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幾何制御 (ASME)
以下の表には、ASME Y14.5-2009 公差規格でサポートされている幾何公差特性記号 (GCS) が示されています。各幾何公差特性記号は、形体の 1 つまたは複数の幾何属性 (サイズや形状など) に対する拘束を指定するときに使用可能な幾何制御を表します。
適用先
タイプ
特性
記号
単独形体
形状
単独形体または関連形体
輪郭度
関連形体
方向
位置
振れ公差
各 GCS はメニューでアイコンとその名前によって表されます。これらのアイコンのカラーには次のような意味があります。
カラー
状態
一般的な説明
緑に白をかぶせる
推奨
この幾何公差特性記号は ASME Y14.5-2009 に準拠して形体に適用可能であり、選択されているスキームと互換性があり、互換性がある DRF があり、形体が適切に拘束されると思われます。
白に黒をかぶせる
有効ですが、推奨されません
この幾何公差特性記号は ASME Y14.5-2009 に準拠して形体に適用可能であり、選択されているスキームと互換性がありますが、これを選択すると拘束の問題が発生する可能性があります。
白に灰色をかぶせる
許可されません
以下の表で説明しているいずれかの理由によって、この幾何公差特性記号を使用することは許可されません。
メニューでいずれかの幾何公差特性記号にカーソルを合わせると、その記号の状態に関する具体的な理由について説明するツールヒントが表示されます。このツールヒントには次のいずれかのメッセージが表示されます。
状態
メッセージ
詳しい説明
推奨
GCS はこの形体に推奨されている拘束です。
この幾何公差特性記号では、形体に必要な拘束の少なくとも一部が適用されます。
有効ですが、推奨されません
GCS は拘束が不十分です。
この幾何公差特性記号では、形体に必要な拘束が適用されません。たとえば、形体の位置を拘束する必要がある場合、方向幾何制御では拘束が不完全です。
GCS は既存の DRF と互換性がありません。
この幾何公差特性記号は、この形体より上位のいずれの DRF とも互換性がありません。たとえば、平面サーフェス形体に直角度を適用するには、1 次平面または軸がその平面サーフェス形体に対して直角である上位 DRF が存在する必要があります。
GCS は過剰拘束している可能性があります。
この幾何公差特性記号は、類似する幾何制御によってすでに拘束されている形体の自由度に対する拘束を表します。たとえば、単純穴の場合、DRF A|B|C を基準にした 1 つ目のセグメント位置によって、その形体のすべての自由度が拘束されます。形体制御枠に 2 つ目のセグメントを追加した場合、位置は過剰拘束の可能性があるものとして示されます。
許可されません
GCS は、この形体タイプに適用できません。
この幾何公差特性記号を形体に指定することは有効ではありません。たとえば、平面サーフェス形体に真円度を指定することはできません。
GCS は選択したスキームに適用できません。
この幾何公差特性記号は選択されているスキームに適用できません。たとえば、単純穴では、選択されているスキームが '公差サイズ' である場合、'面の輪郭度' 幾何制御によって形体のサイズが拘束され、公差サイズ寸法を指定することは許可されないので、この幾何制御はこのスキームと互換性がありません。
GCS はアプリケーションオプションで制限されています。
アプリケーション管理者は、システムアプリケーションオプションで、使用が制限される幾何公差特性記号を指定できます。たとえば、多くの会社では '対称度' や '同心度' を使用することは許可されていません。
GCS は完全に回転している形体にのみ適用できます。
'円周振れ' と '全振れ' は完全な回転プロファイルを持つ形体のみに適用できます。
GCS は形体の拘束可能な変数と互換性がありません。
モデルの 1 つ目の形体では、そのサイズと形状のみを拘束できます。形体を拘束するときの基準となるその他の形体が存在しないため、その位置と方向は拘束できません。モデル内の最初のいくつかの形体で同様の問題が生じることがあります。
GCS は前のセグメントと互換性がありません。
複数セグメントの形体制御枠では、下位セグメントで選択された幾何公差特性記号が、上位セグメントの幾何公差特性記号と両立しなければなりません。慣習として、拘束度の高いものから順に (つまり位置または輪郭、次に方向、その次に形状) 並んでいる必要があります。
GCS にはサポートされていない方向インジケータが必要です。
平面サーフェスに適用される真直度などの一部の幾何公差特性記号には、拘束が適用される方向を指定する方向インジケータ (サーフェスラインなど) が必要です (ASME Y14.41-2012 の図 12-9 を参照)。ただし、GD&T Advisor にはこの方向を指定する手段がありません。このため、方向インジケータを必要とする幾何公差はサポートされていません。
一般的には、メニューから '推奨' されている幾何公差特性記号 (緑地に白色のアイコンが表示されている記号) のいずれかを選択する必要があります。多くの場合は '推奨' される幾何公差特性記号は 1 つしかないので、決定は簡単です。場合によっては、メニューに複数の幾何公差特性記号が表示されます。そのような場合、適用する記号を決定する際には、その形体の機能と、使用可能な幾何公差特性記号それぞれの意味について考慮する必要があります。
幾何公差の値を指定する際には、形体の機能要件について考慮してください。公差値は以下に基づいて指定することが一般的です。
公差解析
会社の設計ガイドライン
指定した公差値が部品のコストに重大な影響を与えることがあります。一般的には、その形体の機能要件を満たす最大の公差値を指定するようにします。