静解析の概要
説明
指定された荷重に対し、指定された拘束条件でのモデルの変形、応力、歪みを計算するために使用します。
静解析により、モデルの材料が応力に耐えるか、部品が壊れるか (応力解析)、どこで部品が壊れるか (歪み解析)、モデルの形状がどれだけ変化するか (変形解析)、および接触への荷重の影響 (接触解析) がわかります。
静解析は、モデルに対する荷重などの境界条件が時間の経過に伴って変化しない場合、または荷重の周波数が構造の最低固有振動数の約 1/3 より少ない場合に実行します。
通常は、静解析によって応力や変位に関する興味深い結果が得られます。
• 部品の応力がある値を超えると、この部品に障害が発生します。応力結果の解釈は、材料のタイプや荷重の性質に応じて異なります。たとえば、ほとんどのエンジニアリング材料には延性があるので、破断前に壊れます。
フォンミーゼスの応力は、一般的に、延性のある材料の欠陥を予測するには最も精度が高いと考えられています。最大せん断応力 (トレスカ) 理論も延性のある材料に使用できます。もろい材料は破断できないので、そのような場合には
モールの修正円理論を使用します。合成構造は一般的に、異なったモードの欠陥があり、それを予測するために
Tsai Wu、
最大応力、
最大歪みなどのさまざまな理論を必要とします。荷重の性質が周期的な (つまり、荒れた道路の表面を走行する自動車のように、荷重が何度もかけられては取り除かれる) 場合には、
疲労により低い応力で部品に障害が発生することがあります。
• Creo Simulate が生成する変位の結果は、適用された境界条件の下での構造の変形について示しています。多くの場合、ジョブを実行するための十分な硬度があり、かつ破壊しないための十分な強度の設計が要求されます。
静解析時に以下の点を確認することで、応力と変位についての信頼度の高い結果が得られます。
◦ できるだけ現実的に荷重や境界条件を設計する。
◦ Creo Simulate モデルのジオメトリが、高い応力が発生する領域における実際の部品のジオメトリを正確に反映するようにする。
たとえば、
Creo Simulate によって高い応力が検出される領域の回転を抑制した場合は、報告される応力が実際よりもかなり高くなります (これは、内角によって無限の高い応力や
特異点が生成されるという理論に基づいています)。さらに、
Creo Simulate でこれらの非現実的な応力を計算するには、より多くの計算時間とリソースが必要です。
要件
• 1 つの拘束条件セット
• 1 つ以上の荷重セット、または 1 つ以上の強制変位
詳細については、
構造解析の拘束条件セットと荷重セットを参照してください。