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ファスナーのモデリング - ソリッドの結合
ソリッドの結合
ソリッド間にファスナーを作成するには、「ファスナー定義」(Fastener Definition) ダイアログボックスの「ソリッド結合」(Connecting Solids) を選択します。ソリッドを結合するファスナーは、結合する 2 つのソリッド構成部品間の単一ばねとしてモデリングされます。
2 つのソリッド構成部品を結合するボルトファスナーの 2 次元断面を次の図に示します。
図 1
1. 上側構成部品
2. 下側構成部品
3. 生成された環形領域は "分離固定" メカニズムによって分離状態を維持
4. ファスナーのシャフトの直径
5. ファスナーのヘッドとナットの直径
6. 分離テスト直径
構成部品 1 と 2 の間にボルトファスナーを作成するには、上側構成部品の上側サーフェスで穴の円形エッジを選択し、下側構成部品の下側サーフェスで穴の円形エッジを選択する必要があります。このボルトファスナーは点 At と点 Ab 間のばねとしてモデリングされています。
2 つのソリッド構成部品を結合するねじファスナーの 2 次元断面を次の図に示します。
図 2
1. 上側構成部品
2. 下側構成部品
3. 生成された環形領域は "分離固定" メカニズムによって分離状態を維持
4. ファスナーのシャフトの直径
5. ファスナーのヘッドとナットの直径
6. 分離テスト直径
ねじファスナーを作成するには、上側構成部品の上側サーフェスで穴の円形エッジを選択し、下側構成部品で円形エッジを選択します。このファスナーは上側構成部品の点 At と下側構成部品の点 Ab 間のばねとしてモデリングされています。
次の事柄はボトルファスナーとねじファスナーの両方に当てはまります。
ばねの両端は、ウェイトリンクによって、オレンジ色で示すサーフェスにリンクされています。上側のオレンジ色のサーフェスの外径は、「ファスナーヘッドとナット直径」(Fastener Head and Nut Diameter) ボックスで指定されている値になります。ファスナーのシャフトの直径が内径になります。
「ばね剛性特性を使用」(Using spring stiffness property) オプションを使用してファスナーの剛性が定義されている場合、定義したすべてのばね剛性特性を使用して剛性が計算されます。ファスナーの剛性を正しくモデリングするためには、適切な値を定義します。
「直径と材料を使用」(Using diameter and material) オプションを使用してファスナーの剛性が定義されている場合、指定した材料と直径を持つティモシンコ円柱ビームの剛性がファスナーの剛性として設定されます。点 At と点 Ab 間の距離がビームの長さとなります。
ファスナーのメジャー
ソリッドを結合するファスナーの場合、At と Ab 間のばねを使用して、ファスナーの軸方向フォース、せん断力、曲げモーメント、ねじれフォース、軸方向応力、せん断応力、曲げ応力のメジャーが計算されます。
上の両方の図で、軸方向フォースは X 軸方向、せん断力は Y 軸および Z 軸方向です。
解析を実行した後で、サマリーファイルでこれらの値を確認できます。
メジャー名
説明
fastenerName_shear_force
ファスナーのせん断力。
fastenerName_shear_stress
ファスナーのせん断応力。これは「直径と材料を使用」(Using diameter and material) オプションを使用して剛性を定義した場合にのみ計算されます。
fastenerName_axial_force
ファスナーの軸方向フォース。
fastenerName_axial_stress
ファスナーの軸方向応力。これは「直径と材料を使用」(Using diameter and material) オプションを使用して剛性を定義した場合にのみ計算されます。
fastenerName_bending_moment
ファスナーの曲げモーメント。
fastenerName_bending_stress
ファスナーの曲げ応力。これは「直径と材料を使用」(Using diameter and material) オプションを使用して剛性を定義した場合にのみ計算されます。
fastenerName_torsion_moment
ファスナーのねじれモーメント。これは「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) チェックボックスをオンにした場合にのみ計算されます。2 つの構成部品間に摩擦がないので、すべてのねじれモーメントがファスナーに加わります。
fastenerName_torsion_stress
ファスナーのねじれ応力。これは、「直径と材料を使用」(Using diameter and material) オプションを使用し、「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) をオンにして剛性を定義した場合にのみ計算されます。この場合、2 つの構成部品間に摩擦がないので、すべてのねじれ応力がファスナーに加わります。
分離固定
ファスナーの場合、2 つの接触するサーフェスが相互に溶け込まないことが重要です。次のいずれかの方法によって、接触するサーフェスが相互に溶け込まないようにすることができます。
接触する 2 つのサーフェス (上側構成部品の下側サーフェスと下側構成部品の上側サーフェス) 間に接触インタフェースを作成する。この場合、ファスナーダイアログボックスの「分離固定」(Fix Separation) 設定は無視されます。この方法では解析の計算時間が長くなります。
「ファスナー定義」(Fastener Definition) ダイアログボックスの「分離固定」(Fix Separation) チェックボックスをオンにする。接触する 2 つのサーフェス間のインタフェースは、上の 2 つの図で緑色で示されている環形サーフェス間を分離させる剛性分布ばねとしてモデリングされます。緑色の領域の外径は「分離テスト直径」(Separation Test Diameter) の値になります。ファスナーのシャフトの直径が内径になります。
「分離固定」(Fix Separation) チェックボックスをオンにすると、「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) チェックボックスが表示されます。「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) をオンにした場合、接触領域間の分布ばねの接線方向の剛性は 0 になります。「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) をオフにした場合、接触インタフェース間の分布ばねの接線方向の剛性は非常に大きい値になります。
「分離固定」(Fix Separation) チェックボックスをオンにした場合、点 At と点 Ab 間のファスナーのメジャーに加え、接触インタフェース (緑色の環形領域) 間の分布ばねの合成圧縮フォース、せん断力、曲げモーメント、ねじれモーメントも計算されます。
 
*注記 せん断力とねじれモーメントは「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) チェックボックスがオフの場合にのみ計算されます。
これらの量は自動メジャーとして計算され、モデルツリーに表示されます。
解析を実行した後で、サマリーファイルでこれらの値を確認できます。
メジャー名
説明
fastenerName_intf_norm_forc
このメジャーは、上の図 1 と図 2 で緑色で示されている分離固定環形領域における、ファスナーで結合した 2 つの構成部品間の全垂直フォースをトラックします。これは Ft-Fc のメジャーであり、ここで
Ft - 環形領域における引張りフォース
Fc - 環形領域における圧縮フォース
このメジャーの値が負の場合、正味では圧縮フォースが作用しています。値が正の場合、正味では引張りフォースが作用しており、構成部品同士が分離しています。
fastenerName_sep_stress
接触インタフェース領域内の応力。
このメジャーは、インタフェースに作用する引張りフォースをインタフェースにおいて引張られる面積で割ったものです。ここでの面積とは、図 1 と 2 で緑色で示されている環形領域のものです。
有効なインタフェースでは、このメジャーの値はゼロまたは小さな正の数になります。
fastenerName_intf_comp_forc
ファスナーの接触インタフェース領域内の圧縮フォース。
fastenerName_intf_bend_momt
ファスナーの接触インタフェース領域内の曲げモーメント。
fastenerName_intf_shr_forc
ファスナーの接触インタフェース領域内のせん断力。これは「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) チェックボックスをオフにした場合にのみ計算されます。
fastenerName_intf_tors_momt
ファスナーの接触インタフェース領域内のねじれモーメント。これは「摩擦なしインタフェース」(Frictionless Interface) チェックボックスをオフにした場合にのみ計算されます。
 
*注記 静解析と衝撃応答解析でファスナーのすべてのメジャーの静的フォームが計算されます。動解析ではメジャー名に接尾辞として "d" が付きます。これらのメジャーの動的フォームは、ランダム応答解析、周波数応答解析、時刻歴応答解析において計算されます。ランダム応答解析と衝撃応答解析では分離応力メジャーは計算されません。
 
*注記 分離応力メジャーの値が正の場合、分布分離ばねによって望ましい結果が得られず、2 つの接触する領域が自然に分離すべきところが、接触したままになっています。この問題を解決するには、「分離固定」(Fix Separation) チェックボックスをオフにし、ファスナーによって結合する 2 つの部品間に接触インタフェースを作成します。