逆行列
行列式がゼロでない正方行列には逆行列が存在します。ただし、行列式がほぼゼロの場合、LU 分解が不安定になります。次のような行列では、逆行列がエラーになるか、真の逆行列にならない (y · y-1 が単位行列と等しくない) ことがあります。
• 特異行列 - 行列式がゼロに等しいか、そのランクが不完全な場合 (行列と行と列が 1 次独立でない)。
• 不良条件 - 行列の条件数 (最小固有値に対する最大固有値の比率) が大きい場合。行列の条件数を計算するには
cond2関数を使用します。
逆行列が失敗した場合、
geninv関数を使用できます。無効な結果が生じた場合、
「計算」タブの
「ワークシートの設定」グループで、
「計算オプション」をクリックして
「特異行列の厳密なチェック」を選択します。処理速度の遅いアルゴリズムが使用され、ほぼ特異な行列でエラーになる行列は棄却されます。
PTC Mathcad では、LU 分解に Intel の BLAS/LAPACK ライブラリが使用されます。