パイピング仕様データベース
パイピングの仕様データベースには、仕様駆動パイピングシステムの作成に利用できるすべてのパイピングライブラリとカタログファイルが含まれています。また、プロジェクト固有のファイルもすべてそこに保存されます。パイピング仕様データベースには、以下に示す 3 つのファイルグループが含まれています。
• マスターカタログ (MCAT) ファイル - パイプのモデル作成に必要とされるすべての基本的な設計情報が保存される CSV ファイル。仕様駆動パイピングには MCAT ファイルが組み込まれています。パイピングデータを更新および拡張する必要が生じたときは、MCAT ファイルを新しく作成するか、既存のファイルを修正することができます。
• 継ぎ手ライブラリファイル - ファミリーテーブルが関連付けられている継ぎ手部品ファイル (
Creo Parametric とジェネリック)、および継ぎ手アセンブリファイル。継ぎ手ライブラリファイルでは、パイピングモデル内の継ぎ手が実際に表現されています。仕様駆動パイピングには継ぎ手ライブラリファイルが組み込まれています。継ぎ手ライブラリを更新および拡張する必要が生じたときは、継ぎ手ライブラリファイルを新しく作成するか、既存のファイルを修正することができます。
• プロジェクトデータファイル - マスターカタログファイルから選択されたプロジェクト固有のすべての設計情報が保存される CSV ファイル。プロジェクトデータファイルは、新規のパイピングプロジェクトの仕様駆動パイピングを設定するときに、そのパイピングプロジェクトごとに新しく作成します。
「パイピング仕様を定義」(Define Piping Specification) ダイアログボックスで各仕様のパイピングデータを選択すると、そのデータはプロジェクトデータファイルに保存されます。そのプロジェクトデータファイルを修正するには、新しいパイピングデータを選択します。
マスターカタログファイルと継ぎ手ライブラリファイルはどちらも、パイピングシステムの作成において、利用可能なアイテムや構成部品がすべて含まれたライブラリとなっています。プロジェクトデータファイルとは異なり、これらのファイルはパイピングプロジェクトを新しく設計しても変更されません。
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Creo Parametric インストールとともに提供されるパイピング仕様データベースがどの規格にも準拠していない場合があります。これは、参考までに用意されているコンフィギュレーションの例にすぎません。仕様駆動パイピングプロジェクトを設計する前に、既存のパイピング仕様データベースを修正するか、新しいファイルを作成してください。
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パイピング仕様データベースの仕組み
パイピング仕様データベースは、仕様駆動パイピングのパイピングデータライブラリとして機能します。プロジェクトを開始するにあたっては、必要となるマスターカタログファイルと継ぎ手ライブラリファイルを最初に作成します。これらのファイルを更新した後は、マスターカタログファイルからプロジェクト仕様ごとにパイピングデータを割り当てることにより、プロジェクトデータファイルを新しいパイピングプロジェクトごとに作成します。パイピングシステムの設計時に、すべてのパイピングデータがプロジェクトデータファイルから取得されます。
たとえば、パイピング設計をパイプラインの作成から始めるとします。仕様をどれか 1 つ選択すると、仕様ディレクトリファイルからその仕様に割り当てたデータが取得されます。そしてこのデータから選択を行い、パイプラインを作成します。パイプラインの作成後、そのパイピングデータはライン素材フィーチャーにコピーされます。パイプラインのルーティングやパイプソリッドの作成を開始すると、このライン素材データが使用されます。すべての被覆データはプロジェクトデータファイルから取得され、被覆のモデル作成で使用できるように被覆フィーチャーにコピーされます。継ぎ手の挿入時に、継ぎ手データがプロジェクトデータファイルから取得されます。