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「寸法」リボンタブについて
「寸法」(Dimension) タブは、新規作成した寸法を配置したとき、または既存の寸法を選択したときに表示されるコンテキストリボンタブです。「寸法」(Dimension) リボンタブには、選択した寸法のプロパティがリストされます。各種グループの下に表示されているコマンドを使用して、選択した寸法のプロパティを修正できます。
「寸法」(Dimension) リボンタブには次のグループがあります。
「参照」(References)
「参照」(References) グループのコマンドを使用することで、選択した寸法の作成に使用した参照を制御できます。
「参照」(References) ボタンをクリックします。「参照」(References) ダイアログボックスが開き、選択した寸法の作成に使用した参照の詳細が表示されます。選択した寸法の既存の参照を修正できます。
 
*注記 図面モードでは「参照」(References) ボタンは無効になっています。
寸法の参照を変更する方法については、寸法参照の再定義についてを参照してください。
「値」(Value)
「値」(Value) グループのコマンドを使用することで、寸法の名前と値を制御できます。
「名前」(Name) テキストボックスには、選択した寸法のシンボリック名が表示されます。寸法のこのシンボリック名を修正できます。
「基準値」(Nominal Value) テキストボックスには、選択した寸法の基準値が表示されます。1 つまたは複数の駆動寸法を選択した場合に基準値を修正できます。
「オーバーライド」(Override) チェックボックスを使用して、選択した寸法の基準値をオーバーライドできます。駆動寸法の場合、オーバーライド値は無効になります。寸法を 1 つ選択して「オーバーライド値」(Override Value) を指定すると、そのオーバーライド値が寸法値としてグラフィック領域に表示されます。
寸法のオーバーライド値を設定する方法については、寸法のオーバーライド値の設定についてを参照してください。
「公差」(Tolerance)
「公差」(Tolerance) グループのコマンドを使用することで、選択した寸法に適用される公差を制御できます。
「公差」(Tolerance) ボタンをクリックすると、選択した寸法に指定可能な公差モードがリストされます。「公差」(Tolerance) ボタンはデフォルトでは無効になっています。これを有効にするには、詳細オプション tol_display の値を yes に設定します。次のいずれかの公差モードを指定できます。
「基準値」(Nominal) - ANSI 規格と ISO/DIN 規格での寸法の基準値またはオーバーライド値が表示されます。
「基準」(Basic) - ANSI 規格と ISO/DIN 規格での寸法の基準値またはオーバーライド値が長方形の枠内に表示されます。
 
「基準値」(Nominal) および「基準」(Basic) 公差モードでは、公差フォーマットの詳細は無効になり、寸法とともに表示されることはありません。
寸法を同時に基準寸法および検査寸法として設定することはできません。「公差」(Tolerance) グループの「基準」(Basic)「表示」(Display) グループの「検査」(Inspection) オプションを同時に使用することはできません。
「制限値」(Limits) - 寸法値と現在の上側寸法許容差の合計が寸法上限として表示され、寸法値と現在の下側寸法許容差の合計が寸法下限として表示されます。
「+-」(Plus-Minus) - 寸法値とともに、公差の上側許容差と下側許容差が表示されます。
「対称」(Symmetric) - 寸法値とともに、上側と下側で等しい許容差を示す 1 つの公差値が表示されます。
 
*注記 「制限値」(Limits)「+-」(Plus-Minus)「対称」(Symmetric) 公差モードの場合、
ANSI 規格では、その他すべての公差フォーマットの詳細 (公差テーブル、クラス/グレード、値を表示) が無効になります。制限値、+-、対称モードでは、上限公差と下限公差が有効になります。上付き文字は対称モードでのみ有効になります。
ISO/DIN 規格では、「公差テーブル」(Tolerance Table) オプションを「なし」(None)「一般」(General)「ラウンド/面取り寸法」(Broken Edge) として設定し、公差フォーマットのその他の詳細も指定できます。さらに、「制限値」(Limits) および「+-」公差モードでは、シャフトまたは穴の公差が含まれている公差テーブルをロードした場合には「シャフト」(Shaft) または「穴」(Hole) オプションを使用できます。
「上付き文字」(Superscript) オプションは「対称」(Symmetric) 公差モードでのみ有効になります。
「公差値のみ」(Tolerance Value Only) オプションを使用することで、選択した寸法の寸法値の代わりに公差値のみを表示できます。
複数の寸法を選択した場合、公差値および公差フォーマットのその他すべての詳細には何も表示されません。
 
*注記 参照寸法、累進参照寸法など、参照タイプの寸法では「公差」(Tolerance) グループのすべてのコマンドが無効になります。
寸法公差の操作方法については、詳細図面での寸法公差についてを参照してください。
「精度」(Precision)
「精度」(Precision) グループのコマンドを使用することで、選択した寸法の寸法値と公差値の精度を定義できます。
「寸法を四捨五入」(Round Dimension) チェックボックスを使用して、寸法値を表示する際に丸めるかどうかを指定できます。駆動寸法の場合、小数と分数の寸法フォーマットの丸めを制御できます。これに対し、被駆動寸法の場合、小数フォーマットの丸めのみを制御できます。分数フォーマットの被駆動寸法では、丸めが必ず行われ、キャンセルすることはできません。
 
*注記 被駆動寸法の場合、寸法の丸めは単に表示を目的としたものであり、実際の寸法値は更新されません。したがって、丸められていない駆動寸法が丸められるとその値が変わるため、モデルの再生が必要になります。
このグループを使用することで、寸法値を丸める小数桁数を設定できます。Creo では、値の整数桁と小数桁を合わせて最大 13 桁の寸法値を表示できます。13 から寸法値の整数桁数を引いた数の小数桁を最大として寸法を表示できます。
分数フォーマットの寸法値では、丸めの分母の値として、事前に定義されている 0、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、または 1/128 を選択できます。
小数フォーマットと分数フォーマットの寸法公差値の丸めは、寸法値の丸めと同様に行われます。
 
*注記 参照寸法には公差値は適用されないので、参照寸法、累進参照寸法では「精度」(Precision) オプションが無効になります。そのような参照寸法すべてに、デフォルトの「寸法と同じ」(Same As Dim) オプションが表示されます。
寸法値の丸めおよび小数桁数の設定については、寸法の丸め値の表示についておよび寸法の小数桁数を設定するにはを参照してください。
「表示」(Display)
「表示」(Display) グループのコマンドを使用することで、寸法の表示を制御できます。
「方向」(Orientation) コマンドを使用することで、選択した寸法の回転方向を指定できます。「回転方向」(Orientation) ボタンをクリックすると、選択した寸法のタイプに応じて、対応する回転方向オプションのリストが表示されます。「回転方向」(Orientation) ボタンは寸法を 1 つ選択した場合にのみ使用できます。寸法の方向を指定する方法については、寸法の方向の変更についてを参照してください。
「円弧接続」(Arc Attachment) のオプションを使用することで、円弧または円をその参照として定義されている直線寸法の接続点の位置を設定できます。接続点を設定できるのは、選択した寸法がその 1 つ以上の参照として円弧、楕円円弧、円、または楕円上の正接点または中心点を使用して作成されている場合だけです。選択した参照上の寸法線の接続点を「最小」(Min)「最大」(Max)、または「中心」(Center) として、つまり円弧からの距離が最小または最大となる位置、あるいは円弧の中心として設定できます。円弧または円に定義されている直線寸法以外の寸法では、「円弧接続」(Arc Attachment) のオプションは無効になっています。
「表示」(Display) オプションを使用することで、選択した寸法のテキストの回転方向とコンフィギュレーションを指定できます。「表示」(Display) ボタンをクリックします。「表示」(Display) パネルが表示され、次のオプションを使用して選択した寸法の表示を制御できます。
「2 倍寸法値」(Double Value) - 選択した寸法の実際の値を 2 倍にした値を表示できます。このオプションは、2 つの直線エンティティ間に定義されている直線寸法と角度寸法でのみ使用できます。2 倍値の寸法は二重矢印によって示されます。
「検査」(Inspection) - 寸法値を楕円形の枠で囲むことによって、選択した寸法を検査寸法として表示します。
 
直線参照寸法、累進参照寸法では「検査」(Inspection) チェックボックスが無効になります。
寸法の公差モードを「基準」として設定し、同時に表示タイプを「検査」として設定することはできません。「公差」(Tolerance) グループで「基準」(Basic) オプションが選択されている場合には「検査」(Inspection) オプションが無効になり、「検査」(Inspection) オプションが設定されている場合には「基準」(Basic) オプションが無効になります。
「テキスト方向」(Text Orientation) - 寸法テキストの方向を寸法線に平行または水平にしたり、寸法引出線の上側または下側に配置したりできます。
「コンフィギュレーション」(Configuration) - 選択した寸法のコンフィギュレーションを設定できます。使用可能なコンフィギュレーションは、選択した寸法のタイプによって次のように異なります。
直線寸法 - 直線、中央引出線
直径寸法 - 直線、中央引出線、引出線
面取り寸法 - 直線、引出線
その他すべてのタイプの寸法では、このオプションは無効になっています。
「面取りテキスト」(Chamfer Text) - 選択した面取り寸法の面取り通知表示のフォーマットを定義できます。通知表示を「デフォルト」(Default)、「Dx45」、「Cd」、「45xD」、「カスタマイズ」(Customized)、または「D」として設定できます。
「累進スタイル」(Ordinate Style) - 選択した基準線を使用して作成されたすべての累進寸法と累進参照寸法の表示スタイルを定義できます。スタイルを「デフォルト」、「ANSI」、「ISO」、「JIS」、または「DIN」として設定できます。このオプションは、一連の累進寸法の作成に使用されている基準線寸法を選択した場合にのみ使用できます。
「ISO 公差の表示スタイル」(ISO Tolerance Display Style) - 選択した寸法の公差を ISO 規格に従って表示できます。
 
*注記 参照寸法、累進参照寸法ではこのオプションが無効になります。
「交差補助線を表示」(Enable Intersection witness lines) - 選択した直線寸法の参照ジオメトリの仮想交点における補助線の表示を制御できます。このオプションは直線寸法でのみ使用できます。
「矢印」(Arrow) セクションのオプションを使用して、選択した寸法の矢印スタイルとその方向を選択できます。
「矢印スタイル」(Arrow Style) - 選択した寸法の矢印スタイルを選択できます。
「矢印の方向」(Arrow Direction) - 「反転」(Flip) ボタンを使用して寸法矢印の方向を変更できます。「反転」(Flip) ボタンをクリックするたびに矢印の方向が切り替わります。
「寸法テキスト」(Dimension Text)
「寸法テキスト」(Dimension Text) グループのコマンドを使用することで、寸法テキストの表示を制御できます。「寸法テキスト」(Dimension Text) ボタンをクリックすると「寸法テキスト」(Dimension Text) パネルが表示され、そのオプションを使用して選択した寸法の表示を制御できます。
「接頭辞/接尾辞」(Prefix/Suffix) - 寸法の接頭辞と接尾辞のテキストを指定できます。
「基準ボックスから接頭辞/接尾辞を除外」(Exclude Prefix/Suffix from Basic box) - 寸法の公差モードが「基準」に設定されている場合にのみ使用できます。可能な場合には接頭辞と接尾辞のテキストを除外し、寸法テキストのみを長方形の枠内に表示するには、このオプションを選択します。このオプションを選択していない場合、寸法テキストとともに接頭辞と接尾辞が長方形の枠内に表示されます。
「寸法テキスト」(Dimension Text) - 寸法テキストを修正できます。
「シンボル」(Symbols) - シンボルを選択して寸法テキスト内または接頭辞や接尾辞のテキストに挿入できます。
複数の寸法を選択した状態で、寸法テキストを修正し、接頭辞と接尾辞を指定できます。選択されているすべての寸法が修正後の寸法テキストで更新され、指定した接頭辞と接尾辞のテキストが付きます。
「寸法フォーマット」(Dimension Format)
「寸法フォーマット」(Dimension Format) グループのコマンドを使用することで、寸法の表示フォーマットを小数または分数として指定し、角度寸法の単位を指定できます。
選択した直線または半径寸法の表示フォーマットを「小数点」(Decimal) または「分数」(Fractional) として指定できます。
「角度寸法単位」(Angular Dimension Units) - 選択した角度寸法の単位を「度」(Degrees)「度、分」(Degrees, Min.)、または「度、分、秒」(Degrees, Min., Sec) として指定できます。
複数の寸法を選択した場合、選択したフォーマットは選択したすべての寸法に適用されます。複数の角度寸法を選択した場合の単位にも同じことが当てはまります。
「デュアル寸法」(Dual Dimensions)
「デュアル寸法」(Dual Dimensions) グループのコマンドを使用することで、デュアル寸法の表示と精度を制御できます。
「デュアル寸法」(Dual Dimensions) - 選択したデュアル寸法の表示、順序、上下の並びを指定できます。主寸法と副寸法を積み重ねて表示するには「下」(Below) オプションを選択し、これらを一直線に並べて表示するには「右」(To Right) を選択します。
「精度」(Precision) - 副寸法とその関連公差の表示精度を指定できます。
 
*注記 参照寸法には公差値は適用されないので、参照寸法、累進参照寸法では「精度」(Precision) オプションが無効になります。
複数の寸法を選択した場合、「デュアル寸法」(Dual Dimension) グループのオプションが有効になり、いずれのオプションも選択されていない状態で表示されます。選択したオプションは、選択されているすべての寸法に適用されます。
デュアル寸法表示の操作方法については、図面にある既存のデュアル寸法をフォーマットするにはを参照してください。
「オプション」(Options)
「オプション」(Options) グループのコマンドを使用することで、図面に表示されるモデル駆動の寸法の位置を制御できます。
「依存」(Dependencies) - このオプションは図面モードでのみ有効になります。このオプションを使用することで、図面に表示されるモデル駆動の寸法の位置を制御できます。
「配置位置」(Placement Position) - 選択した寸法の配置位置を「モデル駆動」(Driven by model) として設定できます。
「接続」(Attachment) - 選択した寸法の接続点を「モデル駆動の参照」(References driven by model) または「モデル駆動の接続点」(Attach point(s) driven by model) として設定できます。
「指定」(Designation) - このオプションは図面モードでは無効になっています。このオプションを使用することで、アノテーション要素を制御特性として指定できます。
「指定」(Designate) - 選択した寸法のアノテーション要素を制御特性として指定するには「制御特性」(Control Characteristics) を選択します。モデルアイテムや、製造に必要な設計意図や重要製品情報などの制御特性を使用できます。Creo でモデルを実際に開くことなく、これらの制御特性をサーチして再使用できます。