システム情報の送信先に関するオプション
デフォルトでは、設定された操作はシステム情報を PTC テクニカルサポートへ送信し、送信した情報のコピーをローカルディレクトリに保存します。設定された操作については、システム情報を送信する操作を参照してください。
システム情報の送信に関する一般的なオプションは以下のとおりです。
コンパイルデータをローカルディレクトリに保存しておくだけで、情報をテクニカルサポートへ送信しません。または、コンパイルデータを外部システムへ送信します。
情報をテクニカルサポートへ直接送信し、さらにその情報のコピーをローカルディレクトリに保存します。または、情報を 1 つ以上の外部システムへ送信します。
システム情報が送信される場所を変更するには、xconfmanager ユーティリティを使用して、セクション「システム情報の送信に関するプロパティ」で説明されているプロパティを設定します。
* 
これらのプロパティ変更はすべての送信操作に適用されます。特定の操作のみ (Support MBean を使用する操作など) を対象に、情報の送信場所を変更することはできません。
システム情報の送信に関するプロパティ
以下のプロパティを使用して、デフォルトの送信オプションを変更します。これらの送信オプションを使用すれば、情報収集時に実行する処理を指定できます。オプションは以下のとおりです。
Windchill で定義されている HTTP トランスポート機能を使用して情報を送信する。このトランスポート機能を使用すると、PTC テクニカルサポートだけでなく、URL 経由で送られたデータを受け入れるように設定されたほかの外部システムへもデータを送信できます。
データをローカルディレクトリに保存するトランスポート機能を使用して情報を送信する。
.instance.<インスタンス名> の形式により、プロパティで定義されているインスタンスを一意に識別します。複数のインスタンス名を使用すれば、同じ基本プロパティについて異なる複数のプロパティ値を指定できます。Windchill システムで定義されているプロパティのインスタンスが 1 つだけの場合は、.instance.<インスタンス名> を指定する必要がありません。
wt.jmx.core.transport.Transport.support
収集したデータを送信するためのトランスポートを指定します。トランスポートを 1 つだけ使用する場合、以下のいずれかの値を設定できます。
wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance\:<インスタンス名> : 収集されたデータを指定のローカルディレクトリへ送信します。
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance\:<インスタンス名> : 収集されたデータを指定の URL へアップロードします。
複数のトランスポートを指定する場合は、wt.jmx.core.transport.Transport.support プロパティに以下の値を設定します。
wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.instance\:<インスタンス名>
この値を設定した場合、wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.instance.<インスタンス名>.transports プロパティで指定したトランスポートに基づいて、収集したデータが送信またはアップロードされます。
wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.instance.<インスタンス名>.transports
データを送信するたびに複数のトランスポートを使用する場合は、このプロパティで、それらすべてのトランスポートを指定します。その際、各トランスポートをスペースで区切ってください。
以下の値を使用してトランスポートを指定します。
wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance\:<インスタンス名> : 収集されたデータを指定のローカルディレクトリへ送信します。
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance\:<インスタンス名> : 収集されたデータを指定の URL へアップロードします。
wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance.<インスタンス名>.targetDir
ローカルディレクトリをトランスポートする際のターゲットディレクトリを指定します。Windchill で指定したディレクトリへの書き込みアクセスが許可されている必要があります。
このプロパティで、特定のイスタンス名について指定したターゲットディレクトリは、同じインスタンス名を共有するすべてのローカルディレクトリトランスポートで使用されます。
デフォルトのターゲットディレクトリは以下のとおりです。
<Windchill>/utilities/SystemConfigurationCollector/sent/C<コール>
<Windchill>Windchill のインストールディレクトリです。<コール> は、情報を送信するために入力したテクニカルサポートコール番号です。
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance.<インスタンス名>.targetURL
収集したデータを外部システムへアップロードするときに使用する URL を指定します。
このプロパティで、特定のイスタンス名について指定した URL は、同じインスタンス名を共有するすべての HTTP トランスポートで使用されます。
デフォルト URL は、収集した情報を PTC テクニカルサポートのデータベースへ送信します。
システム情報の送信のデフォルト値
Windchill では、システム情報を送信する際に次のデフォルト値が使用されます。
wt.jmx.core.transport.Transport.support=wt.jmx.core.transport. MultiplexedTransport
wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.transports=wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.targetURL=http://support.ptc.com/appserver/support/windchillSCC/windchill_upload.jsp
wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.targetDir=$(wt.home)/utilities/SystemConfigurationCollector/sent
さらに、Windchill では次のプロパティを使用して、品質エージェントレポートを PTC へ送信する際のトランスポート機能が特定されます。
wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.instance.QUALITYAGENT.transports
* 
このプロパティ設定、および QUALITYAGENT インスタンスのトランスポート設定を変更しないでください。
情報をローカルディレクトリに保存するだけの場合のプロパティ例
PTC テクニカルサポートへ情報を送信せず、ZIP ファイルをローカルディレクトリに保存するだけの場合は、wt.properties ファイルで以下のプロパティを設定します。
wt.jmx.core.transport.Transport.supportwt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance\:<インスタンス名> に設定します。
送信データの保存場所を変更する場合は、wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance.<インスタンス名>.targetDir プロパティを設定します。
たとえば、myCompany インスタンスを使用して、送信 ZIP ファイルを <Windchill>/TechSupport ディレクトリに保存し、その ZIP ファイルを実際には PTC へ送信しないとします。この場合、windchill シェルから次の xconfmanager コマンドを (1 行で) 入力します。
xconfmanager
-s wt.jmx.core.transport.Transport.support= wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport\:myCompany
-s wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance.myCompany.targetDir= $(wt.home)$(dir.sep)TechSupport
-t wt.properties -p
ローカルディレクトリに情報を保存するときに保存されるディレクトリコンテンツについては、セクション「送信ファイルの ZIP ファイルについて」を参照してください。
テクニカルサポートおよびその他の外部システムへ情報を送信する場合のプロパティ例
収集した情報を PTC テクニカルサポートへ送信し、さらにその情報のコピーを別の外部サイトへ送信する場合は、wt.properties ファイルで以下のプロパティを設定します。
wt.jmx.core.transport.Transport.supportwt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport\:<インスタンス名> に設定します。
wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.instance.<インスタンス名>.transports に、wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance.<インスタンス名> の 2 つのインスタンスを設定します。各インスタンスには、それぞれ一意のターゲット URL を指定してください。1 つは PTC テクニカルサポート。もう 1 つは、データを受信するように設定された外部サイトです。これら 2 つのインスタンスをスペースで区切ります。
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance.<インスタンス名>.targetURL プロパティの 1 つのインスタンスを PTC テクニカルサポートに設定し、もう 1 つを外部サイトに設定します。
たとえば、ZIP ファイルを PTC テクニカルサポートへ送信し、その ZIP ファイルのコピーを別の外部サイト (https://www.myCompany.com/cgi/ssl/windchill/upload.pl を使用) に保存するには、windchill シェルから 1 つ以上の xconfmanager コマンドを使用して、次のプロパティを設定します。
xconfmanager
-s wt.jmx.core.transport.Transport.support=wt.jmx.core.transport.
MultiplexedTransport\:AddOne
-s wt.jmx.core.transport.MultiplexedTransport.AddOne.transports=
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance\:PTCTechSupport
wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance\:externalSite
-s wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance.PTCTechSupport.targetURL=
http://support.ptc.com/appserver/support/windchillSCC//windchill_upload.jsp
-s wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance.externalSite.targetURL=
https://www.myCompany.com/cgi/ssl/windchill/upload.pl
-t wt.properties -p
送信されるファイルについては、セクション「送信ファイルの ZIP ファイルについて」を参照してください。
送信ファイルの ZIP ファイルについて
HTTP またはローカルディレクトリトランスポート機能を使用して情報を送信する場合、Windchill により ZIP ファイルと PROPERTIES ファイルが作成されます。各 PROPERTIES ファイルには、対象となる ZIP ファイルの内容を表すメタデータが含まれています。
ZIP ファイルには、以下の方法でデータが取り込まれます。
システム設定コレクターを使用して情報を送信する場合は、収集データが保存されているディレクトリから追加。
特定の support MBean または wt.util.jmx.TechSuppportMain コマンドラインユーティリティを実行。
ZIP ファイルには、以下の情報に基づいて名前が付けられます。
収集された情報の詳細のセクション「収集される情報のタイプ」で説明されているデータの種類 (PTC_Logs、Utilities など)。
データを収集したマシン (USERA203L) など。
データを収集したプロセスの ID。
データの送信日時を表すタイムスタンプ。
同じ名前の別のファイルがすでに存在する場合、目的のファイルを一意に識別するシーケンス番号。
たとえば、以下の ZIP ファイルには、"USERA203L" という名前のマシン上にある Windchill logs ディレクトリから収集したログディレクトリが含まれています。収集プロセスの ID は 4624、タイムスタンプは 2009 年 6 月 17 日午前 10:05 です。
PTC_Logs-USERA203L-4624-0906171005.zip
これに対応する PROPERTIES ファイルは以下のとおりです。
PTC_Logs-USERA203L-4624-0906171005.zip.properties
Windchill でローカルディレクトリトランスポートを使用する場合、wt.jmx.core.transport.LocalDirTransport.instance.<インスタンス名>.targetDir プロパティで指定したローカルディレクトリの下にディレクトリが作成され、文字 C で始まるコール番号が追加されます。たとえば、コール番号が 4567890、ローカルディレクトリが C:/ptc/Windchill/diagnostics/sent だとすると、送信情報が保存されるディレクトリは以下のようになります。
C:/ptc/Windchill/diagnostics/sent/C4567890
Windchill で HTTP トランスポートを使用する場合、ZIP ファイルとそれに対応する PROPERTIES ファイルが、wt.jmx.core.transport.SimpleHttpTransport.instance.<インスタンス名>.targetURL プロパティで指定した URL へ直接送信されます。
これは役に立ちましたか?