非定常構造検討の実行
Creo Ansys Simulation で非定常構造解析を実行して、時間とともに変化する荷重が適用されているときの構造の動的応答を検討できます。テーブル関数を使用して非定常検討の荷重を時間の関数として定義し、モデル内に生じる変位、変形、応力、歪みに対するこの荷重の影響を検討できます。非定常構造解析では大量の計算リソースが使用されます。これは構造内の慣性または減衰の効果が荷重のタイムスケールで重要と見なされる場合にのみ使用してください。慣性と減衰の効果が重要でない場合は、代わりに静解析を使用してください。
「ソルバーの設定」(Solver Settings) ダイアログボックスで検討の
減衰設定を修正できます。
「ソルバーの設定」(Solver Settings) ダイアログボックスで、
サブステップの選択を制御する設定を修正することもできます。
例: 非定常構造検討の実行
次の例では、非定常構造検討を設定して実行し、時間とともに変化する荷重が結果に与える影響を検討する方法を示します。
1. 次の図に示すようなスチール製の片持ちビームがあるとします。
1. ビームの一方の端に固定拘束条件が適用されています。
2. ビームの反対側の端に、時間とともに変化する荷重 (テーブル関数) が適用されています。
2. > の順にクリックし、シミュレーションタイプとして
「構造」(Structure) を選択して、構造シミュレーション検討を作成します。
3. アクティブな構造検討の場合は、 > の順にクリックし、「非定常モード」(Transient Mode) チェックボックスをオンにします。
4. ビームの一方の終端サーフェスに固定拘束条件を適用します。
5. > の順にクリックして「フォース荷重」(Force Load) ダイアログボックスを開きます。
次の手順を実行して、時間とともに変化する荷重をビームのもう一方の端に適用します。
a. 荷重が適用される参照として、拘束されているサーフェスの反対側の終端サーフェスを選択します。
b. Y 方向成分フィールドを右クリックして「関数」(Function) を選択し、「関数」(Functions) ダイアログボックスを開きます。
c. をクリックして
「関数定義」(Function Definition) ダイアログボックスを開きます。
d. をクリックしてテーブルに行を追加します。以下に示す時間と荷重の値をテーブルで指定して、時間とともに変化する荷重の関数を定義します。
時間 (秒) | 値 (N) |
---|
0 | 0 |
2.5 | 10000 |
5 | 0 |
7.5 | -10000 |
10 | 0 |
e. 「プレビュー」(Preview) をクリックして、フォース荷重関数のグラフを確認します。
f. 「関数定義」(Function Definition) ダイアログボックスの「OK」をクリックして関数を作成します。
g. 「フォース荷重」(Force Load) ダイアログボックスで、単位として N (ニュートン) を選択し、「OK」をクリックしてフォース荷重を作成します。
6. > の順にクリックして、
「等高線図」(Contour Plot) ダイアログボックスを開きます。参照として部品を選択し、
「結果タイプ」(Results type) リストから
「フォンミーゼス応力」(Von Mises Stress) を選択します。フォンミーゼス応力のアドバンス結果がモデルツリーの > ノードの下に追加されます。
7. > の順にクリックして非定常構造検討を実行します。
9. 検討が完了した後、モデルツリーでフォンミーゼス応力のアドバンス結果を選択し、
をクリックしてアクティブ化します。
10. 結果のミニツールバーで、
の横の矢印をクリックし、
「サブステップの結果」(Substep Results) 制御を開きます。スライダーを動かして、さまざまなサブステップで結果を表示します。以下は 2.5、5、7.5、10 秒でのフォンミーゼス応力の結果です。
2.5 秒でのフォンミーゼス応力 | 5 秒でのフォンミーゼス応力 | 7.5 秒でのフォンミーゼス応力 | 10 秒でのフォンミーゼス応力 |
---|
応力は最大です。 | 応力はほぼ 0 です。 | 応力は最大です。 | 応力はほぼ 0 です。 |
11. 結果ミニツールバーの
「最小チャート」(Minimum Chart) と
「最大チャート」(Maximum Chart) をクリックして、時間に対するフォンミーゼス応力の最小値と最大値のグラフを表示します。次の図は、時間経過に伴うフォンミーゼス応力の最大値のグラフを示しています。
同様に、ほかの結果量に対する荷重の影響をさまざまな時間において検討できます。