過剰拘束について
過剰拘束とは、剛体の運動に制限を加えない余分な拘束です。アセンブリプロセスにおいて、アセンブリ内の剛体の運動を制限する拘束セットを使用し、同じ剛体に影響を与えて同じ自由度を制限する別の拘束セットを追加した場合、2 つ目のジョイントは過剰拘束になります。
動解析実行時に過剰拘束を考慮しない場合、メジャーの結合反力や荷重反力の正確な値を得られないことがあります。
たとえば、ヒンジに 2 つのピン結合を使用したドアをモデリングする場合、2 番目のピンジョイントは、ドアの運動を拘束しません。解析の計算時に過剰拘束 (いずれかのピン結合) は無視されます。その結果、運動は正確でも反力結果は不正確となります。完全で正確な反力を求めるには、メカニズムから過剰拘束を取り除いておくことが重要です。
変位、速度、および加速度が意味を持つ正確なキネマティック上での問題の一方で、モデルの過剰拘束によってメカニズムのデザインとパフォーマンスが影響を受けることはありません。
モデルの過剰拘束は、どの拘束セットを選択するかで制御できます。これらは、同じ自由度を制限でき、かつ互いに重複しないものである必要があります。どの拘束セットを使用するかを決定したら、簡単な式を使用して自由度と過剰拘束を計算できます。
デフォルトで、モデルの運動を解析するたびに、モデルの自由度と過剰拘束が計算されます。モデルに過剰拘束があるかどうかをチェックするには、最初に動解析、静解析、またはフォースバランス解析を実行します。フォースバランス解析を実行した場合、「解析定義」(Analysis Definition) ダイアログボックスで自由度を計算します。メカニズムの自由度と過剰拘束を計算するには、「メジャー結果」(Measure Results) ダイアログボックスを使用します。