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固有ベクトルと固有値
eigenvals(M) - M の固有値を成分に持つベクトルを返します。
eigenvec(M, z) - M の固有値 z に対応する単一の正規固有ベクトルを返します。固有ベクトルは単位長に正規化されます。eigenvec 関数は逆反復アルゴリズムを使用します。
eigenvecs(M, ["L"]) - 行列 M のすべての正規固有ベクトルを含む行列を返します。返された行列の第 n 列は、eigenvals によって返された n 番目に対応する固有ベクトルです。右固有ベクトルは、デフォルトで返されます。eigenvecsvH · M = z · vH を満たす左固有ベクトルも返します。ここで H は共役転置を表します。
genvals(M, N) - 固有ベクトル xi に関連した、一般固有値問題 M · x = vi · N · x を満たす固有値のベクトル vi を返します。
genvecs(M, N, ["L"]) - genvals から返されたベクトル v の固有値に対応する正規固有ベクトルを含む行列を返します。この行列の第 i 列は、一般固有値問題を満たす固有ベクトル x です。
tr(M) - M の対角要素の和である M のトレースを返します。この値は、固有値の和にも等しくなります。
引数
MN は、実数または複素数を含む同じ大きさの正方行列です。
"L" (オプション) は文字列です。文字列 "L" を指定すると左固有ベクトルを示し、"R" を指定すると右固有ベクトルを示します。"R" がデフォルトです。
zM の固有値です。
追加情報
これらすべての関数では、Intel の Basic Linear Algebra Subprograms (BLAS)/Linear Algebra Package (LAPACK) ライブラリが使用されています。
特異行列なのか、あるいはほぼ特異行列なのかを確認するには、条件数を使用します。
eigenvecs 関数では、対称行列には一般行列とは異なるアルゴリズムが使用されます。PTC Mathcad では、対称行列であると思われた行列が実際にはそうでなかった場合、予期しない結果が返ることがあります。たとえば、π の値は厳密でないため、sin (π) は厳密にはゼロでなく、行列が対称でなくなる可能性があります。
eigenvalsgenvals により返される結果は大きいものから小さいものへ降順に並べ替えられます。この並べ替え順序は実数値にのみ適用されます。返された値が純虚数の場合、並べ替えは意味を持ちません。
eigenvec および eigenvecs が返す結果は必ずしも同じではありません。ある固有値に対して、無限に近い固有ベクトルが多数存在し、求められる解は、使用するアルゴリズムに依存します。特定の固有値に対する各固有ベクトルは、ほかの固有ベクトルの倍数になります。
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