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疲労解析の概要
説明
疲労解析により、モデルが変動荷重を受けた場合に、疲労損傷を受けやすいか否かを判断します。一定速度で回転するシャフトのように、応力サイクルが規則的な場合には、一定振幅荷重を使用できます。応力サイクルが不規則な場合には、モデルに変動振幅荷重パターンを定義できます。
疲労解析を定義する前に、静解析を定義する必要があります。静解析の応力結果に、疲労解析用に指定した荷重係数を掛け、1 ライフサイクルの荷重変動を算出します。
疲労解析は下記を計算します。
「寿命 (対数表示)」(Log Life) - モデルが壊れるまでの推定サイクル数。疲労は幾何級数的な性質を持っているので、寿命は対数で表すと便利です。
「ダメージ (対数表示)」(Log Damage) - 蓄積された疲労サイクルと破壊までの総サイクル数間の割合。1 よりも大きな値は、破壊を表します。たとえば、値が 0.5 の場合、モデルの有効寿命の 50 % が失われていることを表します。疲労は幾何級数的な性質を持っているため、破損率は対数で表すと便利です。
累積疲労サイクルは、疲労解析が実行される前までにモデルで累積した疲労サイクルの数です。Creo Simulate でこの値は 1 と見なされ、ユーザーが指定することはできません。したがって、寿命 (対数表示) とダメージ (対数表示) の関係を次のように表すことができます。
(Log Life) = -(Log Damage)
「安全係数」(Factor of Safety) - 入力ロードの許容安全係数。算出されたモデルの疲労寿命が目標デザイン寿命より大きい場合、逆算によって入力ロードの許容安全係数が求められます。これは、目標デザイン寿命との折衷を行わずにロードの振幅を増加できる程度を表します。
安全係数を計算する場合、「疲労解析定義」(Fatigue Analysis Definition) ダイアログボックスの下部にある「出力」(Output) エリアのチェックボックスを選択します。
「疲労強度の信頼性」(Confidence of Life) - 算出した寿命と、目標デザイン寿命間の割合。疲労は統計的な性質を持っているので、信頼性が高いほど、優れています。1 未満の値は、破壊を表します。3.0 よりも大きな値は、通常、必要とされる目標寿命を満たすのに十分な信頼性があることを表します。
疲労強度の信頼性の結果を 3 色のフリンジディスプレイで表示して、モデルが最初に壊れる場所や、モデルの寿命サイクルが長くなる場所についての全体像を把握することができます。赤は、疲労強度の信頼性が、0 サイクルから、解析ダイアログボックスの「要求耐久性」(Desired Endurance) に入力したサイクル数までの間であることを表します。黄色は、疲労強度の信頼性が、解析ダイアログボックスの「要求耐久性」(Desired Endurance) のサイクル数から、その 3 倍までの範囲であることを表します。これらの数字間の違いは、限界寿命と見なされます緑色は、限界寿命以上の寿命サイクル数であることを表します。
疲労の背景情報、疲労解析で使用した方法論の詳細については、オンライン資料Understanding Fatigue Analysisを参照してください。
Fatigue Advisor は、問題を解決するために通常は必要となる内容をすべて入力しなくても、疲労しやすいデザインであるかどうかを迅速に把握できるように最適化されています。これは、比較的入手しやすい内容を入力するように求めるとともに、ユーザーが直接提供しない内容に関しては非常に堅実なデフォルト値を内部設定することで実現しています。上級ユーザーの方は、これらのデフォルト値を変更して、堅実性の低い状況を調べることもできます。
要件
3D ソリッドまたはシェルモデル
等方性材料のみ
1 つの静解析
材料の疲労特性