製造 > ミリング > 軌道ミリング > 2 軸軌道ミリング固有のミリングパラメータ
  
2 軸軌道ミリング固有のミリングパラメータ
共通のミリングパラメータのほかに、次のパラメータで 2 軸軌道ミリング NC シーケンスで生成されたツールパスを制御します。
「ウォール仕上げカット」(WALL_FINISH_CUT)
ウォールに沿って加工する場合に工具が複数のカットパスを作成するかどうかを制御します。デフォルト (「各スライス仕上げ」(AT_EACH_DEPTH)) では、仕上げパスはカット深さごとに作成されます。つまり、ウォールを加工する最終スライスにはほかのスライスと同じ数のパスが含まれます。「最終カット深さ」(LAST_CUT_DEPTH) に設定した場合、最終スライスには最終深さで作成されたカットパスが 1 つだけ含まれます。
次のパラメータグループは、工具のカットパスの数、最終工具軌道からの垂直 (z 軸) 方向のオフセット、およびパス間のオフセットを制御します。オフセット値が異なる 2 つのパスグループを使用できます。これにより、たとえば最初のグループである荒削りのカットパスに大きいオフセット値を指定してから、最後に仕上げパスの深さを減らすことができます。
「接続の最適化」(CONNECT_OPTIMIZE)
連続する 2 つのパス間の工具移動を制御します。「接続の最適化」(CONNECT_OPTIMIZE) の値として Yes または No を指定できます。デフォルト (No) で、工具はパスとパスの間にリトラクト面にリトラクトします。Yes に設定した場合、連続するパス間で工具は次のように移動します。
2 つのカーブが同一平面上にある場合、工具は 1 つ目のツールパスの終点で「引き抜きピッチ」(PULLOUT_DIST) だけリクトラトします (指定されている場合)。この後、工具は「クリアランス距離」(CLEAR_DIST) で定義されている平面で次のカーブツールパスの始点まで早送りし、次のツールパスを実行します。
1 つ目のカーブ平面が 2 つ目のカーブ平面より高い場合、1 つ目のツールパスの終点で工具は「引き抜きピッチ」(PULLOUT_DIST) だけリトラクトします (指定されている場合)。この後工具はこの平面で次のカーブツールパスの始点まで早送りし、「クリアランス距離」(CLEAR_DIST) まで早送りでプランジして 2 つ目のツールパスを実行します。
1 つ目のカーブ平面が 2 つ目のカーブ平面より低い場合、1 つ目のツールパスの終点で工具は「引き抜きピッチ」(PULLOUT_DIST) だけリトラクトします (指定されている場合)。この後工具は 2 つ目のカーブ平面の上にあり「クリアランス距離」(CLEAR_DIST) で定義される平面で早送りし、2 つ目のツールパスの始点に早送りで接続して 2 つ目のツールパスを実行します。
「最後の仕上げパス数」(NUMBER_LAST_FINPASSES)
最終工具軌道から垂直方向にオフセットしたカットパスの数を指定できます。デフォルトは 1 であり、工具は軌道カーブに沿ってカットパスを 1 つだけ作成します。数値を増やした場合、パスの間の垂直オフセットはパラメータ「最終の仕上げパスオフセット」(LAST_FINPASS_OFFSET) の値によって定義されます。
「最初の仕上げパス数」(NUMBER_FIRST_FINPASSES)
最終パスの前に、垂直オフセットが異なる追加のカットパスを追加できます。デフォルトは 0 です。数値を指定した場合、パスの間の垂直オフセットはパラメータ「最初の仕上げパスオフセット」(FIRST_FINPASS_OFFSET) の値によって定義されます。
最終の仕上げパスオフセット
最終グループ内のカットパス間の垂直オフセットを指定します。デフォルトは 0 です。
最初の仕上げパスオフセット
最初のグループ内のカットパスの間の垂直オフセット、および最初のグループ内の最終パスと最終グループ内の最初のパスの間の垂直オフセットを指定します。デフォルトは 0 です。最初のパスの数としてゼロ以外の数値を設定した場合、値を指定します。
このパラメータグループの働きを次の例に示します。パラメータを次のように設定します。
NUMBER_LAST_FINPASSES 2
NUMBER_FIRST_FINPASSES 3
NUMBER_LAST_FINCUTS 1
NUMBER_FIRST_FINCUTS 0
工具は最初の 3 つのパスと最後の 2 つのパスからなる垂直スライスを 1 つだけ作成します。最終パスは軌道カーブに沿って実行され (「オフセット」(Offset)「左」(Left) に設定されている場合)、ほかのパスの位置はパラメータ「最終の仕上げパスオフセット」(LAST_FINPASS_OFFSET) および「最初の仕上げパスオフセット」(FIRST_FINPASS_OFFSET) に従ってそこから計算されます。
1. 軌道カーブ
2. 最初のパス
3. 最初の仕上げパスオフセット
4. 最後のパス
5. 最終の仕上げパスオフセット
次のパラメータグループは、カットスライスの数、最終工具軌道からの水平方向のオフセット、およびスライス間のオフセットを制御します。各スライスには、前のパラメータグループで定義されている各スライスと数値およびオフセットが同じ、複数の垂直にオフセットされたカットパスが含まれることがあります。スライスとパスをどちらも複数指定した場合、加工順序はパラメータ「スライスパススキャン」(SLICE_PATH_SCAN) によって制御されます。
ここでも、オフセット値が異なる 2 つのスライスグループを使用できます。
「最終の仕上げカット数」(NUMBER_LAST_FINCUTS)
最終工具軌道から水平方向にオフセットしたカットスライスの数を指定できます。デフォルトは 1 です。数値を増やした場合、水平にオフセットされた複数のスライスが生成されます。各スライスには、該当するパラメータによって指定された数の垂直オフセットカットパスが含まれます。スライス間の水平オフセットは、パラメータ「最終の仕上げカットオフセット」(LAST_FINCUT_OFFSET) の値によって定義されます。スライス間のオフセット方向は、軌道カーブを基準にした工具オフセットの方向、または工具オフセットが「なし」(None) に設定されている場合は材料側によって決まります。
「最初の仕上げカット数」(NUMBER_FIRST_FINCUTS)
最終スライスの前に、水平オフセットが異なる追加のカットスライスを追加できます。デフォルトは 0 です。数値を指定した場合、スライス間の水平オフセットはパラメータ「最初の仕上げカットオフセット」(FIRST_FINCUT_OFFSET) の値によって定義されます。
最終の仕上げカットオフセット
最終グループ内のカットスライス間の水平オフセットを指定します。デフォルトは 0 です。
最初の仕上げカットオフセット
最初のグループ内のカットスライスの間の水平オフセット、および最初のグループ内の最終スライスと最終グループ内の最初のスライスの間の水平オフセットを指定します。デフォルトは 0 です。最初のスライスの数としてゼロ以外の数値を設定した場合、値を指定します。
このパラメータグループの働きを次の例に示します。パラメータを次のように設定します。
NUMBER_LAST_FINPASSES 1
NUMBER_FIRST_FINPASSES 0
NUMBER_LAST_FINCUTS 3
NUMBER_FIRST_FINCUTS 2
ここでも同様に、工具はそれぞれパスを 1 つだけ含む、最初の 3 つのカットと最後の 2 つのカットを作成します。最終カットは軌道カーブに沿って実行され (「オフセット」(Offset)「左」(Left) に設定されている場合)、ほかのカットの位置はパラメータ「最終の仕上げカットオフセット」(LAST_FINCUT_OFFSET) および「最初の仕上げカットオフセット」(FIRST_FINCUT_OFFSET) に従ってそこから計算されます。
1. 軌道カーブ
2. 最初のカット
3. 最初の仕上げカットオフセット
4. 最後のカット
5. 最終の仕上げカットオフセット
「長さ比率」(PERCENT_LENGTH)
工具の制御点より下にあるテーパカット長さのパーセントを指定することで、工具に制御点メカニズムを提供します。0 から 1 の任意の数値を指定できます。0 は先端加工、1 はショルダー加工を意味します。中間の値は中間制御点を提供します。デフォルトは 0 です。