ISO 規格の参照注記
設計を正しく解釈するためには、適用される規格への参照が設計データに含まれていることが重要です。ISO
製品の幾何特性仕様規格に基づいた設計は、次の規格参照を必要とすることがあります。各規格の改訂は、選択した主たる ISO GPS 規格 (ISO 1101) の改訂によって異なります。
• ISO 1101 - これは主たる ISO GPS 規格です。これは
幾何公差および多数の関連 ISO GPS 規格と図面規格を呼び出します。
• ISO 8015 -
独立性原則を呼び出し、
一般公差を指定するために規格の仕様 (ISO 2768 など) を必要とします。
• ISO 2768 - 一般幾何公差を呼び出します。直線寸法と角度寸法の一般公差および
エンベロープ要件を呼び出すことがあります。
◦ 一般幾何公差の公差等級 (H、K、または L) を指定する必要があります。
◦ 直線寸法と角度寸法の一般公差の公差等級 (f、m、c、または v) を指定できます。
◦ エンベロープ要件 (E) を指定できます。
• ISO 16792 - Digital Product Definition Data Practices 規格を呼び出します。
• ISO 286 - 設計モデルにテーブル駆動の公差が含まれている場合に必要です。直線寸法の公差の ISO コードシステムを呼び出します。
• ISO 10579 - 非剛体部品の場合に必要です。
さらに、
モデルの直線寸法単位を示す記号が必要です。
どの ISO 規格を
設計モデルに適用し、適用可能な各規格のうちどのバージョンが適切であるかを判断する際に混乱が生じることがよくあります。問題の原因は ISO 規格が開発された経緯によるものです。
• ISO 規格は短く、それぞれが独立したドキュメントです
• 各 ISO 規格のリリースは同時には行われていません
ISO 規格は多数の単一トピックの規格に分かれています。輪郭度公差についての ISO 規格、位置度公差についての ISO 規格、データムについての ISO 規格など、別々の規格に分かれています。その結果、小さな規格が林立し、業界で役立てるにはこれらを同期化する必要がありますが、個々の ISO 規格すべてを互いに同期した状態に維持するのは非常に困難です。変更された規格によって、別の ISO 規格で使用されている用語が定義、使用、置き換えられていることがあります。この状況をさらに複雑化するものとして、規格が参照する別の規格が撤回されていることがあります。これによって、ユーザーはどの規格が実際に設計モデルに適用されているかわからなくなります。
規格自体に適用可能な規格をあいまいな方法で示すことは可能です。場合によっては、設計モデル内に規格を直接指定する必要があります (ISO 8015 など)。設計モデルで指定されている規格によって別の規格が呼び出されることもあります (ISO 3040 は ISO 128-24 によって呼び出され、ISO 128-24 は 1101 によって呼び出され、1101 は設計モデルで指定されている ISO 8015 によって呼び出されるなど)。
どの ISO 規格を適用するかについてのあいまいさは、混乱とリスクの主な原因となっています。このため、GD&T Advisor では、設計モデルによって呼び出される規格とその改訂日を示す表示が設計モデル内に自動的に生成されます。