM) システムが関連付けられている 2 つの開発者システム
開発者システムからのすべての変更がコンパイルされる 1 つの統合システム
運用前テストシステム
ライブ実運用システム
運用前システムと統合システムは実運用システムの複製です。新しい実運用システムも作成され、変更が実装、テスト、インポートされた後でライブ実運用システムになります。これら 3 つのシステムは Windchill Rehost Utility を使用して作成されました。2 つの開発者システムは別々にインストールされて設定されています。開発者システムには、統合システム、運用前システム、実運用システムで使用可能なデータの一部だけが存在します。開発者システムに存在するデータには、ほかのシステム上のデータとは異なるオブジェクト識別子が付いています。
すべてのシステムの登録
ビジネス管理変更プロモーションのプロセスを開始するには、システムが登録されている必要があります。そのシステムのホスト名とグローバル一意識別子 (GUID) を検索するコマンドが各システムで実行されます。これら 2 つの属性は、各ソースシステムでコマンドを実行するときに参照しやすいように記録されます。適切なターゲットシステムを登録する別のコマンドが各ソースシステムで実行されます。上記の例の場合、各開発者システムで選択的ターゲットシステムとして統合システムが登録されます。開発者システムは統合システムと同じソースからのものでないため、選択的システムです。運用前システムは統合システム上で同期化ターゲットシステムとして登録されます。実運用システムは運用前システム上で同期化ターゲットシステムとして登録されます。これらのシステムは、上の図にオレンジ色の矢印で示すように、すべてが同一のソースからのものであるため、同期化システムです。
詳細については、システムの登録およびシステム登録コマンドを参照してください。
ターゲットシステムとして登録されている同期化システムでのベースラインの確立
任意のシステムに変更を加える前に、ターゲットシステムとして登録されているすべての同期化システムで、ベースラインを確立するコマンドを実行する必要があります。ベースラインは変更の追跡を開始する時点です。この例では、統合システムと運用前システムでベースラインコマンドを実行します。
詳細については、ベースラインの確立を参照してください。
開発システムでの変更の実装
この例では、各開発システムで新しいプロフィールと新しいポリシーアクセス制御規則が作成されています。これらの変更は、次の図でピンク色とオレンジ色の形状によって示されています。
詳細については、管理オブジェクトへの変更の実装を参照してください。
開発システムからの変更のエクスポート
新しいプロフィールとポリシーアクセス制御規則が作成されて結果がテストされたことで、新規オブジェクトを統合システムにエクスポートする準備ができました。これには、各開発システムで以下を指定してコマンドを実行します。
統合システムをターゲットシステムとして
作成するパッケージの名前
新規のプロフィールとポリシーアクセス制御規則が作成された時間範囲
ZIP ファイルに含めるオブジェクトのタイプ
エクスポートが成功した場合、新規の管理オブジェクトや、変更または削除された管理オブジェクトについてのデータを含む ZIP ファイルが作成されます。この場合、開発システムごとに ZIP ファイルが作成されます。ZIP ファイルには、各システムで作成された新しいプロフィールと新しいポリシーアクセス制御規則についてのデータが含まれます。ZIP ファイルがターゲットシステム (この例では統合システム) にコピーされます。
詳細については、変更のプレビューとエクスポートを参照してください。
統合システムへの変更のインポート
エクスポートされた ZIP ファイルがターゲットシステムで使用可能な場合、インポートコマンドを実行できます。このコマンドを実行するには、ローカルシステム上の ZIP ファイルへのパスが必要です。インポートに成功すると、ターゲットシステムに変更が反映されます。この例では、新しいプロフィールとポリシーアクセス制御規則がシステムに追加されます。
選択的モードを使用して開発システムからのエクスポートと統合システムへのインポートが行われたので、オブジェクト識別子はソースシステムとターゲットシステムの間で異なります。上の図では、異なる識別子が使用されていることを示すため、開発システムでは破線が使用され、統合システムでは線が使用されていません。両方のシステムで使用できるいずれかのオブジェクトに変更が加えられた場合 (初期状態の Windchill で使用可能なプロフィールなど)、選択的モードではオブジェクトの属性によってオブジェクトが照合されます。たとえば、既成のプロフィールに変更が加えられた場合、選択的モードではプロフィール名などの属性によってそれらのプロフィールが照合されます。オブジェクトが最初に照合された後、選択的モードでは、後から加えられた更新が適切に適用されるように、各システム上のオブジェクト識別子間のマッピングが作成されます。
詳細については、変更のインポートを参照してください。
統合システムでの変更のテスト
ビジネス管理変更プロモーションのプロセスを使用してインポートされたオブジェクトは、ターゲットの Windchill システムで作成されて所有されているかのように機能します。管理オブジェクトは、正常に機能していることを確認するため、各ターゲットシステムでテストすることをお勧めします。
この例では、2 つの新しいプロフィールと 2 つの新しいポリシーアクセス制御規則が統合システムに追加されています。管理者は、プロフィールまたはポリシー規則が適用されるユーザーとしてログインして、意図した動作が行われることを確認する必要があります。
統合システムからの変更のエクスポート
統合システムで新しくインポートされたオブジェクトをテストした後、統合システムから変更をエクスポートして運用前テストシステムにインポートできます。これには、統合システムで以下を指定してコマンドを実行します。
運用前システムをターゲットシステムとして
エクスポートの一部として作成される ZIP ファイルの場所
ベースライン以降のすべての変更がエクスポートされます。この例では、2 つの開発システムで作成された 2 つの新しいプロフィールと 2 つの新しいポリシーアクセス制御規則がこれに含まれます。これは、統合システムでベースラインが確立された後で変更がインポートされてテストされ、その他の変更は統合システムに加えられていないためです。エクスポートが成功した場合、新しいポリシーアクセス制御規則と新しいプロフィールのデータを含む ZIP ファイルが作成されます。ZIP ファイルがターゲットシステム (この例では運用前テストシステム) にコピーされます。
運用前システムへの変更のインポート
ZIP ファイルが運用前テストシステムにコピーされた後で、ターゲットシステムに変更をインポートできます。統合システムにインポートする場合と同様に、インポートコマンドにはローカルシステム上の ZIP ファイルへのパスが必要です。インポートに成功すると、ターゲットシステムに変更が反映されます。この例では、新しいプロフィールとポリシーアクセス制御規則がシステムに追加されます。
統合システムからのエクスポートと運用前システムへのインポートは同期化モードを使用して行われたため、オブジェクトは内部オブジェクト識別子を使用して照合されます。この例では、新しいオブジェクトが作成されるため、照合は必要ありません。既存のオブジェクトが更新された場合、ソースシステムとターゲットシステムは同じシステムから作成されているため、これらのオブジェクトが自動的に照合されます。
統合システムにインポートする場合と同様に、運用前システムに対する変更をテストする必要があります。成功した場合、プロセスの最後のステップとして、運用前システムからエクスポートして新しい実運用システムにインポートします。インポートが成功した場合、変更はすべての Windchill ユーザーに公開されます。このプロセスは、統合システムからエクスポートして運用前システムにインポートするプロセスと同じです。
これは役に立ちましたか?