この部品に対して、1 次データム形体が小さすぎる可能性があります
1 次
データム形体は、一般的に、部品のサイズよりもかなり大きくなければなりません。
主要なデータム参照枠で参照されている場合、1 次データム形体は部品の位置と方向を拘束します。データム形体が十分に大きくない場合、部品の方向に対する拘束が十分に安定しなかったり再現不能になったりすることがあります。
GD&T Advisor では 1 次データム形体によって拘束される部品の方向自由度それぞれに対して次の処理が行われ、主要なデータム参照枠の 1 次データム形体がその部品に適切であるかどうかが判別されます。
1. 拘束されている自由度の回転軸に対して法線が平行である平面がサーチされます。
2. Max_Proj_Part_Dim (その平面に投影される部品境界ボックスの最大寸法) がサーチされます。
3. Char_Len (拘束されている自由度に関連するデータム形体の該当する寸法) がサーチされます。
4. DimRatio = Max_Proj_Part_Dim/Char_Len が計算されます。
5. DimRatio > PRT_PrimDFSize の場合にメッセージが表示されます (ここで、PRT_PrimDFSize はアプリケーションオプションで定義されています)。
このアドバイザーメッセージが表示された場合、別の 1 次データム形体を設定することを検討してください。
例
以下の図に示す例について考えます。
1. 境界ボックス (250x100x90)
以下の表に、この部品の 1 次データム形体のいくつかの候補と、このテストのステータスを示します。アプリケーションオプションで PRT_PrimDFSize が 5.0 に設定されているものとします。
例 | テストの評価 | テストのステータス |
| 1 次 DF の Char_Len: Char_Len(RX) = 90 Char_Len(RZ) = 40 比率: DimRatio(RX) = 90/90 = 1.0 DimRatio(RZ) = 250/40 = 6.25 | 以下の理由により失敗: DimRatio(RZ) > PRT_PrimDFSize |
| 1 次 DF の Char_Len: Char_Len(RX) = 25 Char_Len(RZ) = 25 比率: DimRatio(RX) = 90/25 = 3.2 DimRatio(RZ) = 250/25 = 10.0 | 以下の理由により失敗: DimRatio(RZ) > PRT_PrimDFSize |
| 1 次 DF の Char_Len: Char_Len(RX) = 90 Char_Len(RZ) = 250 比率: DimRatio(RX) = 90/90 = 1.0 DimRatio(RZ) = 250/250 = 1.0 | 以下の理由により合格: DimRatio(RX) < PRT_PrimDFSize かつ DimRatio(RZ) < PRT_PrimDFSize |
この場合、1 次データム形体としては部品の下部平面サーフェスがおそらく最も適しています。
