キャビテーション境界のモデリング
キャビテーション発生を伴う流れにおける、流れ、エネルギー、乱流モデリングの式の境界条件は、
流れモジュール、
熱モジュール、
乱流モジュールで説明されている単相流れでの境界条件と同じです。輸送方程式の境界条件は、蒸気、非凝縮性ガス、油溶性ガスの質量分率のゼロ勾配と指定値から成ります。
入口境界
蒸気、非凝縮性ガス、油溶性ガスの入口の質量分率は、対応する輸送方程式を解く際に入口境界ですべて事前に定義されます。
• 蒸気の質量分率 - 蒸気の輸送方程式は必ず計算されるので、すべてのモデルオプションで入口において指定する必要があります。
ƒv = ƒv,specified
• ガス質量分率 - 変数ガス質量分率モデルまたは完全ガスモデルでは支配方程式が計算されます。したがって、この 2 つのモデルオプションでのみ入口の値 ƒg が必要です。
ƒg = ƒg,specified
• 油溶性ガス質量分率 - 入口条件は油溶性ガスモデルでのみ必要です。平衡溶解気体モデルの場合、この値は平衡状態によって決まります。
ƒg,d = ƒg,d,specified
• 液体の質量分率 - 物理的な制約条件 ƒl = 1-ƒv-ƒg によって求められます。
非凝縮性ガスの質量分率が指定されているモデルの場合、Creo Flow Analysis で ƒg はボリューム条件として扱われます。
出口/対称/壁面境界
キャビテーションモデルで計算されるすべての質量分率輸送方程式 (蒸気、ガス、油溶性ガス) で、すべての出口境界、対称境界、壁面境界にゼロ勾配条件が適用されるのに対し、液体の質量分率は物理的な制約条件を使用して求められます。
ここで、i はそれぞれ、蒸気成分、ガス成分、油溶性ガス成分を表します。
ここで、bc はそれぞれ、出口境界、対称境界、壁面境界を表します。