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一般的なエラーメッセージと警告メッセージ
Creo EZ Tolerance Analysis での作業中に、定義済みの累積で警告またはエラーを示すメッセージやグラフィックアイコンが表示されることがあります。以下の各セクションでは、一般的なエラーと警告について説明し、その解決方法を示します。
有意と思われる 3D エフェクト
Creo EZ Tolerance Analysis は、本質的には 1 次元 (1D) の累積問題を解決するように設計されており、2 次元または 3 次元 (2D または 3D) の累積問題を解決するようには設計されていません。詳細については、1D の問題と 2D および 3D の問題の比較のセクションを参照してください。
ただし、Creo EZ Tolerance Analysis では、定義された累積が一部の 2D または 3D エフェクトを無視している可能性があると識別されることがよくあります。このような場合、定義された 1D 累積について、3D 公差解析ツールを使用して 2D または 3D 累積公差法で評価した方が効果的と考えられるという警告が表示されます。
「累積テーブル」(Stackup Table) のサマリービューで、累積の目標を満たしている か満たしていない かを示すアイコンの右下に小さな黄色の三角形の警告グリフが表示されることがあります。この警告グリフが表示されている場合、解析結果は有意と思われる 3D エフェクトを無視しています。
累積結果のグラフに、有意と思われる 3D エフェクトに関するメッセージと警告アイコンも表示されます。
すべてのケースが検出されるとはかぎりませんが、次のようなシナリオで通知が表示されます。
重大累積距離を定義するサーフェスが重複していない場合。
部品間のアセンブリ拘束の一部が、重大累積距離の対象として選択したサーフェスの範囲外にある場合。
部品を互いに拘束するサーフェスのサイズが、累積距離定義に含まれるサーフェスよりも大幅に小さい場合。
部品が複数のファスナーのパターンによって接続され、測定方向がそのパターン外にあるサーフェスの合致面の平面内である場合。
Creo EZ Tolerance Analysis では、1D の方法で真にモデル化できる累積にフラグが付けられる場合があります。これが該当する最も一般的な状況は、アセンブリ内の部品間に複数の等価なアセンブリ拘束が存在するときです。たとえば、シャフトが両端でベアリングまたはブッシングに取り付けられている場合や、回路基板が複数のファスナーで複数の支柱に取り付けられている場合などです。これらの累積にフラグが付けられる理由は、1D 累積定義によって各部品にわたる単一の寸法ループが作成される一方で、アセンブリ内の部品の安定化に役立つその他の拘束が累積定義に含まれないためです。このフラグは、部品間の関係を検討して、Sigmetrix の CETOL 6σのようなより高度な 3D 公差解析ツールを使用したモデリングが必要かどうか評価することを促す警告メッセージです。
欠落しているか無効な参照
Creo EZ Tolerance AnalysisCreo モデル内のジオメトリ形体への参照を維持し、Creo EZ Tolerance Analysis が開いたときにこれらの参照を再評価します。モデルのジオメトリが変更されて、Creo EZ Tolerance Analysis を開くときに特定のジオメトリ参照が見つからない場合、エラーメッセージが表示され、無効な参照を修復するツールが提示されます。
Creo EZ Tolerance Analysis によって維持される次のタイプのジオメトリ参照は、欠落したり無効になったりする可能性があります。
形体が累積で使用されている構成部品
累積測定の開始形体または終了形体
アノテーション平面参照
アセンブリ拘束形体 (合致面)
部品に追加された形体
「無効な参照」ダイアログ
Creo EZ Tolerance Analysis を開いているときに、欠落しているか無効な参照が検出された場合、「無効な参照」(Invalid References) ダイアログボックスが開きます。
このダイアログボックスには、参照が欠落しているか無効であるアイテムがリストされ、その解決方法についての簡単な説明が表示されます。
場合によっては、Creo EZ Tolerance Analysis 内のツールを使用して累積を修復できないことがあります。次の 2 つのケースでは累積を修復できません。
累積によって参照されている構成部品が欠落している。
累積によって参照されている形体はまだモデルに存在するが、その方向は累積方向に対して有効ではなくなった。
このような場合、欠落した構成部品を復元するなどを行っても、Creo EZ Tolerance Analysis の外部でこの状態を解決できない場合、累積が削除されることがあります。
累積テーブルのエラーアイコンと警告アイコン
無効な参照による影響を受けるモデル内のすべての累積は、「累積テーブル」(Stackup Table) のサマリービューでエラーアイコンによって識別され、累積名が太字の赤色テキストで示されます。さらに、基準値と結果に「該当なし」(N/A) と表示され、無効な参照により結果を計算できないことが示されます。
影響を受けるいずれかの累積の詳細ビューに切り替えると、左側の列のエラーアイコンによって、無効な参照の影響を受ける部品と形体が示されます。エラーアイコンによって、参照が無効である主要アイテムが示されます。ほとんどの場合、これは修復することで問題を解決可能なアイテムです。
警告アイコンは累積結果行に表示され、無効な参照が解決されるまで累積結果を計算できないことを示します。
累積結果を計算できないので、結果グラフと公差寄与度テーブルは「累積テーブル」(Stackup Table) の下の領域に表示されません。代わりに、結果を計算できなかったことを示す警告メッセージが表示され、修復が必要なアイテムがリストされます。リスト内のアイテムをクリックすることで、そのアイテムの修復ツールを開くことができます。
無効な参照の修復
失敗した参照を修復するには、「累積テーブル」(Stackup Table) の行を右クリックし、ポップアップメニューから「修復」(Repair) を選択するか、テーブルの下の「結果」(Results) タブまたは「公差寄与度」(Contributions) タブでアイテムを選択します。
Creo EZ Tolerance Analysis で「形体を修復」(Repair Feature) ダイアログボックスが開き、モデルの表示が更新されて新しい参照を簡単に選択できるようになります。形体を修復している部品はシェード表示され、累積に含まれていない部品は非表示になり、累積のその他の部品は暗色表示されます。
置き換え参照を選択した後、ダイアログボックスの「OK」をクリックします。
その後、次に修復する形体を選択できます。これが修復する最後の形体である場合、Creo EZ Tolerance Analysis によって累積結果が自動的に再計算され、結果グラフと公差寄与度テーブルが表示されます。
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無効な参照がアノテーション平面参照である場合、修復が必要な形体は累積テーブル内にはないので、「結果」(Results) タブまたは「公差寄与度」(Contributions) タブでアイテムを選択して修復ダイアログボックスをアクティブ化する必要があります。
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