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拘束条件スクリーニング (DSCREEN)
DSCREEN は、構造の特定の領域内で維持する拘束条件の数を制限するときに使用します。
実際の構造の設計では多数の拘束条件を満たす必要があります。変数の組み合わせが膨大になる可能性があります。最適化プロセスでは拘束条件の勾配が必要とされるので、設計感度プロセスにコストがかかり、1 件の解析のコストを大幅に上回る可能性があります。このため、拘束条件が最初にスクリーニングされた後で、現在の設計サイクルで制限値に達するか制限値に達する可能性がある拘束条件だけが維持されます。
このプロセスは 2 つのステップから成ります。最初に、たとえば -0.3 よりもマイナス幅が大きい (制限指標値が 30 % 以内でない) 拘束条件がすべて削除されます。次に、維持された拘束条件のセットがサーチされ、その構造の特定の領域内にあるそのサブセット以外の拘束条件がすべて削除されます。構造内の多数の近傍点で応答がほぼ同じである可能性があるが、設計プロセスを進めるためにはその応答のごく一部だけを維持する必要があることがその理由です。
拘束条件スクリーニングは、応力や変位など、応答のタイプごとに実行されます。拘束条件のタイプごとに、スクリーニングのプロシージャを制御する 2 つのパラメータとして、拘束条件「切り捨てしきい値」(Truncation threshold) (TRS) と「維持される拘束条件の最大数」(Max. retained constraints) (NSTR) があります。
拘束条件の値に基づいた削除 (TRS)
1 つ目のパラメータ TRS は、拘束条件が重要である可能性があると見なされる値の下限値を定義するときに使用します。次の場合に拘束条件が維持されます
(Response-UBi)/|UBi| >= TRS
または
(LBi-Response)/|LBi| >= TRS
ここで、Response は拘束条件として定義されている応答であり、LBi と UBi はその拘束条件に定義されている境界です。
例: 正規化値が -0.3 より大きい拘束条件をすべて維持し、その他はすべて削除します。
TRS のデフォルト値は -0.5 であり、その場合、その制限指標値が 50 % 以内である拘束条件は潜在的な解析対象であると見なされます。
設計サイクルが進んでも設計が大きく変わらない場合、この値を -0.2 などに大きくすることができます。その場合、拘束条件が維持されるためにはその制限指標値が 20 % 以内でなければなりません。ある設計サイクルで維持されない拘束条件が次の設計サイクルでは満たされていないことが確認された場合、TRS の値を -0.7 などに小さくする必要があります。その場合、制限指標値が 70 % 以内である拘束条件が維持されます。デフォルト値 -0.5 は非常に保守的な値であり、通常は、維持されない拘束条件が満たされないことはありません。
領域分割に基づいた削除 (NSTR)
拘束条件スクリーニングプロセスを制御する 2 つ目のパラメータ NSTR では、構造の特定の領域内で維持する拘束条件の最大数を指定します。
例: 正規化された値が -0.3 より大きい拘束条件をすべて維持し、各領域で維持する拘束条件を 2 つ以下にします。その他はすべて削除します。
NSTR のデフォルト値は荷重条件ごとに 1 つの領域につき 20 です。