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Verification の概要
Creo Simulate は一連の設計解析製品から構成されています。そのメインとなる製品が Structure と Thermal です。これらのメインの製品といくつかのオプションのモジュールが緊密に連携しています。
Creo Simulate のマニュアルは機械工学のエンジニアを対象としており、機械工学の理論、用語、手法に関する実務的な知識を備えていることを前提としています。ただし、Creo Simulate ソフトウェアやそのマニュアルを使用する際に、設計解析の専門知識は必要ありません。
ここでは、検証ガイドの使用方法について説明し、最新リリースで用いられている参考文献の概要を示します。内容は次のとおりです。
このガイドの使い方
参照
このガイドの使い方
検証ガイドでは、有限要素モデルとメカニズム解析モデルに基づいて、解がわかっている一連の問題を用いて、設計解析プロセスにおける Creo Simulate の精度と効率性を実証しています。
結果を、ANSYS、NASTRAN、NAFEMS などの従来の解析ソフトや理論によって得られた結果と比較しています。多くの問題は、広く知られている MacNeal-Harder 有限要素問題セットから引用しています。
このガイドで使用されているモデルは Creo インストールディスクに収録されています。Creo Simulate をインストールした場合、モデルはフォルダ <Load_Point>/Common Files/mech/ms_verf に保存されます。このモデルを使用して、ご自分のプラットフォーム上で検討を再実行できます。
このガイドでは、Creo Simulate の解析タイプ (構造、熱、振動、座屈、非線形) ごとにセクションを設けて、モデルを検証しています。Structure 最適化モデルのセクションもあります。
構成
このガイドでは以下のトピックについて説明します。
構造解析モデル
いくつかの静解析問題を取り上げ、結果を比較します。
いくつかの固有値解析問題を取り上げ、結果を比較します。
熱解析モデル
定常熱伝導解析問題を取り上げ、結果を比較します。
非定常熱伝導解析問題を取り上げ、結果を比較します。
振動モデル
時刻歴応答解析問題を取り上げ、結果を比較します。
周波数応答解析問題を取り上げ、結果を比較します。
衝撃応答解析問題を取り上げ、結果を比較します。
ランダム応答解析の問題について説明し、Structure での結果とベンチマーク結果を比較します。
座屈モデル
座屈解析問題を取り上げ、結果を比較します。
非線形モデル
2D/3D 接触問題を取り上げ、結果を比較します。
プリストレス固有値解析問題を取り上げ、結果を比較します。
大変形解析問題を取り上げ、結果を比較します。
弾塑性材料を含む静解析について説明し、結果を比較します。
最適化モデル
最適化された静構造モデルを取り上げます。
このガイドの結果は最新リリースの Creo Simulate からのものです。
これらのプログラムを別のプラットフォームで実行した場合、結果および画面の表示は、このマニュアルに記載されている結果およびグラフィックとは若干異なる可能性があります。サポートされている各種プラットフォームでの結果の大きな違いは見つかっていません。
識別方法
Verification Guide に掲載されている問題には、検討名を示す名前が付いています。たとえば、Verification Guide の mvsm003 は、Structure による 3 番目の固有値解析の問題であることを示しています。検討名は以下の規則に基づいています。
先頭の英字 2 文字:
mv - Creo Simulate Verification
3 番目の英字:
s - Structure
t - Thermal
o - 最適化
4 番目の英字:
Structure
m - 固有値解析
s - 静解析
l - 積層解析
t - 時刻歴応答解析
f - 周波数応答解析
k - 衝撃応答解析
b - 座屈解析
c - 接触解析
d - 大変形解析
p - プリストレス解析
Thermal
s - 定常熱伝導解析
t - 非定常熱伝導解析
最適化
o - 最適化
3 桁の数値:
001 - 問題の連番
検討を実行したり結果を確認する際には、上記の設計検討名を使用します。
結果の項目
ここでは、各問題の結果の表の各項目について説明します。この例を以下に示します。
理論値
MSC/NASTRAN
Structure
差 (%)
荷重あたりの半径方向たわみ
(m=disp_x_radial)
2.8769e-3
2.8715e-3
2.8725e-3
0.18%
収束 %: ローカル変位/歪みエネルギーについて 0.5 %
最大次数: 7
方程式の数: 33
結果の表の各列には以下が示されています。
1 列目 - 結果の量。
2 列目 - 各モデルの概要を示した 1 ページ目に記載されている参考文献から引用した理論上の結果。
3 列目 (オプション) - ほかのプログラム (この例では NASTRAN) を使用して取得した結果。
4 列目 - Creo Simulate の結果。
5 列目 - Creo Simulate の結果と理論上の解との差 (%)。
結果の量の名前の下に、お使いのシステムで結果を表示するときに利用可能な追加情報が括弧で囲んで示されます。ここには、1 つまたは複数の情報が示されています (xxxx はメジャー、解析、または荷重の名前、x はモード番号)。
メジャー名 (m=xxxx)
解析名 (a=xxxx)
荷重名 (l=xxxx)
固有値解析のモード番号 (mode=x)
1 つの検討に複数の解析、荷重、メジャーがある場合、解析名、荷重名、メジャー名、またはモード番号が示されます。
これらの情報は 2 つの方法で利用でき、shell で study.rpt ファイルを表示または印刷するか、設計検討のサマリーファイル内の情報を表示できます。サマリーファイルを表示するには、検討と同じ名前のモデルを開き、メインメニューの「実行」(Run) を選択してから、「ステータス」(Status) を選択します。次に、「検討のステータスを表示」(Display Study Status) ボタンをクリックしてサマリーを表示し、メジャー名で検索します。
表の一番下の行には、Verification Guide に掲載されている問題の収束パーセント、収束のタイプ、収束に達した最大多項式次数、収束に必要な方程式の数が示されます。Structure モデルの場合、"ローカルエッジ変位/歪みエネルギー" はこのガイドで "ローカル変位/歪みエネルギー" と略記されています。Thermal モデルの場合、"エネルギーノルム" は "EN" と略記される場合があります。
参照
このガイドで用いられている参考文献を以下に示します。
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Chahjes, A. Principles of Structural Stability Theory.Prentice-Hall, 1974.
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Imai, Kanji.Configuration Optimization of Trusses by the Multiplier Method.LA:University of California, UCLA-ENG-7842.
Kane, T.R., and Levinson, D.A. Dynamics:Theory and Application.NY:McGraw-Hill, 1985.
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MacNeal, R.H., and Harder, R.L. "A Proposed Standard Set of Problems to Test Finite Element Accuracy." Finite Elements in Analysis and Design I. Elsevier Science Publishers, 1985.
MacNeal-Schwendler Corporation.MSC/NASTRAN Verification Problem Manual.MSC/NASTRAN Version 64, January, 1986.
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Roark, R. J., and Young, W. Formulas for Stress and Strain. 第 5 版NY:McGraw-Hill, 1982.
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Swanson Analysis Systems, Incorporated.ANSYS Verification Manual.
Thomson, W.T. Theory of Vibration with Applications.NJ:Prentice-Hall, Inc. 2nd printing, 1981.
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特定の問題で用いられたその他の参考文献は、各セクションに記載されています。