全社的な構成を設定する方法について
Creo Expert Moldbase では、企業の要件に基づいてソフトウェアの動作をカスタマイズするための多くの方法が用意されています。そのため、まずはこのカスタム構成の管理方法と、社内の全ユーザーにその構成を提供する方法を理解する必要があります。
会社全体に適用する 1 つの構成を設定するという目標を定める理由は多数あります。独自の構成を設定することにより、次のことが可能になります。
ソフトウェアは社内のすべてのワークステーションで同じように動作します。
構成は設計者によって変更されることがなく、特権的なユーザーと管理者のみが修正できます。
変更を適用できる場所は 1 つだけです
ソフトウェアアップデートの場合、構成に関して何もする必要はありません。構成はソフトウェアから独立しています。
すべての設計者が同じ設計戦略を使用します。´
すべての設計者は、標準化されたライブラリ構成部品と材料ファイルのみを使用します
この章では、この目標を達成するために必要なすべての手順について説明します。
カスタム構成を 1 つの場所からすべてのユーザーに提供
EMX では、通常、ローカルインストールフォルダ内にデフォルト構成と構成部品フォルダが用意されています。
デフォルトでは、すべてのユーザーが独立した構成で作業します。
すべての設計者が 1 つのカスタム構成のみを使用するためには、Windows 変数 EMX_USER_CONFIG_PATH を使用する必要があります。
この変数には、社内のすべてのユーザーがアクセスできるサーバーの場所へのパスを設定する必要があります。
たとえば、Z:\shared_configurations\emx_custom_confguration などです。
通常、このユーザー変数はすべての CAD マシンに手動で設定する必要はなく、会社の IT サービス部門がこの手順を自動化できます。
この変数を設定するとすぐに、EMX は最初にこのフォルダを調べ、コンフィギュレーションオプションを取得します。
このフォルダが空の場合、EMX は有効な構成を見つけることができません。その場合、EMX はインストールフォルダ内のデフォルト構成に戻ります。
この問題を回避するには、構成フォルダを新しい構成場所にコピーします。
「EMX オプション」(EMX Options) を開いて正しい構成場所を確認します。
管理者だけがこの構成を修正できるように、正しいアクセス権を設定します。設計者に対しては読み取り専用にし、管理者にのみ読み取りと書き込みアクセス許可を付与します。このようにすると、会社の標準構成がすべてのユーザーに対して同じものに保たれます。
すべてのカスタマイズはこのフォルダでのみ実行されます。
1 つの大きな利点: アップデート時でも安定性を保てる構成
EMX_USER_CONFIG_PATH 変数を使用する最大の利点の 1 つは、構成がソフトウェア自体から独立している点です。
ソフトウェアアップデートの場合に、追加の手順は必要ありません。EMX は常にこの固有の場所を調べ、構成ファイルを検索します。
この機能は、Creo Parametric のバージョンを次のバージョンにメジャーアップデートする場合でも同様です。
標準化されたライブラリ構成部品を 1 つの場所からのみ提供
EMX では、標準化された構成部品をライブラリからアセンブリできます。
デフォルトでは、EMX は、インストール先の <イントール先>\component\<単位>\library フォルダでライブラリ構成部品を検索します。
ただし、EMX コンフィギュレーションオプション LIBRARY_PATH を使用することで、このライブラリをすべてのユーザーが使用できるように設定できます。
カスタマイズしたパスがこのコンフィギュレーションオプションに書き込まれた場合、EMX は常にこの場所でライブラリ構成部品を探します。
標準インストールのライブラリ構成部品をテンプレートとして使用して、独自の会社のライブラリを設定できます。
ライブラリ構成部品は、社内の設計戦略を標準化する上で非常に役立ちます。
このコンフィギュレーションオプション内で、Windows 環境変数をプレースホルダーとして使用することもできます。
パス内の変数は、%MY_CUSTOM_VARIABLE% のように "%" 文字を使用して囲みます。
LIBRARY_PATH 変数が正しい場所を指していることを確認するには、「ライブラリ」(Library) > 「アセンブリ」(Assemble) の順にクリックします。
この場所にあるフォルダ構造が、ライブラリ構成部品ダイアログボックスで使用可能になります。
標準化された材料ファイルを 1 つの場所からのみ提供
標準インストールでは、EMX は <インストール先>\component\<単位>\material フォルダにある材料ファイルを使用します。
会社の材料ファイルがすでに存在する場合、EMX はコンフィギュレーションオプション MATERIAL_PATH を使用してこれらのファイルを検索できます。
既存の Creo 材料ライブラリへのパスを設定するか、EMX_USER_CONFIG_PATH フォルダの内部にカスタムパスを作成し、そこからファイルが収集されるようにします。
例: Z:\shared_configurations\emx_custom_configuration\material
使用する材料ファイルの種類を EMX に指示することが重要です。そのため、EMX コンフィギュレーションオプション MATERIAL_EXTENSION を使用して、正しいファイル拡張子を設定します。
これは役に立ちましたか?