Rabiner/Gold 共著 (Theory and Application of Digital Signal Processing, Prentice-Hall, Inc.) に、理想 Hilbert 変換器の係数が掲載されています。以下に示す例は、Stearns/David 共著 Signal Processing Algorithms (Prentice-Hall) のセクション 14.4 に掲載されている処理に基づいています。理想フィルタの係数のウィンドウ処理とシフトが行われ、長さが奇数 L の因果性フィルタが求められます。
1. 長さと中心を定義します。
2. ウィンドウ処理されていない係数 h を定義します。
3. hamming 関数を使用し、vectorize 演算子を使用して h とウィンドウを要素ごとに掛け合わせて、係数を Hamming ウィンドウ処理します。
4. gain 関数を使用して、周波数 f での係数 h のフィルタのゲインを計算します。
5. ゲインと周波数をプロットします。
周波数はサンプリング周波数 = 1 に正規化されています。
6. exp 関数と arg 関数を使用して、フィルタの位相シフトを計算します。
このフィルタには C の遅延があり、この遅延信号を基準にしてフィルタの位相シフトを計算します。遅延の変換関数は次のとおりです。
ここで
7. 位相シフトを度数の単位でプロットします。
シフトは周波数レンジほぼ全体で -90 度です。
フィルタのテスト
1. 信号のパラメータを定義します。
2. exp 関数を使用して、新しい信号を作成します。rnd 関数は、低周波ノイズを付加します。
rnd にカーソルを置いて F5 キーを押すことで再計算すると、別のランダム信号 T を取得できます。