リモートファイルサーバーの設定
コンテンツレプリケーションを実行するには、マスターサイトとファイルサーバーサイトに対して次の手順を実行する必要があります。
ここでは、マスターサイトとファイルサーバーサイトに対する主要なインストール後の手順について説明します。詳細な手順については、次の対応セクションを参照してください。
1. 次のいずれかを実行します。
◦ オプション A - ファイルサーバーをマスターサイトに登録します。
◦ オプション B - マスターサイトにリモートサイト表現を作成します。
2. リモートホスト、ボルト、およびフォルダを作成します。
3. フォルダをマウントして有効にします。
4. リモートサイトを起動します。
前述の手順の実行後、設定エラーを解決するために役立つトラブルシューティングセクションが表示されます。
ステップ 1、オプション A: ファイルサーバーをマスターサイトに登録
> > の順に選択し、
「ファイルサーバー管理」ユーティリティを使用してファイルサーバーを登録します。詳細については、
マスターサイトでの新規ファイルサーバーの登録を参照してください。
ステップ 1、オプション B: マスターサイトにリモートサイト表現を作成
1. マスターサイトで、
「サイト」、
「ライブラリ」、および
「製品」から、 > > の順に選択します。
「サイト管理」ウィンドウが表示されます。
| 「サイト管理」ウィンドウでは、現在接続しているサイトのサイト名の後ろに「(マスター)」というラベルが表示されます。システムソフトウェアでは、自動的に生成されて「(マスター)」というラベルが付いたサイトは、wt.properties ファイルで wt.httpgw.url.anonymous プロパティの値を変更した後も必ず、引き続きその役割を実行します。この自動生成されたサイトの URL は、wt.properties ファイルの wt.httpgw.url.anonymous プロパティの値です。値が変更されると、新しい URL がそのサイトに割り当てられ、警告メッセージがマスターサイトコンソールに表示されます。このサイトを設定するには、「更新」をクリックします。 |
2. 「サイト管理」ウィンドウで、「新規」をクリックします。「新規サイト」ウィンドウが開きます。
3. 以下の情報を入力します。
フィールド | 説明 |
サイト名 | サイト名は一意でなければなりません。この文字列は大文字と小文字が区別されません。また、スペースを含めることはできません。ファイルサーバーサイトは、すべてのマスターサイトに同じ名前で認識される必要があります。 「サイト管理」ウィンドウでは、現在接続しているサイトのサイト名の後ろに「(マスター)」というラベルが表示されます。 |
URL | URL を入力します。この URL は、マスターサイトがファイルサーバーサイトにアクセスできるものにする必要があります。 URL は、作成するサイトの wt.properties ファイルに記述されている wt.httpgw.url.anonymous プロパティの値です。これは Windchill サイトの匿名ゲートウェイの URL です。この URL が、現在接続中の Windchill サイトの URL と同じである場合、「(マスター)」というラベルが「サイト管理」ウィンドウでサイト名に続いて表示されます。 |
サイトタイプ | 「ファイルサーバー」チェックボックスをオンにします。 「マスター」オプションと「ファイルサーバー」オプションは、サイトがレプリケーションで使用する役割を指定します。これらのオプションを両方とも選択するか、一方のみを選択するか、どちらも選択しないかを決定します。 |
コンテキスト | 「選択」をクリックして「コンテキストを選択」ウィンドウを開きます。このウィンドウには、すべてのコンテキストがリスト表示されます。コンテキストを選択して、「OK」をクリックします。 | このフィールドは、サイトおよび組織レベルでのみ使用します。選択した後は、コンテキストを更新できません。 |
|
説明 | サイトの説明を入力します。最大 200 文字まで入力できます。 |
プリンシパル | 「選択」をクリックして「プリンシパルを選択」ウィンドウを開きます。「グループ」タブと「ユーザー」タブのフィールドを使用して、新規サイトのプリンシパルを選択します。 |
サイト近接 | 作成中または更新中の現在のサイトに近接する順序にサイトを移動できます。 左のボックスには、すべてのサイトがリストされます。「>>」と「<<」を使用して、このボックスから右側のボックスへサイトを移動します。右側のボックスは、ほかのサイトから新規サイトへの近接度を示しています。リストの一番上にあるサイトは新規サイトへの近接度が最大です。「上へ移動」、「下へ移動」、「トップ」、「ラスト」を使用して、サイトの順序を変更できます。 |
4. 「OK」をクリックします。
| 新規サイトは、「サイト管理」ウィンドウの「サイトのリスト」テーブルに表示されます。 |
既存のサイトを更新する必要がある場合は、「サイト管理」ウィンドウでサイトを選択して、「更新」をクリックします。
ステップ 2: リモートホスト、ボルト、およびフォルダを作成
レプリケーションで使用するホスト、ボルト、フォルダを作成します。最初にホストを作成し、次にボルト、その後でフォルダを作成する必要があります。
フォルダを作成してマウントする前に、リモートサイト上にフォルダを手動で作成する必要があります。このフォルダには、マスターサイトから読み取り/書き込みができるようにする必要があります。このステップを開始する前に、次の手順に従って作成する各ファイルボルト内に、フォルダを 1 つ以上作成する必要があります。このフォルダはこの時点で作成してください。
| 各フォルダは、一意の物理的な場所にマウントする必要があります。これを行わないと、データが永久に失われます。 |
リモートホスト、ボルト、フォルダは、
「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで作成します。このウィンドウを開くには、
「サイト」、
「ライブラリ」、および
「製品」から、 > > の順に選択します。
リモートホストの作成
ホストを作成すると、サイトがネットワーク上のホストに関連付けられます。
ホストは、Windchill メソッドサーバーが起動するネットワーク上のマシンで、コンテンツファイルの保存に使用できます。メソッドサーバーは異なるホスト上で動作する場合があるので、各フォルダにはホストごとに別のマウントが必要です。そうでない場合は、パスが同じになりません。しかし、特定のフォルダに対するすべてのマウントの場所は同じはずです。
| システムでは、ホストについて入力された DNS 名が有効かどうかはチェックしません。 |
ホストを作成するには、以下の手順を実行します。
1. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで、 > > の順に選択します。「新規ホスト」ウィンドウが開きます。
2. 「ホスト名」フィールドにホストの一意の DNS 名を入力します (名前に空白文字は使用できません)。このホスト名は、次のどちらかの方法で確認できます。
◦ ServerManager または MethodServer ログで次のような行を見つける。
ServerManager log
<DATE> INFO [main] wt.server.manager.startup - java.rmi.server.hostname:
<Host Name>
MethodServer log:
<DATE> INFO [main] wt.method.server.startup - java.rmi.server.hostname:
<Host Name>
◦ 次のコマンドを実行して java.rmi.server.hostname の値を取得する。
windchill wt.util.jmx.WTPropEval java.rmi.server.hostname
| 入力した DNS 名が有効な DNS 名かどうかは、システムでは確認されません。 |
3. 「サイト」リストでリモートサイトを選択します。
4. 「OK」をクリックします。
リモートボルトの作成
ボルトはフォルダの論理的なコンテキストであり、それぞれがホストマシン上の格納場所を表します。リモートボルトは、マスターサイトではなくファイルサーバー上にあるボルトです。コンテンツレプリケーションでは、リモートサーバーごとに 1 つのボルトを使用してください。
| ファイルサーバーサイトにキャッシュボルトを作成すると、リモートユーザーはこのボルトにコンテンツをより速くアップロードできるので、そのようにすることをお勧めします。ただし、Windchill ファイルサーバー上にキャッシュボルトがなくても、そのサイトにコンテンツをレプリケーションできます。 |
ファイルボルトを作成するには、次の手順を実行します。
1. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで、 > > の順に選択します。「新規ボルト」ウィンドウが開きます。
2. 以下の情報を入力します。
フィールド | 説明 |
サイト | リストからファイルサーバーを選択します。 |
名前 | ボルト名を入力します。すべてのサイトで定義されているほかのボルトと重複しない名前を指定する必要があります。 |
ボルトタイプ | 以下のいずれかを選択します。 • 「マスターボルト」- コンテンツファイルの (リボルトされた) マスターコピーを保存します。 • 「レプリカボルト」- レプリカのコンテンツファイルを保存します。 • 「キャッシュボルト」- 永久的な保存先にリボルトされるまで、アップロードされたファイルを一時的に保存します。このボルトタイプを選択した場合、サイトのローカルキャッシュボルトとして使用されます。1 つのサイトで使用できるキャッシュボルトは 1 つだけです。 • メインサイトとファイルサーバーサイトの両方で、すべてのボルトタイプがサポートされています。 | ボルトは、作成時にデフォルトで有効に設定されます。 |
|
デフォルトのシステムターゲット (マスタボルトの場合) またはサイトのデフォルトターゲット (レプリカまたはキャッシュボルトの場合) | このチェックボックスをオンにすることは可能ですが、自分で直接オフにすることはできません。サイトのデフォルトターゲット (レプリカまたはキャッシュボルト) あるいはデフォルトのシステムターゲット (マスタボルト) は必ず指定する必要があるので、別のボルトをデフォルトターゲットとして指定すると、このチェックボックスが自動的にオフになります。 どのサイトにも、デフォルトターゲットであるボルトが 1 つ存在している必要があります。 マスターサイトだけがデフォルトのシステムターゲットボルトを持つことができます。 マスターボルトがデフォルトのシステムターゲットとして指定されていて、wt.fv.useVaultsForAllContent プロパティが真の場合、リボルト規則外のコンテンツでリボルト操作を行うと、そのボルトが指定先となります。 レプリカまたはキャッシュボルトがサイトのデフォルトターゲットとして設定されている場合、ターゲットボルトを明示的に指定しないときは、そのボルトがレプリケーション操作のターゲットとなります。 |
読み取り専用 | このチェックボックスをオンにしないでください。オンにすると、アップロードまたはレプリケーションされたコンテンツファイルの保管にボルトが使用できなくなります。 |
フォルダの自動作成 | このチェックボックスは、オンのままにしておきます。このチェックボックスがオンの場合、既存のフォルダの最大容量 (ファイル数) に達した時点で新しいフォルダが自動的に作成されます。このチェックボックスはデフォルトでオンになっています。 | このオプションを使用するには、ルートフォルダを手動で作成してマウントしておく必要があります。 |
|
古いコンテンツの自動クリーンアップ | このオプションは、レプリカボルトとキャッシュボルトのみで使用できます。 |
| このチェックボックスは、必要に応じてオンにします。このチェックボックスがオンの場合、「レプリカボルトの自動クリーンアップ」ウィンドウで指定した規則とスケジュールに従って、このボルトが自動的にクリーンアップされます。 |
3. 「OK」をクリックします。
| コンテンツレプリケーションでは、Windchill ファイルサーバーごとに 1 つのキャッシュボルトを作成できます。 |
リモートフォルダの作成
フォルダを作成すると保存先が設定され、その場所がボルトに関連付けられます。
| ファイルサーバーサイトにキャッシュボルトを作成してください。このボルトを使用すれば、リモートユーザーによるコンテンツのアップロード時間を大幅に短縮できます。ただし、Windchill ファイルサーバー上にキャッシュボルトがなくても、そのサイトにコンテンツをレプリケーションできます。 |
フォルダを作成するには、次の手順に従います。
1. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで、 > > の順に選択します。「新規フォルダ」ウィンドウが表示されます。
2. 「名前」フィールドに一意のフォルダ名を入力します。
3. 「ボルト」リストでボルトを選択します。
| 「読み取り専用」チェックボックスはオンにしないでください。オンにすると、アップロードまたはレプリケーションされたコンテンツファイルの保管にフォルダが使用できなくなります。 |
4. 「OK」をクリックします。
ステップ 3: フォルダをマウントして有効化
サイトのボルトおよびフォルダを定義し、そのホストを指定したら、コンテンツがレプリケーションされるストレージパーティションの場所を指定する必要があります。指定するには、サイトのフォルダとホストの組み合わせごとにマウントを定義します。
フォルダをマウントするには、次の手順を実行します。
1. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウの左側の表示枠で、フォルダを格納したキャビネットを展開して、フォルダを選択します。
2. > の順に選択します。「新規マウント」ウィンドウが開きます。
3. 「ホスト」リストからホストを選択します。
4. 「パス」フィールドで、フォルダパスを指定します。
5. 「OK」をクリックします。
6. フォルダを選択して、 > の順に選択します。「フォルダを更新」ウィンドウが開きます。
7. 「有効」チェックボックスをオンにして、「OK」をクリックします。
ステップ 4: リモートサイトを起動
リモートサイトサーバーの起動は、標準の Windchill サーバーの起動とほとんど同じです。
リモートサイトを起動するには、次の手順に従います。
1. リモートサイトコンピュータの Web サーバー、サーブレットエンジン、およびメソッドサーバーを起動します。
2. 以下のいずれかの方法で、Windchill を起動します。
◦ MS-DOS のコマンドプロンプトを使用して、<Windchill>/bin ディレクトリで次のコマンドを入力します。
windchill start
◦ Windows の「スタート」メニューで、 > > の順に選択します。
設定のトラブルシューティング
このセクションでは、Windchill コンテンツレプリケーションに関連する wt.properties ファイルのプロパティとサービスについて説明します。レプリケーションの設定にエラーがある場合は、サービスによって作成されるログファイルからトラブルシューティングの情報を得ることができます。ログファイルには、マスターサイトとリモートサイト間のすべての操作が記録されます。一部のエラーについては、ログファイルに問題を解決するための提案が示されています。
設定を確認するには、次の手順に従います。
1. マスターサイトの wt.fv および wt.fv.master パッケージの詳細ログを有効にし (wt.fv.verbose=true wt.fv.master.verbose=true)、リモートサイトの wt.fv.replica パッケージの詳細ログを有効にします (wt.fv.replica.verbose=true)。
2. レプリカフォルダが読み取り専用になっていないことと、それらが有効になっていることを確認します。
3. リモートサイトのメソッドサーバーを再起動します。
起動の直後、ログファイルに、リモートサイトがマスターサイトからの設定を要求したことを示す行が記録されます。数行下に、設定の受信を示すレスポンスメッセージがあります。この設定が有効であることを確認します。
4. マスターサイトのメソッドサーバーを再起動します。
起動の直後、ログファイルに、マスターサイトがリモートサイトの設定を更新しようとしたことを示す行が記録されます。リモートサイトの MethodServer.log ファイルで、設定が受信されたことを確認します。
サービスの手動設定
ファイルサーバーリモートサイトでは、リモート Windchill サイトは Oracle のインスタンスにアクセスできず、最小限のサービスのセットで実行されます。コンテンツレプリケーションに必要なサービスのみが起動されます。
通常の 67 以上のサービスではなく、レプリケーションに関する 5 つのサービスのみが設定されます。サービスセクションに次の設定が含まれていることを確認します。
wt.services.service.1=wt.fv.replica.ReplicaService/wt.fv.replica.StandardReplicaService
wt.services.service.2=wt.fv.replica.ReplicaServiceSvr/wt.fv.replica.StandardReplicaService
wt.services.service.3=wt.wrmf.delivery.ShippingService/wt.wrmf.delivery.StandardShippingService
wt.services.service.4=wt.wrmf.delivery.ReceiverService/wt.wrmf.delivery.StandardReceiverService
wt.services.service.5=wt.wrmf.transport.GenericTransportService/wt.wrmf.transport.StandardGenericTransportService
メソッドサーバーおよびサーバーマネージャが、この時点で正常に起動されている必要があります。メソッドサーバーが起動したときに通常表示される POM メッセージは表示されず、サーバーマネージャでの登録は、Windchill の完全インストールよりも大幅に速くなります。