例: 成分ごとの位相
関数 phase と phasecor はそれぞれ、位相角と、ジャンプ不連続性を補正した位相角を返します。
phasecor 関数は、位相情報を表す実数ベクトルを引数としてとり、(データの整合性を維持しながら) このベクトルに必要に応じて 2p の倍数を加算することで、連続するデータセットを生成します。
4 成分ベクトル
1. 単純な複素ベクトルを定義します。
2. phase 関数を使用して成分ごとの位相を求めます。
通常の位相計算は、過去の位相履歴を考慮せずに、成分ごとに行われます。この結果、負の実数軸を越える際に角度が +p から -p に変化することによって、生成された位相データに大きなジャンプ不連続性が生じます。
3. 別の複素ベクトルを定義します。
求められた位相では、2 つ目と 3 つ目の成分の間に大きなジャンプ不連続性が見られます。
4. phasecor 関数を適用してこのような不連続性を取り除きます。
ノイズ信号
1. 信号のパラメータを定義します。
2. ceil 関数と sin 関数を使用して、サンプル信号を作成します。
3. 3. whiten 関数を使用して白色ノイズを付加し、結果の信号をプロットします。
4. dft 関数を使用して、サンプル信号のフーリエ変換を計算します。
5. フーリエ変換されたサンプル信号に phase 関数を適用します。
6. 位相信号をプロットします。
7. phasecor 関数を使用し、位相を補正して連続信号にしてから、結果の出力をプロットします。
位相が急激に変化する場合、phasecor 関数は間違った値を出力することがあります。
8. 周波数比 f0 の値を設定してから、phase と phasecor の出力をプロットします。
9. 周波数比 f0 の値を 0.45、0.50、0.55 に設定したときの phase と phasecor の出力を計算します。
10. 位相関数の出力を単一プロットにグラフ化します。
各周波数の位相トレースを表示するため、トレースは y 軸方向に意図的にシフトされています。
11. phasecor 関数の出力を単一プロットにグラフ化します。
周波数比が 0.40 から 0.45、さらに 0.50 へと増えるにしたがい、phasecor の出力は正の方向に傾きを増し、周波数比を 0.55 に設定した場合には傾きが負になります。上の位相プロットを参照してください。