ドキュメントに関する問題の特定
このセクションでは、ドキュメントに関する一般的な問題とその原因について説明します。一般的な問題のリストは以下のとおりです。これらのリンクをクリックすると、発生した問題に関する情報に直接アクセスできます。問題が以下のリストにない場合、または指示どおりに対策を講じても問題を完全に解決できない場合は、システム管理者に連絡してください。
• ドキュメントを作成できない (SAP に表示されない)
• ドキュメントリンクを作成できない (SAP に表示されない)
• Windchill で ESITarget のプラントのドキュメントリンクが削除されたのに SAP にそのリンクが残っている
• ドキュメントの作成操作は成功したように見えるが、警告メッセージ (40433) が表示される
• ドキュメントの変更操作は成功したように見えるが、警告メッセージ (40445) が表示される
• 1 つのプラントにしかないドキュメントリンクがすべてのプラントに表示される
• 材料マスタのグラフィカルユーザーインタフェースにドキュメントリンクが表示されない
• SAP で作成されたドキュメントや BOM を表示すると、説明フィールドが空白である
• 部品の将来のエフェクティビティ日は SAP に表示されないが、ドキュメントのエフェクティビティ日は表示される
• 「Change Master status 02 does not allow changes」というメッセージが表示される
• 部品に関連付けられたドキュメントが、関連付けられたすべての配布ターゲットにパブリッシングされない
• 部品に関連付けられた参照ドキュメントが ESI 応答で送信されない
• ドキュメントのライフサイクル状態を「リリース済み」にしたときにドキュメントがパブリッシングされない
• ドキュメントサブタイプのカスタム IBA を ESI 応答でパブリッシングできない
ドキュメントを作成できない (SAP に表示されない)
以下の原因が考えられます。
• ドキュメント番号が範囲外である。
• 属性が無効か、またはない。
• URL が無効である。
• 部品に割り当てられている ESITarget のプラントが間違っているか、無効である。
• ユーザーが SAP で違う ESITarget のプラントを表示している。
• Windchill でドキュメントが部品に関連付けられていないので、部品のリリース時にパブリッシングされなかった。
• ドキュメントは Windchill で部品に関連付けられているが、配布ターゲットの「関連ドキュメントをパブリッシング」属性の値が「いいえ」になっている。
• ドキュメント番号から先頭の 0 (ゼロ) が切り捨てられた。
ドキュメントリンクを作成できない (SAP に表示されない)
以下の原因が考えられます。
• Windchill でドキュメントが部品に関連付けられていないので、部品のリリース時にパブリッシングされなかった。
• ドキュメントは Windchill で部品に関連付けられているが、配布ターゲットの「関連ドキュメントをパブリッシング」属性の値が「いいえ」になっている。
• 部品が SAP に存在しない。
Windchill で ESITarget のプラントのドキュメントリンクが削除されたのに SAP にそのリンクが残っている
プラント別のドキュメントリンクについて、MARA テーブル内へのドキュメントリンクの作成をリクエストするためのミドルウェア設定フラグがあります (ESIFlags/EnableDocumentLinksToMARA)。このフラグが True に設定されている場合は、Windchill から送信されたすべてのプラント別ドキュメントリンクについて、SAP の MARA テーブル内に自動的にドキュメントリンクが作成されます。プラント別リンクは MARC テーブル内にも作成されます。MARA テーブル内のリンクは、プラント別以外のドキュメントリンクを削除するリクエストが Windchill から送信された場合にのみ削除されます。
ドキュメントの作成操作は成功したように見えるが、警告メッセージ (40433) が表示される
40433: SAP が機能エラーを返しました。BAPI_DOCUMENT_CREATE2 の呼び出し時にドキュメントがすでに存在しています。処理は成功したと仮定して、ドキュメントの処理を続行します。
SAP のドキュメントはプラント別ではないので、同じ SAP システムおよびクライアント内の複数の ESITarget のプラントにドキュメントを送ると、Windchill ESI によって、SAP にメッセージが重複して送信されます。このメッセージは無視しても問題ありません。
ドキュメントの変更操作は成功したように見えるが、警告メッセージ (40445) が表示される
40445.*.*=SAP のドキュメントの変更に失敗しました
SAP のドキュメントはプラント別ではないので、同じ SAP システムおよびクライアント内の複数の ESITarget のプラントにドキュメントを送ると、Windchill ESI によって、SAP にメッセージが重複して送信されます。このメッセージは無視しても問題ありません。1 つの ESITarget のプラントでドキュメントを変更すると、Windchill ESI によってそのステータスが「リリース済み」に変更され、その後の変更はできなくなります。
1 つのプラントにしかないドキュメントリンクがすべてのプラントに表示される
プラント別のドキュメントリンクについて、MARA テーブル内へのドキュメントリンクの作成をリクエストするためのミドルウェア設定フラグがあります (ESIFlags/EnableDocumentLinksToMARA)。このフラグが True に設定されている場合は、Windchill から送信されたすべてのプラント別ドキュメントリンクについて、SAP の MARA テーブル内に自動的にドキュメントリンクが作成されます。プラント別リンクは MARC テーブル内にも作成されます。MARA テーブル内にリンクが作成されると、そのオブジェクトが存在するすべてのプラントの材料マスタ GUI にドキュメントリンクが表示されます。ただし、このドキュメントリンクは、特定のビジネス目的について指定されたプラントだけが使用します。
材料マスタのグラフィカルユーザーインタフェースにドキュメントリンクが表示されない
プラント別のドキュメントリンクについて、MARA テーブル内へのドキュメントリンクの作成をリクエストするためのミドルウェア設定フラグがあります (ESIFlags/EnableDocumentLinksToMARA)。このフラグが False に設定されている場合は、Windchill から送信されたプラント別ドキュメントリンクについて、SAP の MARA テーブル内にリンクが作成されません。プラント別リンクは MARC テーブル内にのみ作成されます。
MARA テーブル内にリンクが作成されない場合は、材料マスタの GUI にドキュメントリンクは表示されませんが、このリンクは、特定のビジネス目的について指定されたプラントだけが使用します。リンクはドキュメント GUI にのみ表示されます。
SAP で作成されたドキュメントや BOM を表示すると、説明フィールドが空白である
SAP の各フリーテキストフィールドには言語キーが対応付けられています。
SAP にログインすると、「Document Data」タブの「Description」フィールドに、ユーザーに割り当てられている言語キーのドキュメント説明のみが表示されます。ドキュメントユーザーインタフェースの「Document Descriptions」タブには、すべての説明が表示されます。たとえば、ドキュメントの説明が「Document Data」タブに表示されていない場合でも、「Document Descriptions」タブに説明が表示されます。ドキュメント説明の言語キーは、ドキュメントの作成時に設定されます。この値は API で送信されます。この値は、ESIDefaults.properties ファイル内にデフォルト値として含まれています。この値はコンフィギュレーション可能です。
SAP にログインすると、ユーザーに割り当てられている言語キーの BOM 説明だけが BOM 番号の横に表示されます。BOM (材料) 説明の言語キーは、材料マスタの作成時に設定されます。この値は API で送信されます。この値は、ESIDefaults.properties ファイル内にデフォルト値として含まれています。この値はコンフィギュレーション可能です。
社内の ESI 設定については、ESI 管理者に問い合わせてください。
部品の将来のエフェクティビティ日は SAP に表示されないが、ドキュメントのエフェクティビティ日は表示される
これは正常な動作です。ESI によって、部品のエフェクティビティ日は本日に設定され、ドキュメントのエフェクティビティ日は将来の日付に設定されます。
「Change Master status 02 does not allow changes」というメッセージが表示される
追加または削除されたドキュメントリンク (部品とドキュメント間の関連性) を Windchill ESI から SAP にリリースしようとすると、Windchill ESI トランザクションログに「Change Master status 02 does not allow changes」というメッセージが示され、SAP でドキュメントリンクが変更されない。
Windchill ESI を、ドキュメントバージョンを修正しなくてもドキュメントリンクの更新を許可したり禁止したりできるように設定できます。この設定は、TIBCO の ESIFlags/EnableDocumentECNLock グローバル変数で制御されます。
ESIFlags/EnableDocumentECNLock が True に設定されている場合は、ドキュメントの作成時または変更時に変更マスター情報が SAP のドキュメントオブジェクトに書き込まれます。ドキュメントバージョンが SAP にリリースされると、ドキュメントを改訂しないかぎり、そのドキュメントを変更することはできません。この場合、SAP から、「Change Master status 02 does not allow changes」というメッセージが返されます。
ESIFlags/EnableDocumentECNLock が False に設定されている場合は、ドキュメントの作成時または変更時に変更マスター情報が SAP のドキュメントオブジェクトに書き込まれません。この場合、変更はドキュメントリンクと配布ターゲットに限定され、ドキュメントを改訂しなくてもそのドキュメントバージョンを変更できます。
このグローバル変数がどのように設定されていても、ドキュメントリンクおよび配布ターゲット以外のドキュメントデータを変更する場合は必ず、バージョン変更が必要になります。部品セントリックな環境ではこのグローバル変数は適用されず、ドキュメントリンクと配布ターゲットはドキュメントを改訂せずに修正できます。
この動作は、このグローバル変数が True に設定されており、すでにリリースされているドキュメントのバージョンを変更しようとしたときに発生します。
また、リビジョンを使用した変更管理が SAP で有効にならないように Windchill ESI が設定されている場合も、この問題が発生します。
社内の Windchill ESI の設定については、Windchill ESI 管理者に問い合わせてください。
部品に関連付けられたドキュメントが、関連付けられたすべての配布ターゲットにパブリッシングされない
これは、ドキュメントが、関連する部品に関連付けられていない追加的な配布ターゲットに関連付けられているときに起きることがあります。このような場合、ドキュメントはその部品に関連付けられた配布ターゲットだけにパブリッシングされます。
追加の配布ターゲットにドキュメントをパブリッシングするには、これらの配布ターゲットをその部品に関連付けるか、ドキュメントをスタンドアロンのオブジェクトまたは変更通知の結果オブジェクトとしてパブリッシングします。
部品に関連付けられた参照ドキュメントが ESI 応答で送信されない
これは、次のいずれかが該当する場合に起きることがあります。
• Windchill ESI の「参照ドキュメントをパブリッシング」プリファレンスの値が「いいえ」のとき。
• 部品に関連付けられた参照ドキュメントマスターが、「参照ドキュメントコンフィギュレーション仕様状態」プリファレンスで指定されている値を使って作業版数に分割できないとき。このプリファレンスを適切に設定します。
ドキュメントのライフサイクル状態を「リリース済み」にしたときにドキュメントがパブリッシングされない。
これは、次のいずれかが該当する場合に起きることがあります。
• 「ESI ワークフローを自動的に開始」プリファレンスの値が「いいえ」のとき。
• 「ドキュメントパブリッシング開始ライフサイクル状態」(または「CAD ドキュメントパブリッシング開始ライフサイクル状態」) プリファレンスの値のトークンの 1 つとして RELEASEDがない。
これらのプリファレンスを適切に設定します。
ドキュメントサブタイプのカスタム IBA を ESI 応答でパブリッシングできない
ドキュメントサブタイプのカスタム IBA が ESI 応答でパブリッシングされません。これは、次が該当する場合に起きることがあります。
• ESI 応答メタ情報ファイル (ESIResponseMetaInfo) で、属性とドキュメントのサブタイプが MapInformation エレメントで定義されていない場合。
解決方法: ドキュメントのサブタイプのカスタム IBA をパブリッシングするために、再利用可能な属性とドキュメントのサブタイプが ESI 応答メタ情報ファイルに追加されていることを確認します。この解決方法案を具体的に説明するために、以下に例を示します。
1. 「タイプおよび属性の管理」で、「再利用可能な属性を管理」に移動し、次のように文字列属性を作成します。
◦ 表示名: 文字列 1
◦ 内部名: 文字列 1
2. 次のようにドキュメントのサブタイプを作成します。
◦ 表示名: Subtype_Document
◦ 内部名: com.ptc.ptcnet.sub_Doc
3. 次のデータを使用して、ドキュメントのサブタイプ (ステップ 2 で作成) の IBA (ステップ 1 で作成した再利用可能な属性を使用) を作成します。
◦ 内部名: 文字列 1
◦ 表示名: 文字列 1
4. ESI 応答メタ情報ファイル (ESIResponseMetaInfo.xml) で、以下の説明に従ってセクションを更新します。
a. <!-- ESI Document Mapping --> セクションで、黄色でハイライトされているように、再利用可能な属性 string1 をドキュメントのサブタイプに追加します。
b. <!-- ESI Document Mapping Information--> セクションで、下に示すように、または wt.doc.WTDocument|com.ptc.ptcnet.sub_Doc のように、ドキュメントの基本タイプとドキュメントのサブタイプ (ステップ 2 で作成) を "|" シンボルで区切って追加して、<esi:typedef> を更新します。
| Map エレメントの ID 属性が修正された場合、mapRef エレメントは同じ値で修正しなければなりません。 |
5. ESI 応答 XML ファイルとして、別の名前を付けて、"WT_HOME\codebase\com\ptc\windchill\esi" に保存します。メソッドサーバーを再起動します。
6. サブタイプ (ステップ 2 で作成) のドキュメントを作成し、属性 string1 に対して値を指定します。複製したこのドキュメントを各配布ターゲットに関連付けます。
7. 「配布ターゲットに送信」操作を使用して、このドキュメントをパブリッシングします。属性 string1 の値が ESI 応答ファイルにパブリッシングされているかどうかを確認します。
| ESI 応答メタ情報ファイルの修正の詳細については、 Windchill ERP Connector Customizer's Guide の「Modify the ESI Response Meta Information File」および「Points to note while modifying the ESI response information file」のセクションを参照してください。このガイドは、 「参照ドキュメント」ページからサーチできます。 |