結合反力メジャーについて
反力メジャーは、外力が加えられたときに結合部で生成される荷重を評価します。たとえば、ジョイント反力メジャーを使用して、ベアリングの荷重が定格範囲内かどうかを確認できます。
「メジャーの定義」(Measure Definition) ダイアログボックスを使用して、結合反力メジャーを定義します。メジャーのフレームとして使用する参照用の座標系を設定でき、加わった反力を測定する対象の剛体を指定することもできます。
ただし、選択した結合のデフォルトの座標系がいずれの剛体の WCS または LCS とも合致していない可能性があります。特定の座標系を選択するには、「座標系を選択」(Select coordinate system) チェックボックスをオンにします。
フォースまたはモーメントを測定するための結合と構成部品を選択すると、選択した結合上に色付きのシェード矢印が表示されます。この矢印は、計算で実際に使用される方向を示しています。フォースまたはモーメントのマグニチュードを指定する構成部品を選択した場合、矢印は表示されません。この方向が実際にフォースまたはモーメントを適用する方向であるかを慎重に検討します。
以下のタイプの結合に対して反力メジャーを作成できます。
• 結合セット - ジョイントによってどちらかの剛体に加えられる反力またはモーメントを評価します。測定できるフォースまたはモーメントの要素は、結合セットのタイプによって異なります。運動軸沿いにある構成部品には、運動軸の制限の結果として、またはその軸に沿って発生する摩擦の結果として、反力が含まれている場合があります。
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モーターやばねなど、結合に対して適用されるフォースの合計を測定するには、ネット荷重メジャーを使用してください。
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• カムフォロワー結合 - カムフォロワー結合の 2 つのカムの接触点におけるフォースを評価します。
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カムフォロワー結合の反力メジャーでは、インパクトフォースの計算は行われません。リフトオフ可能なカムフォロワー結合の反力は、カムが接触している間は測定できますが、カムが分離している場合は反力の値がゼロになります。解析中にカムがリフトオフして何度か接触する、つまりバウンスする場合は、インパクトメジャーまたはインパルスメジャーを使用して接触イベントを監視してください。
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• カムフォロワー結合では、以下の要素を測定できます。
◦ 「垂直フォース」(Normal force) - カムフォロワー結合の接触点において垂直に働く反力。特定の基準フレームで、正の反力は、結合の 2 つのカムを互いに押し合うように働きます。負の反力は、2 つのカムを引き離すように働きます。
◦ 「正接フォース」(Tangential force) - カムフォロワー結合の接触点で正接する反力。正接フォースは、2 つのカムを互いにすれ違うようにスライドさせます。
◦ 「スリップ」(Slip) - カムフォロワー結合がフォースバランス解析中にスリップしたかどうかをチェックします。スリップが発生していた場合は値 1 が返ります。それ以外の場合は値 0 が返ります。
• スロットフォロワー結合 - スロットによってどちらかの剛体に加えられるフォースを評価します。フォロワーがスロットの終点のいずれかに到達する場合、またはスロット軸に摩擦がある場合には、より多くのフォースが加えられます。
• 歯車ペア - 歯車ペアの剛体のいずれかに加えられる反力またはトルクを評価します。回転運動軸のある歯車の場合は、その軸に加えられるトルクを測定できます。ラックとピニオン歯車ペアのラックなどの、直線移動運動軸のある歯車の場合は、その軸に加えられる線形フォースを測定できます。動的歯車を使用して、ピッチ円の中心で動作するピッチ点およびモーメントに影響を与えるさまざまなフォースを測定することもできます。
• ベルト - ベルトによってプーリー軸のいずれかに加えられるトルクを評価します。選択したベルトに対応するプーリーのリストを使用できます。
• 3D 接触 - 3D 接触の接触点におけるフォースを評価します。構成部品とその意味は、カムフォロワー結合と似ています。主な違いは、3D 接触のインパクトは一定期間にわたって発生するのに対し、カムのインパクトは瞬間的に発生する点です。このため、3D 接触のフォース計算にはインパクトが含められます。