自由度について
メカニズムの動きを定義するために適切な拘束を選択する上で、自由度の意味について理解しておくことが不可欠です。自由度 (DOF) 数が、システム内の各剛体の位置または運動の指定に必要な独立パラメータの数を表します。
システム定義の拘束セットによって、2 つの剛体間の結合が定義されます。セット内の拘束は、剛体の相対的運動を制限して、システムの全体的な自由度を低減します。
完全な非拘束剛体の自由度は 6 で、直線移動自由度が 3、回転自由度が 3 です。各拘束は、特定の方向への運動を制限します。たとえば、剛体にピン結合を適用した場合 (軸を中心とした回転運動のみが可能)、その剛体の自由度は 6 から 1 に減ります。
モデルに適用するシステム定義の拘束セットを選択する前に、剛体で制限する運動のタイプと、許可する運動のタイプを把握しておく必要があります。
一般および 6 自由度結合
特定の構成部品に定義する自由度と同じ自由度を持つ結合を表すには、一般結合を使用します。その他の結合 (ボール結合、円柱結合、ピン結合など) と同じ数の自由度を持つ一般結合があります。一般結合を作成すると、モデル上に座標系として表示されます。その自由度は直線移動矢印と回転矢印として表示されます。
6 自由度拘束は、3 つの回転運動軸と 3 つの直線移動運動軸がある結合を表すのに使用します。実際の拘束は適用されないので、モデルの構成部品間の相対運動は変わりません。6 自由度結合を再使用して、サーボモーターを適用したり、特定のタイプの結合をモデリングしたりすることができます。
結合がジンバル状態にある場合、6 自由度またはジンバルロック結合における回転自由度の数は 1 つ減ることがあります。この場合、合計自由度も 1 つ減ります。
合計自由度
回転軸
直線移動軸
結合タイプ
特定の自由度に関連する拘束
0
0
0
「溶接」(Weld) - 2 つの剛体を互いに接着する。
0
0
0
「剛体」(Rigid) - 2 つの部品を接着し、剛体の定義を変更する。剛体結合で拘束された 2 部品は、単一の剛体として構成される。
1
0
1
スライダー - 軸に沿って直線移動する。
平面 - 平面一致
1
1
0
ピン - 軸の周りを回転する。
2
2
0
一般
点がエッジ上にある場合は点 - 点整列
平面上のエッジ
2
1
1
円柱 - 特定の軸に対して直線移動および回転移動する。
線上の点
平面 - 平面方向
2
0
2
一般
平面がエッジに対して垂直でも平行でもない場合は、平面上のエッジ
平面 - 平面方向
3
3
0
ボール - あらゆる方向に回転する。
点 - 点整列
3
2
1
一般
平面上のエッジ
線上の点 (線とエッジが必ず整列)
3
1
2
「平面」(Planar) - 平面拘束で結合された剛体は 1 平面内を移動する。平面に垂直な軸の周りで回転する。
平面 - 平面一致/並行
3
0
3
一般
平面 - 平面方向
平面 - 平面方向 (最初の平面のセットに対して平行ではない)
4
3
1
ベアリング - ボール結合とスライダー結合を組み合わせる。
エッジ上の点
4
2
2
一般
平面上のエッジ
4
1
3
一般
平面 - 平面方向
4
3
1
スロット
直線でない軌道上の点
3
3
0
ジンバル - 2 つの座標系の中心を揃える (後の説明を参照)。
点と点
5
3
2
一般 (以下を参照)。
平面上の点
6
3
3
6 自由度 - あらゆる方向に回転および直線移動する (後の説明を参照)。
* 
結合セット拘束に加え、モデルに適用したサーボモーターによる拘束も考慮する必要があります。サーボモーターには、自由度を削減する変位、速度、および加速度が適用されます。
メカニズムの移動を制限するのに必要な数のシステム定義の拘束セットだけを適用するように注意してください。メカニズムを過度に拘束すると、過剰拘束となり、動解析での反力結果が不正確になります。
構成部品配置と拘束セットの詳細については、ヘルプセンターの「アセンブリ」機能領域を参照してください。
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