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インポートしたモデルの Creo Elements/Direct Modeling への統合
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インポートしたモデルとは、他の CAD システムで作成または修正されたモデルです。
企業は自社の製品の全コンポーネントを内部でモデル化しているわけではありません。改訂するために外部にモデルを送信し、Creo Elements/Direct Modeling や同じ Creo Elements/Direct Model Manager データベースを使用していない下請け業者からモデルを受け取ることが頻繁にあります。こうした状況は、製品の設計過程を混乱させる原因になります。
なぜでしょうか。
CAD システムが異なる場合:
インポートしたモデルを Creo Elements/Direct Modeling にロードすると、Creo Elements/Direct Modeling で常にモデルは新しいモデルとして表示され、新しいモデル ID が割り当てられます。
下請け業者にモデルを送信した場合、この業者から戻ってきたリビジョンからは元のモデルの属性やプロパティが失われています。またリビジョン履歴も失われます。
定期的に下請け業者からモデルを受け取る場合、最初のモデルのリビジョンには、希望通りに新しいモデル ID が付けられます。しかし、Creo Elements/Direct Modeling によってこのモデルの以降のリビジョンは新しいモデルと解釈されるため、リビジョン履歴が失われます。
Creo Elements/Direct Model Manager データベースが異なる場合:
下請け業者がユーザと同じデータベースを使用していない場合、同じモデル ID が維持されますが、モデルに別のデータベース属性が割り当てられます。こうしたモデルを保存すると、ユーザのデータベースでは、このリビジョンが新しいリビジョンではなく、新しいモデルとして解釈されます。
「パーツ & アセンブリ」グループの「バージョン」ツールを使用して、パーツまたはアセンブリを Creo Elements/Direct Modeling および Creo Elements/Direct Model Manager データベースに統合します。
その他の CAD システムからパーツまたはアセンブリを統合するには
元のパーツまたはアセンブリのロードとバージョン付けを行うには
1. データベースから、参照 (元の) パーツまたはアセンブリをロードします。
2. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
3. 「バージョン作成」をクリックします。「バージョン作成」ダイアログボックスが開きます。
4. 参照パーツまたは参照アセンブリを次のように定義します。構造一覧でパーツまたはアセンブリを選択し、「参照」を選択します。
5. をクリックします。構造一覧で、参照パーツアイコン または参照アセンブリアイコン  または  のバージョンアイコンに変わります。
インポートしたパーツまたはアセンブリのロードとバージョン付けを行うには
1. インポートしたパーツまたはアセンブリをロードします。モデルをインポートすると、Creo Elements/Direct Modeling により、そのモデルがトップアセンブリに自動的にロードされます。このトップ アセンブリは、無視するか、構造一覧から削除してかまいません。
2. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
3. 「バージョン作成」をクリックします。「バージョン作成」ダイアログボックスが開きます。
4. 統合するパーツまたはアセンブリを定義します。構造一覧でパーツまたはアセンブリを選択し、「再統合」 を選択します。
5. をクリックします。構造一覧で、インポートしたパーツアイコン またはインポートしたアセンブリアイコン  または  のバージョンアイコンに変わります。
参照パーツおよびアセンブリと、インポートしたパーツおよびアセンブリを一致させるには
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一致させる必要のあるオブジェクトのシステム ID が同じである場合は、共有を回避するために、それらを「参照」および「再統合」としてマークする必要があります。
システム ID が異なる場合は、オブジェクトをマークする必要はありません。ただし、異なる場合でも、オブジェクトをマークすることを強くお勧めします。これを行わない場合 (特にアセンブリの場合)、すでに使用したサブアセンブリおよびパーツを追跡できなくなる可能性があります。
1. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
2. 「再統合」をクリックします。「再統合」ダイアログボックスが開きます。
3. パーツおよびアセンブリを一致させます。最初に個々のパーツを一致させ、次にサブアセンブリを一致させます。最後に、最上位アセンブリを一致させます。
a. 参照パーツを「参照」として選択します。
b. インポートしたパーツを「再統合」として選択します。
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大きなアセンブリで作業している場合、両方のアセンブリを別々のビューポートで表示することができます。「参照範囲」に元のアセンブリを、「作業範囲」にインポートしたアセンブリを選択します。これらを一致させると、Creo Elements/Direct Modeling で両方のビューポートから各パーツが削除されます。
4. パーツのプロパティを次のようにして一致させます。
Creo Elements/Direct Modeling により、参照パーツとインポートしたパーツのプロパティの相違が自動的に検出されます。次のような相違点が表示されます。
参照インスタンス名の転送: インポートしたパーツの名前 (構造一覧内での名前) が参照パーツの名前と一致していません。このオプションをチェックすると、参照パーツ名がインポートしたパーツに転送されます。
参照モデル名の転送:インポートしたモデルの名前 (固有の識別子) が参照モデルの名前と一致していません。このオプションをオンにすると、参照モデル名がインポートしたパーツに転送されます。
参照質量特性の転送: 参照パーツにのみ、質量特性が割り当てられています。このオプションをオンにすると、質量特性の値がインポートしたパーツに転送されます。
インポートした MP の削除: インポートしたパーツにのみ、質量特性が割り当てられています。このオプションをオンにすると、この質量特性の値が削除されます。
パーツの外観のプロパティを転送する場合は、手動でコピーする必要があります。
5. 「次へ」をクリックします。すべてのパーツとアセンブリが一致するまで、この操作を続けます。
6. 「OK」をクリックします。
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「アセンブリのプロパティ」ダイアログボックスで、再統合されたアセンブリのバージョンのタイプを確認できます。詳細については、 アセンブリ特性の設定を参照してください。
統合を終了するには
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データベース (Model Manager) にアセンブリを保存する前に、「オリジナル作成」コマンドを使用して、すべてのオブジェクトを元のオブジェクトとしてマークする必要があります。
1. 構造一覧で参照トップアセンブリの隣に が表示されなくなりますが、このアセンブリは Creo Elements/Direct Modeling により特定のバージョンとして識別されています。統合したモデルをデータベースに保存するには、このバージョン マーカを削除する必要があります。
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バージョンマーカを削除するには、「オリジナル作成」コマンドを使用します。
a. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
b. 「オリジナル作成」をクリックします。「オリジナル作成」ダイアログボックスが開きます。
c. 「参照」を選択します。
d. 「バージョン」に、参照最上位アセンブリを選択します。
e. をクリックして操作を終了します。
2. 新しいリビジョンをデータベースに保存します。
ほかのデータベースからパーツまたはアセンブリを統合するには
元のパーツまたはアセンブリのロードとバージョン付けを行うには
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アセンブリの統合中、
新規パーツは、所有するサブアセンブリとともに統合されます。
修正されたパーツは、データベース内のパーツを置き換えますが、システム ID などのプロパティは保持します。
未更新のパーツを統合してはなりません。
アセンブリを再統合する前に、未更新のパーツを、アセンブリで実際に使用するパーツに置き換える必要があります。
1. データベースから、参照 (元の) パーツまたはアセンブリをロードします。
2. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
3. 「バージョン作成」をクリックします。「バージョン作成」ダイアログボックスが開きます。
4. 参照パーツまたは参照アセンブリを次のように定義します。構造一覧でパーツまたはアセンブリを選択し、「参照」を選択します。
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アセンブリを選択してから「再統合」を選択すると、そのアセンブリのすべての子が再帰的にマークされます。
一般的には、統合するサブアセンブリの "最上位オーナ" を配置する必要があるだけです。その子の位置は、通常、再インポートされたモデルから取得される必要があります (請負業者がパーツの位置を変更した可能性がある)。
5. をクリックします。構造一覧で、参照パーツアイコン または参照アセンブリアイコン  または  のバージョンアイコンに変わります。
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「再統合」コマンドは、参照オブジェクトが、再統合されたオブジェクトと同じグローバル位置に配置されるようにします。再統合するオブジェクトは、再統合前に正しい参照位置に配置する必要があります。
再統合するパーツまたはアセンブリのロードとバージョン付けを行うには
1. パーツまたはアセンブリをロードします。
2. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
3. 「バージョン作成」をクリックします。「バージョン作成」ダイアログボックスが開きます。
4. 統合するパーツまたはアセンブリを定義します。構造一覧でパーツまたはアセンブリを選択し、「再統合」 を選択します。
5. をクリックします。構造一覧で、パーツアイコン またはアセンブリアイコン  または  のバージョンアイコンに変わります。
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「再統合」コマンドは、参照オブジェクトが、再統合されたオブジェクトと同じグローバル位置に配置されるようにします。再統合するオブジェクトは、再統合前に正しい参照位置に配置する必要があります。
パーツとアセンブリを一致させるには
1. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
2. 「再統合」をクリックします。「再統合」ダイアログボックスが開きます。
3. パーツおよびアセンブリを一致させます。最初に個々のパーツを一致させ、次にサブアセンブリを一致させます。最後に、最上位アセンブリを一致させます。
a. 参照パーツを「参照」として選択します。
b. インポートしたパーツを「再統合」として選択します。
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大きなアセンブリで作業している場合、両方のアセンブリを別々のビューポートで表示することができます。「参照範囲」に元のアセンブリを、「作業範囲」にインポートしたアセンブリを選択します。これらを一致させると、Creo Elements/Direct Modeling で両方のビューポートから各パーツが削除されます。
4. パーツのプロパティを次のようにして一致させます。
Creo Elements/Direct Modeling により、自動的に参照パーツと再統合パーツのプロパティの相違が検出されます。次のような相違点が表示されます。
参照インスタンス名の転送: 再統合するパーツの名前 (構造一覧内での名前) が参照パーツの名前と一致していません。このオプションをオンにすると、参照パーツ名が再統合するパーツに転送されます。
参照モデル名の転送:再統合したモデルの名前 (固有の識別子) が参照モデルの名前と一致していません。このオプションをオンにすると、参照モデル名が再統合するパーツに転送されます。
参照質量特性の転送: 参照パーツにのみ、質量特性が割り当てられています。このオプションをチェックすると、質量特性の値が再統合するパーツに転送されます。
再統合した MP の削除: インポートしたパーツにのみ、質量特性が割り当てられています。このオプションをオンにすると、この質量特性の値が削除されます。
パーツの外観のプロパティを転送する場合は、手動でコピーする必要があります。
5. 「次へ」をクリックします。すべてのパーツとアセンブリが一致するまで、この操作を続けます。
6. 「OK」をクリックします。
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「アセンブリのプロパティ」ダイアログボックスで、再統合されたアセンブリのバージョンのタイプを確認できます。詳細については、 アセンブリ特性の設定を参照してください。
統合を終了するには
1. 構造一覧で参照トップアセンブリの隣に が表示されなくなりますが、このアセンブリは Creo Elements/Direct Modeling により特定のバージョンとして識別されています。統合したモデルをデータベースに保存するには、このバージョン マーカを削除する必要があります。
a. 「構造」をクリックしてから「パーツ & アセンブリ」グループで 「バージョン」をクリックします。
b. 「オリジナル作成」をクリックします。「オリジナル作成」ダイアログボックスが開きます。
c. 「参照」を選択します。
d. 「バージョン」に、参照最上位アセンブリを選択します。
e. をクリックして操作を終了します。
2. 新しいリビジョンをデータベースに保存します。
統合のヒント
統合を行うと、元のパーツまたはアセンブリは、インポートしたモデルの位置に配置されます。元のモデルの位置を維持する場合は、再統合を行う前にインポートしたモデルを再配置する必要があります。
下請け業者が誤ってパーツまたはアセンブリを削除した場合は、参照のパーツまたはアセンブリを、インポートしたアセンブリで共有することができます。
下請け業者が不要なパーツまたはアセンブリを作成した場合は、インポートしたアセンブリから削除します。
制限事項
再統合はモデル間でパーツとアセンブリを一致させますが、特定の面、稜線、または頂点は一致しません。以下の制限事項があります。
ラベルドックプレーンリレーション、または集合体については、再統合の際に参照点が失われます。データを保持するには、再統合の前にデータを修正または再作成する必要があります。
ビューセット、リレーションアニメーション、干渉検出などいくつかの集合体は、再統合の際に失われます。これらの集合体は、集合体により異なるコマンドを使用して、手動で再作成または変換することができます。たとえば、ビューセットは「図面の付加」コマンドで変換できます。