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すべリインジケータメジャー
摩擦が無限大または有限の接触インタフェースを定義する際に「すべりインジケータを作成」(Create Slippage Indicators) チェックボックスをオンにした場合、Creo Simulate で 3 つのすべりインジケータメジャーが自動的に作成されます。これらのメジャーによって、接触領域におけるすべりのおおよその状況を把握できます。静解析中、すべりインジケータメジャーの値が Creo Simulate によって計算されます。メジャーの値が正の場合、接触領域ですべりが生じています。
この図は、接触している 2 つのサーフェスを示しています。Creo Simulate ですべりインジケータメジャーの値は次のように計算されます。
1. 接触するサーフェス 1
2. 接触するサーフェス 2
n - ポイント xi においてサーフェスに垂直なベクトル
xi - 接触するサーフェス上の i 番目のサンプリングポイント
t(x i) - xi における牽引力ベクトル
N - 牽引力ベクトルの法線方向の成分
T - 牽引力ベクトルの接線方向の成分
xi におけるすべりの条件は次のようになります。
Si=T-N* <= 0
ここで、 は摩擦係数です。
Si の値がゼロ以下の場合、xi においてすべりは生じません。Creo Simulate でサーフェスのすべてのポイントにおいて Si が計算され、Si を使用して以下のすべりインジケータメジャーが計算されます。
任意のすべり - Si の最大値
このメジャーの値が正の場合、接触領域の 1 つ以上の場所ですべりが生じています。
完全すべり - Si の最小値
値が正の場合、接触領域のすべての場所ですべりが生じています。
平均すべり - Si を接触サーフェスについて積分した値
値が正の場合、接触領域のほとんどの場所ですべりが生じています。
このメジャーは、接触する両方のサーフェスが平面の場合に作成されます。
無限摩擦での解析中にいずれかのメジャーの値が正になると、Creo Simulate のサマリーレポートに警告メッセージが書き込まれます。この警告は、接触するサーフェスが互いにすべることを示しています。この場合、無限摩擦の仮定は成立しません。
Creo Simulate では、接触領域において T の最大値も計算され、この値が「接線方向最大牽引力」(Max Tangential Traction) として報告されます。Creo Simulate では、摩擦が無限または有限のすべての接触で T が計算されます。
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