カスタマイズインストーラの作成と展開
Creo Illustrate インストールにアプリケーションを追加、またはインストールからアプリケーションを除去できます。たとえば、組織のユーザーから次のように要望されているとします。
必須
不要
Creo Illustrate クライアントの使用
Microsoft Visual Studio C++ 2017 ランタイム再頒布可能
JT (*.jt) ファイルの操作
この場合、インストーラを次のようにカスタマイズします。
Creo Illustrate インストールに JT インポートフィルタをバンドル
Microsoft Visual Studio C++ 2017 ランタイム再頒布可能はすでに展開されているので除去します。2012 ランタイムは展開します。
次の 2 つの基本タスクを実行して、カスタマイズを行います。
1. インストーラファイルを追加または除去してディレクトリ構造を準備する。
2. CreoSetup.ini を修正してインストーラが正しく実行されるようにする。
これらのタスクを完了した後、ソフトウェアを展開できます。次のセクションの手順には、前述のタスクを完了し、展開するための指示が含まれています。
ディレクトリ構造の準備
次の手順を実行して、インストールディレクトリをカスタマイズします。
1. 空のディレクトリ (<directory>) を作成します。
2. CreoIllustrate_64.exe<directory> にコピーし、ファイルを右クリックして「7-Zip」 > 「現在のフォルダに解凍」(Extract Here) の順に選択します。ラッパーから設定ファイルが解凍されます。
3. CreoIllustrate_64.exe を削除します。次のサブディレクトリとファイルが残ります。
\prereqs サブディレクトリ
\illustrate サブディレクトリ
CreoSetup.exe
CreoSetup.ini
4. \jtimport という新しいサブディレクトリを作成します。
5. JT DVD イメージのインストールサブディレクトリに移動します。
cdimages/jtadapter/installers/
CreoView_JT_Import_64.msi をコピーして、ステップ 4 で作成した \jtimport サブディレクトリに貼り付けます。
6. \prereqs サブディレクトリで Microsoft Visual Studio 2017 C++ 再頒布可能 x86 と Microsoft Visual Studio 2017 C++ 再頒布可能 x64 を除去します。ファイル名は vcredist_x64_VS2017.5u8exevcredist_x64_VS2015u3.exe です。
ディレクトリの準備ができました。次のセクションでは、INI ファイルをカスタマイズします。
CreoSetup.ini の修正
インストーラファイルを追加して、JT インポートフィルタを Creo Illustrate インストールにバンドルしました。次に、CreoSetup.ini を修正してこれらの変更をデフォルトのインストールディレクティブに追加する必要があります。不要な行やセクションはファイルから削除することも、修正することもできます。この例では、修正しています。
JT インストーラを実行するための新しいディレクティブを追加
vcredist_x64_VS2017u8.exe ディレクティブを除去するか無効にします。
変更に伴い、次の手順で INI ファイルを更新します。
1. CreoSetup.ini をテキストエディタで開きます。
2. [Other Applications] セクションで VC2017_X86=YES という行を見つけて VC2017_X86=NO に置き換えるか、VC2017_X64=YES という行を見つけて VC2017_X64=NO に置き換えます。
3. [Other Applications] セクションの最後に次の行を追加します。
JTIMPORT_X86=YES
JTIMPORT_X64=YES
4. 例に示すように、ファイルの最後に JT インポートフィルタの情報を含むセクションを追加します。
[JTIMPORT_X86]
PROGRAM=CreoView_JT_Import_Filter_32.msi
COMMANDLINE=ADDLOCAL="ALL" REBOOT="ReallySuppress" /l*v "[TempFolder]pvinstjt.log" /qb!
LOCATION=jtimport
PRODUCTCODE={7D39690A-FB6B-4559-B1FD-26F7735162B3}
PLATFORM=X86
[JTIMPORT_X64]
PROGRAM=CreoView_JT_Import_Filter_64.msi
COMMANDLINE=ADDLOCAL="ALL" REBOOT="ReallySuppress" /l*v "[TempFolder]pvinstjt.log" /qb!
LOCATION=jtimport
PRODUCTCODE={E6438BA9-7C4D-4D54-A87D-65272F3169A6}
PLATFORM=X64
5. CreoSetup.ini を保存してテキストエディタを閉じます。
INI ファイルでインストールが次のように定義されました。
アプリケーションのコードの場所の詳細については、次のセクション、「製品コードの検索」を参照してください。
INI ファイルの詳細については、後述のセクションCreoSetup.ini ファイルについて」を参照してください。
展開を開始するには、後述のカスタマイズインストーラを使用した展開に関するセクションを参照してください。
製品コードの検索
この例では、Creo 2.0 M020 の JT ProductCode を使用します。各リリースには一意の ProductCode が付きます。アプリケーションにも永続的な UpgradeCode があります。アプリケーションのバージョンを特定するものではないので、CreoSetup.exeUpgradeCode を使用しません。インストールするアプリケーションの製品コードは、レジストリエディタを使用して検索できます。アプリケーションがすでにインストールされているコンピュータでレジストリキーを表示します。
* 
レジストリは修正しないでください。コンピュータに重大な損傷が発生する場合があります。
1. コマンドプロンプトを開いて、「regedit」と入力します。
2. Enter キーを押します。「レジストリエディタ」(Registry Editor) が開きます。
3. 左側に次のキーを表示します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall
4. インストールするアプリケーションを検索して、中括弧 ({}) を含めてキーをコピーします。Creo Illustrate 2.0 M020 JT インポートフィルタのレジストリキーの例を以下に記載します。
64 ビット - {E6438BA9-7C4D-4D54-A87D-65272F3169A6}
CreoSetup.ini ファイルについて
ファイルの [Other Applications] セクションの各アプリケーションには値 YES または NO が含まれています。値 YES は、アプリケーションのインストーラが必ず実行されるという意味ではありません。YES 値を含む各アプリケーションは、インストールされる可能性があるということです。製品コード行と一致するインストールがシステムに存在する場合、何も行われません。一致するインストールがシステムに存在しない場合、アプリケーションがインストールされます。
各アプリケーションの PRODUCTCODE 行はオプションです。どのような場合でも、システムに同じバージョンがインストールされていなければ、アプリケーションは自動的にインストールされます。製品コードを用意することで、インストールの完了にかかる時間が最短になります。
PROGRAM 行の値は *.exe ファイルまたは *.msi ファイルでなければなりません。
カスタマイズインストーラを使用した Creo Illustrate の展開
ディレクトリの準備と INI ファイルの修正が完了しました。この例では、受動的インストールでアプリケーションを展開します。次の方法のいずれかまたは両方を使用できます。
CreoSetup.exe をネットワーク上から直接実行する。
修正したディレクトリで、新しい自己解凍形式のアーカイブを作成する。自己解凍ファイルが CreoSetup.exe を呼び出して展開するすべてのインストールをチェーン接続していることを確認します。
CreoSetup.exe の呼び出しには、コマンドラインで基本の Creo Illustrate インストーラのすべての MSI 引数を含める必要があります。このとき、CreoSetup.iniCreo Illustrate MSI 引数を直接埋め込むことはできません。
受動的インストールを実行するには、コマンドシェルを開いて次のコマンドを入力します。
CreoSetup.exe /vADDLOCAL="ALL" APPLICATIONFOLDER="C:\ptc\Creo Illustrate" LICENSESERVER=”7788@licsrv.example.com” /qb!
* 
/v とコマンドの次の文字の間に空白がないことを確認します。
Creo Illustrate および JT インポートフィルタがインストールされ、進捗状況バーが表示されますが、「キャンセル」(Cancel) ボタンは表示されません。サイレントインストールのオプションの一般的な例については、サイレントインストールによる Creo Illustrate の展開を参照してください。