オプションの修正子 (ASME)
使用可能なオプション
1. 「統計」(Statistical) - 統計的手法に基づいて公差値が指定されていることを示す統計的公差シンボル が追加されます。このオプションを選択した場合、「統計的公差として識別されている形体は、統計的なプロセス制御を使用して生成されるものとします」という注記がデータセットに自動的に追加されます。
2. 「突出公差域」(Projected Zone) - 公差域が部品サーフェスの上側/外側に突出していることを示す突出公差域シンボル Ⓟ が追加されます。このオプションを選択した場合、公差域の最小高さも入力する必要があります。突出公差域が使用されている場合、公差が指定されているサイズ形体(通常は穴) の方向偏差は制限されますが、穴の位置偏差は制限されません。
3. 「正接平面」(Tangent Plane) - 形体サーフェスの (あらゆる点ではなく) 正接サーフェスに公差域が適用されることを示す正接平面修正子 Ⓣ が追加されます。
4. 「自由ステート」(Free State) - 非拘束状態で幾何公差が適用されることを示す自由ステート修正子 Ⓕ が追加されます。この修正子は、拘束状態で公差が指定されていることを示す注記がある非剛体部品にのみ適用できます。
5. 「不等分配」(Unequally Disposed) - 輪郭度公差に不均等に配分された公差域があることを示す不等分配修正子 Ⓤ が追加されます。このオプションを選択した場合、指定した値は、形体のサーフェスから外方向に広がる公差域の部分を表します。
6. 「個別の要件」(Separate Requirement) - 公差記入枠の横に個別要件修正子 SEP REQT が追加されます。このオプションを選択した場合、形体 (または形体のパターン) はモデル内のその他すべての形体とは別個の要件になります。
選択するオプションの決定方法
統計的公差解析 (個々の公差の 2 乗和の平方根など) で寸法が使用されている場合、 シンボルを使用します。 シンボルは Y14.5 規格では十分に定義されておらず、一般的には使用されません。
Ⓟ シンボルは、主にねじ切り穴や圧入穴の直角度の偏差によってファスナー (ねじ、スタッドなど) が合致部品と干渉する可能性がある場合に使用します。固定ファスナーでは、(ねじ切りまたは圧入) 穴によってファスナーの位置と方向が決まります。位置公差域内でファスナーが傾斜している場合、干渉が生じることがあります。突出公差域を参照してください。
サーフェス全体 (あらゆる点) ではなくサーフェスの接触平面を制御することが重要である場合、通常は Ⓣ シンボルを使用します。正接平面修正子が指定されている場合、そのサーフェスの形状を拘束する公差を追加する必要があることがあります。
Ⓕ シンボルは、主に非剛体部品の形体に対して使用します。非剛体部品であることは、データセット内に拘束注記を追加することで示されます。拘束注記が存在する場合、すべての寸法が拘束状態で測定されます。拘束なしで公差を適用することを示すには、自由状態修正子を公差記入枠内に指定します。
Ⓤ シンボルは、主にサーフェスの実際の輪郭を中心に不均等に配分された輪郭度公差域を定義する必要がある場合に使用します。実際の輪郭を中心にした位置から公差域をオフセットする機能的な理由がないかぎり、この修正子を使用しないでください。
SEP REQT シンボルは、主に同時要件を除去する場合に使用します。一般的には同時要件の方が個別要件よりも費用がかかります。形体 (または形体のパターン) を同時セットから除外するかどうかを検討する場合、以下について考慮する必要があります。
形体に適用される位置度公差または輪郭度公差が、データムシフトがある DRF を参照するか (つまり、MMC または LMC 修正子がある 1 つ以上のデータムサイズ形体を参照するか)?
その形体は同じ DRF を参照するほかの形体とは独立して機能するか?
形体がこの両方の条件を満たす場合、幾何公差を個別要件として指定する必要があります。
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