階層メッシュの理解

階層メッシュは、トップレベルメッシュ (現在のアセンブリのメッシュ) と任意の構成部品レベルのメッシュ (そのアセンブリの既存の構成部品メッシュ) を合成したものです。Creo Simulate で階層メッシュを作成すると、あらかじめメッシュした構成部品がアセンブリ階層の最上部から下部まで検索されます。あらかじめメッシュした構成部品が見つかるたびに、構成部品レベルのメッシュを評価し、メッシュが次のどの状態になっているかを確認します。

• 部分 - サブアセンブリには独自のメッシュがありますが、そのすべてのサブコンポーネントにメッシュがあるわけではありません。この状況は、サブアセンブリをメッシュし、そのサブアセンブリにメッシュしていない新しい構成部品を追加した後、そのサブアセンブリをまとめて再メッシュしない場合に発生します。

• 継承 - 構成部品メッシュが、それよりも大きい構成部品メッシュの一部になっています。たとえば、あらかじめメッシュされた部品 a にあらかじめメッシュされたサブアセンブリ b が含まれており、サブアセンブリ b は最上位アセンブリ c の一部であるとします。この場合、サブアセンブリ b および部品 a はどちらもアセンブリ c への継承メッシュに影響を与えます。部品 a は、サブアセンブリ b の継承メッシュにも影響を与えます。

メッシュジェネレータは、個々の状況を次のように処理します。

構成部品メッシュの状態	処理
メッシュなし	構成部品を、メッシュされる構成部品のリストに入れます。
完全なメッシュ	構成部品を、メッシュされる構成部品のリストから除外します。
部分メッシュ	現在のメッシュを削除するかどうか尋ねるメッセージを表示します。削除する場合、メッシュジェネレータは、メッシュする構成部品のリストにその構成部品を追加します。
継承メッシュ	構成部品を、メッシュされる構成部品のリストから除外します。

メッシュする必要のある構成部品のリストを準備した後、メッシュジェネレータはトップレベルのメッシュを作成します。生成されたメッシュモデルにはトップレベルのメッシュが含まれ、ここに、すべての結合とメッシュしていない構成部品のメッシュが含まれます。メッシュモデルにも、完全なまたは継承した構成部品レベルのメッシュが含まれます。メッシュの生成時は、サブコンポーネント間の適切に確立されたすべての結合が考慮され、ソルバーがアセンブリの荷重パスを正しく認識できるようにします。メッシュジェネレータは、結合を次のように処理します。

• 接続が解除されていると見なした構成部品には一貫したメッシュを作成しません。これらの構成部品はその位置に保持され、全体的なメッシュの一部にはなりますが、荷重パスの一部にはできません。

処理を続けながら、メッシュジェネレータは、メッシュを無効にするまたは許容できないメッシュの矛盾を発生させる状況を確認します。メッシュジェネレータは、問題の原因となる要因を無視するか、メッシュを削除します。メッシュジェネレータは、節点、要素、またはローカルメッシュエンティティ ID の矛盾も確認します。矛盾が見つかると、その状況について警告し、番号付けの矛盾が発生した節点、要素、またはローカルメッシュエンティティのリストを表示します。この矛盾を解決するには、「メッシュの番号付け」(Mesh Numbering) または「メッシュ ID オフセット」(Mesh ID Offset) メッシュ制御を適宜使用します。

NASTRAN ソルバーで使用するモデルを出力すると、Creo Simulate によってそのアセンブリ用に 1 つのファイルが作成されます。このファイルには、最も低いレベルから順に、モデルのすべてメッシュのリストが表示されます。このファイルでは、特性、材料、および座標系レコードが低い方のメッシュ構造に置かれるので、個々のメッシュを全体から切り離し、これらを個別に実行できます。

その他のソルバーでは、ファイルにすべてのモデルメッシュのリストが表示されますが、階層構造にはなっていません。この場合は、Creo Simulate でアセンブリのすべての節点がファイルの特定のセクションに置かれ、すべての要素が別のセクションに、すべての材料が別のセクションに、というようにファイルが構成されます。このファイルを使用すると、ソルバーは、これらの各セクションの情報を使用して階層を作成し直します。