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ワークセンターの設定
加工機は次の要素によって識別されます。
「名前」(Name) - マシン名は、製造プロセスにおける加工機を識別します。デフォルトマシン名のフォーマットは MACH01、MACH02 で、数値は自動的に増分されます。任意の名前を入力できます。
加工機データをディスクに保存する際、マシン名がファイル名 (拡張子 .cel) として使用されます。
「タイプ」(Type) - マシンタイプはミルです。
「CNC 制御」(CNC Control) - コントローラ名 (オプション)。
「ポストプロセッサ」(Post Processor) - マシンに関連付けられているデフォルトのポストプロセッサの名前。テキストボックスに名前を入力します。
「ID」 - ポストプロセッサの ID をリストから設定します。ID は 1 から 99 の範囲で設定できます。
「軸数」(Number of Axes) - 「3 軸」(3 Axis) (デフォルト)、「4 軸」(4 Axis)、または「5 軸」(5 Axis)
「プローブを有効にする」(Enable probing) - NC セッション内で CMM ステップの定義を可能にします。CMM ライセンスを取得している必要があります。
「ミリングワークセンター」(Milling Work Center) ダイアログボックスの以下のタブで、加工機の以下のパラメータを指定できます。
「出力」(Output) タブ
「コマンド」(Commands) セクション
「FROM」 - FROM 文をオペレーション CL データファイルに出力する方法を指定します。
「出力しない」(Do Not Output) (デフォルト) - FROM 文を出力しません。FROM 点を指定した場合は、配置送りの際にその位置を GOTO 文として出力します。
「始点のみ」(Only at Start) - ファイルの先頭に FROM 文を出力します。これは、FROM 点の位置 (指定されている場合)、または最初の加工フィーチャーのツールパスの開始位置に対応します。その他のツールパスはすべて、FROM 文なしでオペレーションに追加されます。
「各ツールパス」(At Every Tool Path) - 加工フィーチャーの各ツールパスの先頭に FROM 文を出力します。最初のツールパスの場合、この FROM 文はオペレーションの FROM 点の位置 (始点を指定した場合)、またはこの加工フィーチャーのツールパスの開始位置に対応します。
「LOADTL」 - オペレーション CL データファイルの LOADTL コマンドの出力を制御します。
「モーダル」(Modal) (デフォルト) - 工具の変更が必要な場合にのみ、フィーチャーツールパスの CL データの先頭に「工具交換」(LOADTL) コマンドを出力します。
「非モーダル」(Not Modal) - 工具が同じであるか変更されたかにかかわらず、各フィーチャーツールパスの先頭に LOADTL 文を出力します。
「COOLNT/OFF」 - COOLNT/OFF 文の出力を制御します。
「出力」(Output) (デフォルト) - 各フィーチャーツールパスの最後に COOLNT/OFF 文を出力します。
「出力しない」(Do Not Output) - ファイルの最後に COOLNT/OFF 文を 1 回だけ出力します。
「SPINDL/OFF」 - SPINDL/OFF 文の出力を制御します。
「出力」(Output) (デフォルト) - 各フィーチャーツールパスの最後に SPINDL/OFF 文を出力します。
「出力しない」(Do Not Output) - ファイルの最後に SPINDL/OFF 文を 1 回だけ出力します。
「カッター補正」(Cutter Compensation) セクション
「出力点」(Output Point)
「工具中心」(Tool Center) - 工具の中心を基準にカッター位置 (CL) データを出力します。
「工具エッジ」(Tool Edge) - 工具のカッター刃先を基準にカッター位置 (CL) データを出力します。このオプションを選択した場合は、「許容半径」(Safe Radius) テキストボックスに必要な値を入力します。この値は安全に加工できる凹状コーナーの最小半径を表し、加工機の最大半径 (カッターの直径/2) よりやや大きくなければなりません。
凸状コーナーのコーナー条件オプションは、「コーナー調整」(Adjust Corner) ドロップダウンリストに表示されます。
「直線」(Straight) - 凸状コーナーを通過する際、2 つの直線セグメントが交差するまで延長され、ツールパスを形成します。
「フィレット」(Fillet) - 凸状コーナーを通過する際、円弧で結合された 2 つの直線セグメントがツールパスを形成します。
「自動」(Automatic) - 部品の外側コンターにあるすべての凸状コーナーでフィレットコーナー条件が追加され、内側コンターにあるすべての凸状コーナーでループコーナー条件が追加されます。
「プローブ補正」(Probe Compensation) セクション
このセクションは、CMM プローブを有効にした場合にのみ設定できます。
「出力点」(Output Point) - 以下のオプションがあります。
「スタイラス中心」(Stylus Center) - プローブ先端中心、つまりプローブスタイラス球の中心の座標値を基準にして、座標値を DMIS ファイルに出力します。
「接触点」(Contact Point) - 接触点の座標値を基準にして、座標値を DMIS ファイルに出力します。
「工具」(Tools) タブ
以下のオプションがあります。
「工具設定」(Tool Setup) - 「工具設定」(Tool Setup) ダイアログボックスが開き、加工機に関連付ける切削工具を設定できます。4 軸または 5 軸のミル-ターン加工では、切削工具設定ボタンが「ヘッド 1」(Head 1)「ヘッド 2」(Head 2) 用に分かれます。
「プローブ設定」(Probe Setup) - CMM プローブを有効にした場合にのみ使用できます。このボタンをクリックすると「プローブ設定」(Probe Setup) ダイアログボックスが開き、デフォルトのプローブまたはプローブライブラリのプローブを追加できます。
「工具変更時間」(Tool Change Time) - 工具変更に要する秒単位の所要時間 (オプション)。テキストボックスに値を入力するか、テキストボックスの横にある上矢印を使用して値を増やすか下矢印を使用して値を減らします。
「パラメータ」(Parameters) タブ
「最大速度」(Maximum Speed) - 加工機の最大許容回転速度 (オプション)。最大速度を RPM (分あたりの回転数) 単位で入力します。
「HP」(Horsepower) - スピンドル馬力 (オプション)。
「早送り」(Rapid Traverse) - 早送りの速度単位を指定します。次の値を指定できます。
「IPM」 (デフォルト) - インチ/分
「MMPM」 - mm/分
「FPM」 - フィート/分
「FPR」 - フィート/回転
「IPR」 - インチ/回転
「MMPR」 - mm/回転
「早送り速度」(Rapid Feed Rate) - 早送りに使用する送り速度の値を入力します (任意)。
「デフォルト」(Defaults) - サイトをワークセルに関連付けることができます。
「PPRINT」 - 「PPRINT」メニューが開き、PPRINT オプションを設定できるようになります。
「アセンブリ」(Assembly) タブ
「マシンアセンブリ」(Machine Assembly) - 加工機のツールモーションを表示しているときに、使用するマシンアセンブリを指定できるようにします。コンフィギュレーションオプション pro_mf_workcell_dir を使用して、マシンアセンブリファイルのデフォルトディレクトリを指定します。Creo NC では次の順序でマシンアセンブリファイルが検索されます。
デフォルトディレクトリ (設定されている場合)
デフォルトディレクトリが設定されている場合は、デフォルトディレクトリのすべての第 1 レベルサブディレクトリ。
カレントディレクトリ
モーションのキネマティックを有効にするには、マシンアセンブリの構成部品は互いにスライダーとピンだけで接続されている必要があります。つまり、構成部品間の相対モーションが定義されていなければならないということです。
マシンアセンブリの構成部品には、次のように名前を付ける必要があります。
"MACH_ZERO" という名前の座標系を使用して、マシンアセンブリの絶対基準を定義します。この座標系は、製造モデルのアセンブリに使用します。
"TOOL_POINT" という名前の座標系を使用して、マシンアセンブリのスピンドルのロード位置を定義します。
マシンアセンブリに表示されるソリッド工具モデルには、"TOOL_POINT" という名前の座標系を含む必要があります。この座標系は、ソリッド工具モデルのアセンブリに使用します。
www.ptc.com の NC Central Page から「PTC Knowledge Database」を開き、Machine Kinematics をキーワードにしてサーチすることで、基本的なマシンアセンブリのライブラリにアクセスできます。
 
*注記 マシンアセンブリの選択を解除するには、マウスポインタを 「マシンアセンブリ」(Machine Assembly) フィールドに合わせて右クリックし、「除去」(Remove) をクリックします。
「座標系」(Coordinate System) - マシンアセンブリの参照座標系を指定できるようにします。シミュレーションの実行中、座標系はマシンアセンブリで定義された MACH_POINT 座標系に整列します。座標系の選択を解除するには、このフィールドを右クリックして、表示されるコンテキストメニューで「除去」(Remove) をクリックします。
「トラベル」(Travel) タブ
X、Y、Z 軸に沿った加工機のトラベル限度とストロークを指定できます。「X 最小」(X min.)「X 最大」(X max.)「X ストローク」(X stroke)「Y 最小」(Y min)「Y 最大」(Y max)「Y ストローク」(Y stroke)「Z 最小」(Z min.)「Z 最大」(Z max.)「Z ストローク」(Z stroke) を指定できます。この値の指定は任意です。軸に沿ったトラベル限度の値は、プログラムゼロ座標系に対する加工機のワークスペース範囲を示す実際の寸法でなければなりません。
たとえば、加工機の幅が 60 インチでプログラムゼロ座標系の原点が両端の中間に位置している場合、次のいずれかの方法で加工範囲を指定できます。
「X 最小」(X min.) に -30、「X 最大」(X max.) に 30
「X 最小」(X min.) に -30、「X ストローク」(X stroke) に 60
「X 最大」(X max.) に 30、「X ストローク」(X stroke) に 60
「X ストローク」(X stroke) に 60
定義した加工機の範囲を超える加工フィーチャーの CL データを表示、またはその他の方法で出力すると、情報ウィンドウが表示され、超過した限界値と対応する実際の値が示されます。
同様に、プロセステーブルの「ステータス」(Status) 列にも加工機のオーバートラベルが示されます。ステップまたはオペレーションで使用されている加工機が指定の限度を超えてオーバートラベルした場合、プロセステーブル内のステップまたはオペレーションのステータスが「オーバートラベル」(Over Travel) または「オペレーション座標系を調整」(Adjust Oper CSYS) に変わります。
「サイクル」(Cycles) タブ
穴あけ加工のカスタムサイクルを設定できます。「追加」(Add) をクリックし、「サイクルのカスタマイズ」(Customize Cycle) ダイアログボックスのオプションを使用してカスタムサイクルを追加します。
「プロパティ」(Properties) タブ
「名前」(Name) - ワークセンターまたはワークセルの名前が表示されます。
「位置」(Location) - 加工機の位置を指定します。
「コメント」(Comments) - 加工機に関連付けるコメントをテキストボックスに入力するか、以下のオプションを使用します。
- ワークセンターのコメントが含まれている既存のテキストファイルを読み込んで、カレントのコメントから置き換えます。
- ワークセンターのコメントが含まれている既存のテキストファイルの内容をカーソル位置に挿入します。カレントのコメントは残ります。
- ワークセンターのカレントのコメントをテキストファイルに保存します。
- ワークセンターのカレントのコメントを確定します。