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継ぎ手パラメータ
パイプの継ぎ手パラメータは、設計段階でライブラリコンポーネントと関連付けられた非グラフィックデータです。
標準の Creo Parametric パラメータフィーチャーを使用して、継ぎ手パラメータをライブラリコンポーネントに関連付けられます。継ぎ手パラメータは、継ぎ手の挿入、設計規則のチェック、レポート時にモデリング自動化の詳細を指定します。
継ぎ手パラメータ
説明
継ぎ手分岐サイズパラメータ
分岐サイズパラメータは継ぎ手の分岐ポートに挿入される必要があります。これは、BRANCH_SIZE と表記される文字列タイプフィーチャーパラメータです。このパラメータは、任意の有効なパイプ基準直径値をとります。継ぎ手の分岐ポートサイズが入口ポートサイズと異なる場合にのみ、このパラメータを挿入します。
入口ポートに SIZE パラメータを挿入し、分岐ポートに BRANCH_SIZE パラメータを挿入して、一方向径違い T 字継ぎ手を定義できます。
フロー拘束継ぎ手パラメータ
FLOW_CONSTRAINED パラメータは、整数タイプの部品パラメータです。チェックバルブや単一方向角度バルブなど、流れ方向指定の継ぎ手のライブラリ部品に FLOW_CONSTRAINED を挿入します。
FLOW_CONSTRAINED パラメータは、逆フロー時に継ぎ手を反転させるために、流れ方向反転機能によってステータスフラグとして使用されます。この整数パラメータは、ステータスフラグとして使用されるため、ソフトウェアはこの値を無視します。
整数パラメータへの値の割り当ては必須です。常に整数値 (1 など) を割り当てる必要がありますが、この値はソフトウェアでは使用されません。
継ぎ手入口サイズパラメータ
継ぎ手入口サイズパラメータは、継ぎ手の1つのポートにのみ挿入できます。これは、SIZE と表記される文字列タイプフィーチャーパラメータです。SIZE パラメータを持つ継ぎ手ポートは、継ぎ手の入口ポートに指定されています。このパラメータは、任意の有効なパイプ基準直径値をとります。このパラメータに指定されたサイズの値は、さまざまなマスターカタログファイルで指定したサイズの値に一致する必要があります。
継ぎ手出口サイズパラメータ
継ぎ手出口サイズパラメータは継ぎ手の出口ポートに挿入されます。これは、NEW_SIZE と表記される文字列タイプフィーチャーパラメータです。このパラメータは、任意の有効なパイプ基準直径値をとります。継ぎ手の出口ポートサイズが入口ポートサイズと異なる場合にのみ、このパラメータを挿入します。NEW_SIZE の基準値は SIZE の基準値より小さくなければなりません。
継ぎ手非同心パラメータ
継ぎ手非同心パラメータは、非同心継ぎ手のライブラリ部品に挿入される必要があり、継ぎ手のローカル y 軸に沿った入口ポート非同心または出口ポート非同心のどちらかを持つ継ぎ手にのみ適用できます。これは、Y_ECCENTRICITY と表記される整数タイプの部品パラメータです。このパラメータは通常、ステータスフラグのように動作し、その値に関連はありません。
Y_ECCENTRICITY パラメータは、非同心継ぎ手の挿入時に、中心線オフセットを使用可能にするステータスフラグとして動作します。
サーフェス領域パラメータ
サーフェス領域は、実際の値パラメータ PRO_MP_ALT_AREA を使用して、継ぎ手ライブラリ部品に直接割り当てられます。継ぎ手ライブラリ部品で指定した面積単位系で、PRO_MP_ALT_AREA パラメータに値を指定します。
継ぎ手ライブラリ部品のサーフェス領域は、「モデル解析」(Model Analysis) ダイアログボックスを使用してパイプラインアセンブリのモデル解析を行うときに計算されます。PRO_MP_SOURCE パラメータに対して、値 PARAMETERS を指定した場合、Creo Parametric では継ぎ手用に PRO_MP_ALT_AREA に指定した値を使用して、これを解析パラメータ PRO_MP_AREA に関連付けて、サーフェス領域を計算します。PRO_MP_ALT_AREA に値を指定しない場合、または PRO_MP_SOURCE パラメータに対して値 GEOMETRY を指定した場合には、継ぎ手ライブラリ部品のジオメトリを使用してサーフェス領域が計算されます。
重心パラメータ
実数パラメータPRO_MP_ALT_COGXPRO_MP_ALT_COGY、および PRO_MP_ALT_COGZ を使用すると、継ぎ手ライブラリ部品に重心を直接指定できます。PRO_MP_ALT_COGXPRO_MP_ALT_COGY、および PRO_MP_ALT_COGZ に指定した値は、PRO_MP_SOURCE パラメータに値 PARAMETERS を指定した場合のみ、重心の計算に使用されます。重心パラメータに値を指定しなかった場合、または PRO_MP_SOURCE に値 GEOMETRY を指定した場合、継ぎ手ライブラリ部品のジオメトリが重心の計算に使用されます。
仕様駆動パイピングでは、継ぎ手を修正または置換した場合に、重心情報が自動的に更新されます。
「レポートフォーマット」(Report Format) ダイアログボックスで COG_XCOG_Y、 または COG_Z を列に選択した場合は、「パイプラインレポート」(Report Pipeline) ダイアログボックスには、重心情報が表示されます。継ぎ手の場合、PRO_MP_ALT_COGXPRO_MP_ALT_COGYPRO_MP_ALT_COGZ パラメータを継ぎ手に割り当てていれば、パイプラインの開始位置についてこれらのパラメータが変換され、重心情報がレポートされます。レポートには、パイプセグメントおよび継ぎ手の重心情報の X、Y、および Z 座標値がパイピングアセンブリの線単位で記載されます。
ウェイトパラメータ
ウェイト計算用に、ライブラリ部品に PRO_MP_ALT_MASS パラメータを指定できます。モデル解析フィーチャーがこのパラメータとその他のユーザー定義パラメータを使用して、適切なモデル解析計算を実行します。
PRO_MP_SOURCE パラメータの値を PARAMETERS に設定した場合、モデル解析ではこれに関連付けられている値が質量特性計算に使用されます。PRO_MP_SOURCE パラメータの値が GEOMETRY に設定されているか、ほかのパラメータに値を指定していない場合、モデル解析ではモデル解析計算に部品のジオメトリが使用されます。
 
*注記 コンフィギュレーションオプション mass_property_calculateautomatic に設定されている場合、パイピングアセンブリを再生するとアセンブリ内のすべての継ぎ手に質量特性パラメータが指定されます。
バルブ番号継ぎ手パラメータ
バルブ番号パラメータは継ぎ手構成部品フィーチャーに割り当てられます。この番号は VALVENUMBER で表記される文字列タイプパラメータです。
継ぎ手整列オフセットパラメータ
継ぎ手整列オフセットパラメータは、オプションのパラメータで、適切なオフセット値とともに継ぎ手の任意のポートに挿入できます。これは、OFFSET と表記される実数型のフィーチャーパラメータです。OFFSET パラメータの値は、ポートとそのポートに対応する面との間の距離でなければなりません。これは主として、ソケット溶接継ぎ手やスクリュー継ぎ手で使用されます。次の図に、スクリューバルブを示します。
1. 上流側ポートオフセット = 20.0
2. 近傍点 (ポートの基準から 20 mm)
3. 自動中心点
4. 下流側ポートオフセット = 20.0
5. 遠隔点 (ポートの基準から 20 mm)
継ぎ手挿入機能には、OFFSET パラメータに基づいた整列を可能にする追加のオプションがあります。継ぎ手挿入時にこのオプションを有効にすると、近似/遠隔整列位置が OFFSET パラメータを使用して決定されます。OFFSET パラメータは、2 つの隣接継ぎ手間の干渉チェックにも使用されます。
継ぎ手にオフセットパラメータ値を割り当てる場合は、次の点に注意する必要があります。
正の値のみを割り当てます。負の値は無視され、この場合は絶対値がオフセットとして使用されます。
特定のポートに関連したオフセット値を使用すると、そのポートのオプションの整列位置は正方向の z 軸に沿ってオフセットされます。
ポートの端点タイプとオフセット値が入口ポートと同じ場合には、入口ポートに対してのみ OFFSET パラメータを指定します。
ポートの端点タイプが入口ポートと異なる場合は、そのポートに対して OFFSET パラメータを指定し、端点タイプに対応した適切な値を指定する必要があります。端点タイプが異なる場合、入口ポートに指定したオフセット値は他方のポートには適用できません。
継ぎ手端点タイプコードパラメータ
端点タイプパラメータは、適切な端点タイプ値とともに継ぎ手の入口ポートに挿入される必要があります。これは、END_TYPE と表記される文字列タイプフィーチャーパラメータです。すべての継ぎ手の入口ポートにこのパラメータを挿入する必要があります。
継ぎ手のポートがすべて同じ端点タイプである場合、すべてのポートにこのパラメータを割り当てる必要はありません。入口ポートに END_TYPE パラメータを割り当てるだけで十分です。継ぎ手の出口または分岐ポートに END_TYPE パラメータが指定されていない場合には、入口ポートに指定された END_TYPE パラメータが、ほかのすべての未指定ポートに自動的に割り当てられます。ただし、継ぎ手の入口、出口、分岐ポートの端点タイプが異なる場合、入口、出口、分岐ポートに適切な値を指定した END_TYPE パラメータを挿入する必要があります。各ポートに指定されたこれらの端点タイプが使用されます。
提供されるライブラリと継ぎ手 MCAT ファイル内の継ぎ手端点タイプに使用される端点タイプ値は、次のとおりです。
BW - 突合せ溶接
SW - ソケット溶接
SC - スクリュー
SO - スリップオン
FLFF - フランジ平面
FLRF - フランジ隆起面
FLRJ - フランジリングジョイント
FLTG - タンと溝合致のフランジタン端点
FLGR - タンと溝合致のフランジ溝端点
 
*注記 端点タイプコードはユーザー定義が可能ですが、次の規則に従う必要があります。
1. フランジ端点タイプは "F" の文字で始まる必要があります。
2. スクリュー端点タイプは "SC" の文字で始まる必要があります。
3. 端点タイプ適合性チェックに使用される端点タイプ適合性ファイルと同じ端点タイプ値を使用します。
END_TYPE パラメータは、隣接する継ぎ手間の自動端点タイプチェックを実行するために、継ぎ手の挿入時に使用されます。また、フランジ継ぎ手の挿入時に合致するフランジとガスケットを自動的に挿入するためにも使用されます。