エンタープライズ管理 > Windchill のエクスポートとインポート > PTC Windchill PLM Connector - Creo Packages Administrator's and User's Guide > Creo Packages > Creo Packages を使用するにあたって > Creo Packages を使用したコラボレーション
  
Creo Packages を使用したコラボレーション
Creo Packages は、2 つ以上の PLM システムで Creo Parametric データを共有するための、読み取り専用のコラボレーション方法をサポートします。これにより、PLM コンテンツ管理システムの信頼性を低下させることなく、ソースおよびターゲット PLM システム間で Creo Parametric 設計データを交換できます。
コラボレーションは、元のオブジェクトのオーナーが、そのオブジェクトのオーナーシップを新規ユーザーに移譲する場合にも発生します。このコラボレーションは、別の PLM システム間か同じ PLM システム内で行えます。オーナーシップ転送のプロセス中に、元のオーナーは、Creo Parametric データの新しいソース PLM システムとして認識される新しいオーナーに、そのデータのオーナーシップを譲ります。
* 
プライベートチェックアウトコピーの存在は Creo パッケージのインポートに影響しません。プライベートで修正した CAD コンテンツのコピーをコラボレーションに使用する場合、標準チェックアウトに進んでコンテンツをマージするためには、同じもののオーナーシップを持っている必要があります。
製品が複数の PLM システムで共同設計される場合
一般的な使用例は、複数の PLM システムにより製品が共同設計されている場合です。ある PLM システムがトップアセンブリを担当し、別の PLM システムがサブアセンブリの 1 つを担当する場合もあります。読み取り専用のコラボレーションは、オーナー PLM システムだけがそれぞれの Creo Parametric データを更新するという想定に基づきます。
たとえば、自転車の開発会社が、自転車の駆動系 (ギヤや変速機など) を製造している外部設計パートナーと共同作業している場合を考えます。
自転車会社と駆動系メーカーは次のプロセスに従い、Creo Packages を使用して設計プロジェクトをコラボレーションします。
ステップ
自転車会社
駆動系パートナー
ステップ 1 - コラボレーションで使用するデータの選択
基本的な自転車のアセンブリを作成し、自社の PLM システムに保存します。これには、自転車のすべてのインタフェースポイントを提供するスケルトンなどが含まれます。
基本ジオメトリを使用して、主要なインタフェースポイントを含む駆動系サブアセンブリを 1 つ以上作成し、自社の PLM システムに保存します。
ステップ 2 - コラボレーションを確立するための 1 回目のデータ交換
Creo Packages を使用して駆動系サブアセンブリをエクスポートし、エクスポートしたパッケージを自転車会社に送信します。
ステップ 3
Creo Packages を使用して、駆動系サブアセンブリを自転車会社の PLM システムにインポートします。
* 
インポートした駆動系サブアセンブリは、自転車会社の PLM システムでは読み取り専用になります。
ステップ 4
駆動系サブアセンブリを自転車アセンブリに追加します。
* 
インポートした駆動系サブアセンブリは、自転車アセンブリに追加する際に修正されません。
ステップ 5
Creo Packages を使用して、駆動系サブアセンブリと、インポートした駆動系サブアセンブリの参照を含む自転車アセンブリをエクスポートし、駆動系パートナーに送信します。
ステップ 6
Creo Packages を使用して、自転車アセンブリを駆動系サブアセンブリの参照とともにインポートします。
* 
駆動系サブアセンブリは、駆動系パートナーの PLM システムにすでに存在しているためインポートされません。
ステップ 7 - 作業進行中
変更や新規サブコンポーネントの追加を行い、自転車アセンブリの開発を続行します。
変更や新規サブコンポーネントの追加を行い、駆動系サブアセンブリの開発を続行します。
ステップ 8 - 定期的な更新の交換
自転車アセンブリの更新 (増分パッケージ) を定期的に送信します。
駆動系サブアセンブリの更新 (増分パッケージ) を定期的に送信します。
製品が複数の PLM システムで共同設計され、最終的にオブジェクトオーナーシップ転送が行われる場合
一般的な使用例は、複数の PLM システムにより製品が共同設計されている場合です。ある PLM システムがトップアセンブリを担当し、別の PLM システム (ODM) が 1 つ以上のサブアセンブリを担当する場合もあります。読み取り専用のコラボレーションは、オーナー PLM システムだけがそれぞれの Creo Parametric データを更新するという想定に基づきます。
元の PLM システムのオーナーが、設計または製品のオーナーシップを別の PLM システムの設計パートナーまたはサプライヤに転送し、新しいオーナーがその設計または製品に関するオーナーシップの責任をすべて引き受けることで、集合的な意思決定が行われます。
たとえば、自転車の開発会社が、自転車の駆動系 (ギヤや変速機など) を製造している外部設計パートナーと共同作業している場合を考えます。自転車の設計が進行している間、外部設計パートナーは駆動系サブアセンブリの更新を自転車会社に提供します。
自転車会社と駆動系メーカーは次のプロセスに従って駆動系サブアセンブリの設計を開始および完了し、最終的に駆動系パートナーが駆動系サブアセンブリのオーナーシップを自転車会社に転送します。
ステップ
自転車会社 (OEM)
駆動系パートナー (ODM)
ステップ 1 - コラボレーションで使用するデータの選択
基本的な自転車のアセンブリを作成し、自社の PLM システムに保存します。これには、自転車のすべてのインタフェースポイントを提供するスケルトンなどが含まれます。
基本ジオメトリを使用して、主要なインタフェースポイントを含む駆動系サブアセンブリを 1 つ以上作成し、自社の PLM システムに保存します。
ステップ 2 - コラボレーションを確立するための 1 回目のデータ交換
Creo Packages を使用して駆動系サブアセンブリをエクスポートし、エクスポートしたパッケージを自転車会社 (OEM) に送信します。
ステップ 3
Creo Packages を使用して、駆動系サブアセンブリをソース PLM システムにインポートします。
* 
インポートした駆動系サブアセンブリは、自転車会社のソース PLM システムでは読み取り専用になります。
ステップ 4
Creo Packages を使用して、駆動系サブアセンブリを自転車アセンブリに追加します。
* 
インポートした駆動系サブアセンブリは、自転車アセンブリに追加する際に修正されません。
ステップ 5
Creo Packages を使用して、インポートした駆動系サブアセンブリの参照を含む自転車アセンブリをエクスポートし、エクスポートしたパッケージを駆動系パートナー (ODM) に送信します。
ステップ 6
Creo Packages を使用して、自転車アセンブリを駆動系サブアセンブリの参照とともにインポートします。
* 
駆動系サブアセンブリは、駆動系パートナーの PLM システムにすでに存在しているためインポートされません。
ステップ 7 - 作業進行中
変更や新規サブコンポーネントの追加を行い、自転車アセンブリの開発を続行します。
変更や新規サブコンポーネントの追加を行い、駆動系サブアセンブリの開発を続行します。
ステップ 8 - 定期的な更新の交換
Creo Packages を使用して、自転車アセンブリの更新 (増分パッケージ) を定期的に駆動系パートナー (ODM) に送信します。
Creo Packages を使用して、駆動系サブアセンブリの更新 (増分パッケージ) を定期的に自転車会社 (OEM) に送信します。
ステップ 9 - ODM から OEM にオーナーシップを転送するためのコラボレーション
駆動系パートナー (ODM) とコラボレーションして、駆動系サブアセンブリのオーナーシップの権利を取得します。
自転車会社 (OEM) とコラボレーションして、駆動系サブアセンブリのオーナーシップの権限を移譲します。
ステップ 10 - ODM パートナーによるオーナーシップ転送の開始
Creo Packages を使用して、オーナーシップ転送パッケージを自転車会社 (OEM) に送信します。
ステップ 11 - OEM によるオーナーシップ転送パッケージの承認とインポート
Creo Packages を使用して、オーナーシップ転送パッケージを受信し、ソース PLM システムにインポートします。
ステップ 12 - OEM から ODM への受信承認の送信
Creo Packages を使用して、受信パッケージ (マスター同期パッケージ) を駆動系パートナー (ODM) に送信します。
ステップ 13 - ODM での受信承認の受信とインポート
Creo Packages を使用して、自転車会社 (OEM) から送信された受信パッケージ (マスター同期パッケージ) を受信およびインポートします。
ステップ 14 - OEM および ODM からの、オーナーシップパッケージ (マスター同期パッケージ) の受信承認の送信
新しいオーナー (自転車会社) はマスター同期パッケージを、自転車アセンブリを受信するほかのすべての PLM システムに送信します。
元のオーナー (駆動系パートナー) はマスター同期パッケージを、駆動系サブアセンブリを受信するほかのすべての PLM システムに送信します。