リリースプロセスへの状態の追加
モデルまたは図面の状態の変更は、データ辞書、ACL (アクセス コントロール リスト)、DT_状態フロー (DT_STATEFLOW) プロセスにより制御されます。
リリース プロセスに状態を追加するには、以下を実行します。
Creo Elements/Direct Manager Server Client での作業
データ辞書に状態属性の新しい状態を追加する。
該当する ACL (アクセス コントロール リスト) を更新する。
DT_状態フロー ユーザ テーブルに状態を追加する。
カスタム xml ファイルでの作業
<ReleaseProcess> 定義が DT_状態フローに対する変更と同期していることを確認する。
データ辞書への新しい状態の追加
Design Management スキーマでは、DT_DD状態 (DT_DD_STATE) データ辞書に状態属性の値が含まれます。デフォルト値は以下のとおりです。
approved
archived
承認待ち
locked
released
work
新しい状態を追加するには、このデータ辞書にエントリを追加します。
ACL (アクセス コントロール リスト) の更新
ACL では、現在の状態 -> 新しい状態および他の状態 -> 現在の状態パーミッションにより、ユーザが状態を変更できるかどうかを制御します。
DT_文書要素ACL (DT_DOC_ELEM_ACL) はモデルおよび図面の状態変更パーミッションを制御します。
DT_パーツ要素ACL (DT_PART_ELEM_ACL) は部品の状態変更パーミッションを制御します。
該当する ACL で、新しい状態への変更と現在の状態への変更が可能なユーザの定義を追加します。すべての権限を持つ 管理者 パーミッションを付与することをお勧めします。
DT_状態フロー テーブルへの状態の追加
DT_状態フロー (DT_STATEFLOW) データベース クラスには、利用できる元の状態と変更後の状態のリストを含めます。Creo Elements/Direct Model Manager はこのクラスを使用して、状態変更の選択リストを作成します。たとえば、元の状態が「ワーク」であるエントリが複数存在する場合、ACL で許可されている変更後の状態がすべて選択リストに表示されます。状態順序 (STATE_ORDER) 属性は、変更後の状態を選択リストに表示する順序を定義します。各エントリは定義された ACL と連携して、有効な状態変更をリストに表示します。
DT_状態フローは、次のような DT_状態フロー要素の属性により、利用できる状態のリストを制御します。
ACL名
このエントリは、この要素 ACL を持つすべての要素に影響します。
ユーザグループ
このエントリのユーザ グループ。
元状態
このエントリの元 (現在) の状態を指定します。
宛先状態
このエントリの変更後の状態を指定します。
状態順序
複数の変更後の状態が利用できる場合、このパラメータで状態変更選択リストに表示する順序を指定します。
デフォルトの状態順序は次のとおりです。
状態順序
変更後の状態
10
work
20
approved
30
released
40
archived
50
locked
DT_状態フローユーザテーブル
エントリを追加するには、次の手順を実行します。
1. medmgr でログインします。
2. medmgr のパケットを開きます。パケット内に新しい要素を作成する必要があります。作成した後、medmgr パケットからこの新しい要素を削除できます。
3. CLASS_TYPE が GENERAL で、クラスが DT_STATEFLOW の要素を作成します。
エントリを追加したら、medmgr パケットから新しい要素を削除できます。
カスタマイズの例:アーカイブ状態の動作
一度にリリースできるのは、特定の要素の 1 バージョンのみです。以前のリリースバージョンは自動でアーカイブに変更されます。アーカイブ状態は単なる状態であり、ドキュメントファイルのアーカイブプロセスには関連していません。標準の設定では、アーカイブ状態の要素を他の状態に戻すことはできません。
要素の状態をアーカイブからリリースに戻すには、次のエントリを DT_状態フローに追加します。DT_文書要素ACL を変更し、リリース者にアーカイブ状態での現在の状態 -> 新しい状態パーミッションを与える必要があることにも注意してください。
UNIQUE_ID_STRING
OWNER
STATE_ORDER
DT_DOC_ELEM_ACL
Releasers
archived
released
medmgr
30
カスタマイズの例:非公開状態の作成
非公開状態を設定すると、設計者は他の人に設計を見せずに作業を実施できます。この例でのアクセス制限は以下のとおりです。
設計者グループのユーザのみが、そのグループで作成した (オーナである) CAD データを非公開状態に移行できます。
オーナのみが、データを非公開状態から移行できます。
非公開状態のデータは、ワークの状態にのみ移行できます。
SYSADMIN グループのメンバは、すべての権限を持ちます。
その他のユーザは、非公開状態のデータに対し、検索、ロード、状態の変更などの操作を実行できません。
非公開状態を作成する方法は次のとおりです。
1. DT_DD 状態データ辞書の状態のリストに private を追加します。
2. 以下のユーザと状態を DT_文書要素ACL に追加します。
OWNER
ユーザ/グループ/ロール名: OWNER
状態: private
パーミッション: すべての要素パーミッションを選択し、ほかのパーミッションは選択しません。
SYSADMIN
ユーザ/グループ/ロール名: SYSADMIN
状態: private
パーミッション: すべての要素パーミッションを選択します。
3. 以下の DT_状態フロー要素を追加します。
デザイナにワークから非公開への変更を許可
ACL 名: DT_DOC_ELEM_ACL
ユーザグループ: designers
元状態: work
宛先状態: private
状態順序: 5
デザイナに非公開から作業中への変更を許可
ACL 名: DT_DOC_ELEM_ACL
ユーザグループ: designers
元状態: private
宛先状態: work
状態順序: 8
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