メモリ使用量に関するいくつかのシナリオ
次の 3 つの異なるシナリオで、解析中にメモリがどのように使用されるかと、メモリがパフォーマンスに与える影響について説明します。
シナリオ I
マシンに 4 GB の RAM が搭載され、スワップ領域に 4 GB のディスクが割り当てられています。グローバル剛性マトリックス K の計算に 1 GB、その他すべて (ここでは DB と呼びます) に 2 GB を必要とする解析を実行します。solram を 1.5 GB に設定した場合、オペレーティングシステムとその他のアプリケーションによって使用される RAM を無視すると、メモリ使用量は以下のようになります。
DB + solram < RAM | 良 | OS スワップなし |
K< solram | 良 | グローバル剛性マトリックス全体が solram に収まります。マトリックス方程式のスワップは行われません。 |
上記のシナリオでは、K は solram 未満であるため、図に示すように、solram に割り当てられているメモリの一部は未使用です。K < solram かつ DB + solram < RAM となり、スワップが行われないため、これは理想的な状況です。
シナリオ II
その次に効率的なシナリオでは、Creo Simulate で使用されるメモリ全体は RAM に収まりますが、グローバル剛性マトリックスは solram に収まりません。
DB + solram < RAM | 良 | OS スワップなし |
K> solram | 可 | マトリックス方程式のスワップが行われます。 |
この場合、上の図で緑色で示されている、solram に収まらない K の一部が、専用の効率的な Creo Simulate コードを使用してディスクにスワップされます。
このシナリオでは、solram のサイズは解析のパフォーマンスにある程度の影響を与えます。一般的に、使用されるメモリの合計が RAM に収まるかぎり、solram が大きくなるほど、グローバル剛性マトリックス方程式の計算時間が短くなります。
シナリオ III
ワーストケースのシナリオでは、Creo Simulate で使用されるメモリの合計が RAM に収まりません。Creo Simulate (およびマシン上で実行するその他すべてのプロセス) によって割り当てられるメモリの合計がマシンの RAM の合計を上回り、オペレーティングシステムがデータをスワップします。
DB + solram > RAM | 不可 | OS がデータをスワップ |
K < solram | 影響なし | マトリックス方程式のスワップが行われます。 |
このシナリオでは、オペレーティングシステムがデータをスワップするため、解析の実行速度が低下します。その場合、次に示すように、solram を減らすことで、Creo Simulate で使用されるメモリが RAM に収まるようにします。
DB + solram < RAM | 良 | OS スワップなし |
K > solram | 可 | マトリックス方程式のスワップが行われます。 |
使用可能な RAM に (DB + solram) が収まるようになりました。これは前述のシナリオ II と同じです。緑色のセクションは、solram を上回ってスワップされる K の部分を示しています。